8月10日 東明館vs日本航空
→日本航空勝利 4-0
<東明館>
〇攻撃
バントが多め。1試合平均4犠打など、地方大会でもバント中心に勝ち上がってきた。
バスターエンドラン、1・3塁からのエンドラン、スクイズなど多岐にわたる攻撃で、作戦はある程度豊富だったように思う。意外と盗塁はない。
打線も安打数こそ少ないが、捉えた当たりは少なくなかった。
正直飛び道具(長打)がなかったので、このゲームの差はそこだったように思う。
〇守備
今村投手が大変良かった。ピッチトンネルを通すようなカットボールとチェンジアップを使って、ゴロの山。カーブでもカウントがとれる。審判が外が広かったのか、相性もよくカウントを整えることができた。ひっかけたり、詰まったりと打たされるような場面が何度もあり、日本航空は苦しかったように思う。
対策をするならば、
アウトコースの直球とカットボールが生命線なので、踏み込んで打ちに行くか、
追いかけずに近いボールを待つかどちらかだったのかな、と思う。
守備も安定しており、佐賀大会負けなしの力は伊達ではないと思った。
守備から崩れるという雰囲気はほぼなかった。
〇采配
バント・サイン系で動かすタイプだったように見える。
好投手に対して揺さぶりをかけていったともいえるが、比較的動くタイプのように感じた。
タイム3回は6回に2度、8回に1度。3回目のタイミングは結構難しくて、2番でかけるか3番でかけるか、微妙なラインだった。結果打たれた後に使ったので、印象としては後手に回ったようにも見えた。劣勢なら先手を打つべき・・・か・・・?ここは意見がわかれそう。
気になった2つの場面。
①3回表の攻撃、無死1塁打者・1番加藤。「ここでバントか」と思ってしまった。
1番いい打者なので、自分ならヒッティングで行く気がする、、、。
②6回表の攻撃、2死1・2塁でセンター前ヒット。
ホームでクロスプレイになったがセンター好返球でタッグアウト。
このときサードランナーの三塁回りは大変上手だったが、
ホームのスライディングが直線だった。
ホームコーチャーがスライディングのジェスチャーだったので、回り込んでいれば間に合ったかもしれない。采配ではないが、もったいなかった部分。
<日本航空>
〇攻撃
飛び道具の重要性が出た、という印象。
5回まではほとんど同じアウトの取られ方をしており、
「甘いボールを打っていこう」みたいな攻撃に見えた。
若いカウントからのヒッティングが多かったので、
「まずは振っていくこと」みたいな指示が出ていたように想像している。
正直なところ、
打ち方が”最短距離打法”で、今村投手のカットボールには対処できていなかった。
トップを動かさず、大きくひねって、最短距離で打っている。かつ多くの選手がそのような打ち方であったので、いろいろ思うところがあった。
〇守備
ヴァデルナ投手がよかったが、特にバックドアのスライダーがあんなにも有効なのかと感じた。投球の4割はスライダーだが、カウントもとれるし、右打者は角度が合わずに捉えにくそうであった。
制球力は比較的アバウトだが、大型左腕から投げられるスライダーは捉えにくいように思う。
〇采配
基本は動かない。タイムも1度もとらなかった。横綱野球といえばそう。
方針なのだろうか、どんな意図があるのかを知りたい。
配球のサインを監督が出しており、狙い球を外したりピッチドアウトをしたり、
高校生ではできないような内容の配球になっていた。
日本航空が勝ってきた秘訣の1つはそこのような気がする。
<総合的な学び>
結局長打力は必要だな、という点。
正直東明館が中盤まで押しているゲームだったので、前半のところで点がとれなかったのが痛かった。
その分力で押し切られてしまったゲームとなった。
ただ十分に互角の戦いだったように思う。
ゲーム内容としては東明館のほうがいいし、6回までは勝ちゲームの展開をつくっていた。
やはり「取れる時にとる」「いろんな形でとれる」ことも大事なのだろう。
結局は長打が出るチームを作らなきゃダメなんだと思う。試合を最終的に決めたのは8回裏の2ベース2本なので。