プルダウンと計測について
プルダウンとはいかなるものか?
グラウンドにいるときは、たいてい計測しています。ブルペンに投手がいれば計測をし、練習試合でも大概は計測をしています。スピードを意識させ、他人との違いを明確にしています。投手陣の動向をいつも観察しています。
8月の下旬ごろから「プルダウン(助走投げ)」を投球練習前にはやるよう指示を出しました。プルダウンの計測も行うことで、スピードを意識させています。
その後も計測と観察を続けているのですが、律儀に投球練習前にプルダウンを行う選手と、普段どおり入る選手がいます。私がいるときは「助走投げやってからだぞ」と言っています。毎度声をかけられるわけではないのですが、個々人の性格が現れているようです。計測を続けて5ヶ月以上経っていますが、一定の変化が現れました。これまでの数年間では見られなかった変化です。
・投手陣(16名)の全体的な球速アップ
・ブルペンでプルダウンを必ず行う投手の球速アップ幅が大きい
♢嫌でも球速を意識せざるを得ない
頻繁に計測していますし、ブルペンでは数字を読み上げています。露骨にスピードを言われるので、意識せざるを得ません。成長の度合いは露骨にわかりますし、評価基準も試合結果だけではなく、「スピード」があります。単純に調子が悪いのかどうかも、スピードに露骨に現れます。選手もそうですし、私も変化を感じやすくなりました。
♢プルダウンで球速アップ?
計測することによって、個々人の平均球速は高まりました。プルダウンは出力を大きくする練習ですから、逆に出力を下げる感覚も掴めているのかもしれません。そのため、出力を下げて制球するのでフォアボールが減り、ピンチでは出力を上げることができます。
ブルペンを観察していて、プルダウンを必ず行う2人の投手がおります。他の投手はやったりやらなかったりなのですが、その2人だけは必ず行っています。なんと6月の計測から、約10キロの球速アップに成功しています(プルダウンをはじめたのは8月下旬から)。
※補足ですがドライブラインが行う重たいボールを投げる、などは諸事情につきできていません。これは諸事情につき、です。やりたいのは山々です。
A投手は6月の時点で119キロ→11月半ばに132キロ
B投手は6月の時点で115キロ→11月半ばに126キロ
さすがに私も驚きました。他にも5キロのアップに成功した投手も複数名おります。
もちろん高校生なので、体が発達する時期ではあります。厳密に「プルダウンの成果」とは言い切れません。筋肉の発達や体の成長によるものでもありますし、計測することで意識が高まり、トレーニングを行っていたのかもしれません。もちろんトレーニング・ケア・柔軟性に関する指示もある程度出していますが。プルダウンの効果はとても大きいと感じています。
ただ、まだまだここからです。球速アップにはリスクが伴います。ストレッチ・可動域の確保・柔軟性の獲得・ケアの方法などやることはたくさんあります。やらなければならないことや教えなければならないことが沢山あるので、まだまだ私も学びます。そして多少球速は速くなりましたが、伸び悩んでいる投手もたくさんおります。我がチームの投手陣は、皆成長の芽があります。私はその芽を摘まず、全員が今より球速アップを願っています。全員がさらにパワフルな投手になってほしいので、そのためのサポートをしたいと思います。
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