2018年11月11日日曜日

打者の認知とピッチトンネル④


打者の認知とピッチトンネル④

打者の認知とピッチトンネル①
打者の認知とピッチトンネル②
打者の認知とピッチトンネル③

~ピッチトンネルの原則~
① トンネルをできるだけ小さくすること(コントロールのばらつきを小さくする)
② よりストレートと同じ軌道・速度に近づけること
③ 軌道を外すボールを活用すること
④ 自分の特徴を生かすこと(身長・アームアングル・スピンレートなど)
⑤ 打者のきもちや打者目線で考えること


①・②は前回の投稿を参照していただきたいと思います。

今回は解説の続き。


◇③ 軌道を外すボールを活用すること
打者はリリース後にボール軌道の判断をしています。はじめのおよそ0.19秒段階です。リリースからの軌道を予測して、「ストライク」か「ボール」かの判断をするようです。

この段階で「あ、これはボールゾーンだわ」と思わせることができれば、打者は反応できません。
または、トンネルを有効活用している投手であれば、打者はトンネル付近に集中しています。そこで「あえてトンネルを早く」外すことで、打者が反応できなくなるわけです。

そこで有効的なのが、カーブです。

空振りの場面はストライクゾーン(トンネル)から曲げる、見送りはおそらく打者が一瞬「ボール
」と判断したためでしょう。ストライクゾーンから外れるため、打者が反応できないのです。


また、いわゆる「バックドア」「フロントドア」と呼ばれる投球術もここに含まれると考えています。
・ツーシームをボールゾーンからストライクゾーンへ
・カットボールをボールゾーンからストライクゾーンへ
→空振りを奪うのはストライクゾーンからボールゾーン、
 見逃しを奪うのはボールゾーンからストライクゾーン
トンネルを外し、ボールゾーン軌道で投げ、打者の反応を遅らせてます。



空振りするときと、見逃しのときの違いを見ていただきたいです。


〜追記〜
◇④ 自分の特徴を生かすこと(身長・アームアングル・スピンレートなど)
①~③というのが、ある種原則中の原則であります。本来は個人の特性をある程度ふくめて考えることで、効果を最大にすることができると考えています。その要素として、

・身長
・アームアングル
・スピンレート(回転数)や回転軸

の3つです。

いろんなパターンがあり、それぞれに強みがあります。

●高身長×アームアングル高
クレイトン・カーショウ(身長193cm) Wikipedia参照
フォーシーム平均153キロ
スライダー平均140キロ前後
カーブ110キロ
まれにチェンジアップ

12-6カーブは有名ですが、割合として多いのはスライダーです。ストレート軌道からストンと曲がるスライダーで空振りを多く奪っています。右打者からも空振りを奪うところから、縦変化の要素があります。高身長でアームアングルが高い投手は、縦変化が有効的になります。低めの直球と思って振りに行くと、バットに当たらないのでしょう。


●高身長×アームアングル低
クリス・セール(198cm)
フォーシーム平均 153キロ
スライダー平均129キロ
チェンジアップ140キロ
https://www.youtube.com/watch?v=t1krPxXfgKQ&t=192s


アームアングルが低いですが、身長の高さと腕の長さを生かして横変化を使っています。元々はツーシームも多投していたようですね。左打者に対するスライダー、右打者に対してもバックドアスライダーで三振を奪っています。ストレートの球速もあるので、高めでファールを打たせることができますね。


●低身長×アームアングル低
クレイグ・キンブレル(182cm)
フォーシーム平均158キロ(2017年)
ナックルカーブ
ツーシーム
チェンジアップ
言わずとしれた最強クローザーです。特徴的なのは低めのアームアングルから投げるストレートです。「浮き上がってくる」と評価されることがあります。




◇それぞれ特徴を生かして投球する
高身長ならば高めを投げるよりも、低めが効果的になります。自ずと縦の変化が有効になります。アームアングルが低くて腕が長いのであれば、横の変化が生きます。スピンレートについてはあまり触れていませんが、高スピンレートなら高めをつかったボールですし、低スピンレートなら、低めでしょう。それぞれの強みを生かして投げることですね。


◇ ⑤ 打者の気持ちで考えること・打者の目線で考えること


この記事を読むと、打者の目線で考える重要性を知ることができます。バッターの目の位置や、反応しにくい位置があるようです。

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