2018年11月10日土曜日

打者の認知とピッチトンネル③


打者の認知とピッチトンネル③



打者の認知とピッチトンネル①
打者の認知とピッチトンネル②

前回・前々回と、理論的な前置きをしました。結局私の頭でわからないことがわかったわけですが、ここからが本題です。結局ピッチトンネルをどう活用するのか、が一番大切な部分であります。


ということで、ピッチトンネルの原則を考えてみました。

① トンネルをできるだけ小さくすること(コントロールのばらつきを小さくする)

② よりストレートと同じ軌道・速度に近づけること

③ 軌道を外すボールを活用すること

④ 自分の特徴を生かすこと(身長・アームアングル・スピンレートなど)

⑤ 打者の気持ちや打者目線で考えること




◇① トンネルをできるだけ小さくすること(コントロールのばらつきを小さくする)
 コントロールのばらつきを小さくする、とは「だいたい同じ輪っかを通す」ことです。



この動画では、同じ軌道からボールが別れていってますね。ストレートに偽装してタイミングを外したり、ストレートに偽装して変化球を投げてます。
「だいたい同じ輪っかを通す」とは、ことで、変化球なのか、ストレートなのか判断させにくくすることができます。ボールのばらつきが大きいと、簡単に判断されてしまいます。できるかぎり近い軌道を通すことが大切です。


◇② よりストレートと同じ軌道・速度に近づけること
①でも述べましたが、ストレートと同じ軌道で他の変化球を投げることができれば、バッターを錯覚させることができます。そして変化するポイントができる限りバッター寄りになるとよいわけです。投手は、投手から見た変化量が気になるものですが、大切なのは打者目線です。「大きく曲げる」より「まっすぐ来てカクっと曲がる」ことが大切です。変化の大きさは小さくても構わないということです。


打者が「ストレート!」と判断して始動したら曲がる、のが良いでしょう。それがトンネルを通してから曲げることができれば、バッターの認知を上回ることができます。

速度に関しても、できる限り同じであれば偽装しやすいですね。ベースボールクリニックの神事先生の記事によれば、広島カープ野村投手(2018)のフォーシームは平均139.8キロ、ツーシームが138.9キロ、カットボールが138.5キロだそうです。私の推測ですが、ファストボール系統はフォーシームから5キロ以内に抑えるのが重要かと思います。

補足ですが、野村投手のスライダーは130キロ、チェンジアップは130.7キロだそうです。ほぼ同じ軌道(トンネルをくぐって)きて、少し遅いのでタイミングを外されます。これが「奥行き」になりますね(神事先生も指摘しておられます)。いわゆる緩急ということになります。これがあまり遅すぎたりしても、変化球であることがバレてしまうので、スライダーやチェンジアップはある程度の速度を保ちつつ、同じ軌道を通すことが重要ですね。


ちょっと長くなりましたので、ここで一段落します。続きは次回ということで。

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