2022年2月14日月曜日

8月11日 東北学院vs愛工大名電

 8月11日 東北学院vs愛工大名電


5-3 東北学院〇

かんたんなまとめ:初出場の東北学院が優勝候補の名電を撃破。

140キロトリオと激戦区を勝ち抜いてきた名電だったが、東北学院伊東投手の前になかなか点を取ることができない。初出場かつ新聞記事C評価の東北学院、投打がかみ合い長打4本と高い総合力で勝った。


【名電】

<攻撃>

体が大きいのでパワーはあるように見えるが、あまり対策をしている様子には見えなかった。低めの変化球に振ってしまい打ち取られるケースが多発。打席のなかの工夫もあまりみられず・・・。申し訳ないが、終始「無策」にみえた。

ただ能力値でいえば確かに高いものがあったし、田村選手のHRは圧巻だった。

<守備>

能力値の高さを感じるが、カットプレイの怠慢さやバックアップの走り具合などからして、

高い意識をもって取り組んでいるようには感じられなかった。

ただ田村投手のポテンシャルは高いと感じた。序盤の調整が早めにうまくいっていれば、もう少し違う形になっていたように思う。一方で、調整力も能力のひとつかな、と思う。

リリーフであがった寺嶋投手はのちプロ入りも狙えるぐらいいい投手だと思う。

146キロのストレートと130キロ弱のスライダーのコンビネーションはなかなか打てない。東北学院にはうまく対応されてしまったが、非常にポテンシャルが高い2番手投手であった。

<采配>

正直愛工大名電のゲームをちゃんとみた回数は少ないので何とも言えないが、王者の野球だなと思う。結果論でいうと、2点ビハインド4回、1死1・2塁で5番の送りバントも意図はわかる。ゲッツーよりかは、というところのような気もするが、ポテンシャルのチームならそこは振らせてもいいように思った。

選手個々のポテンシャルからして、個人の力がかみ合ったときは恐ろしい力を発揮するのだと思うし、愛知の私学4強のすべてを倒しての甲子園なので、優勝候補やA評価になるのもわかる。一方で、粗さを感じてしまうし、伊東投手対策も行っていないように思えたので、ちょっと厳しさを感じた。


大層気になったのはタイムの使い方で、バッテリー・野手がやたらとタイムをかけて時間を使う。これはルール上問題ないが、話し合いの長さが目立つ。審判も4試合目で時間が押しているのもありしきりに声掛けをしていて、審判側もアレだなと思ったが必要以上に話し込んでいる。他態度の悪さも感じてしまうのは僕だけなのかもしれないが、首をかしげる場面が出てしまった。


【東北学院】

<攻撃>

とりわけ体つき以上に長打もあり、驚いた。

一番は「打席の中の工夫」が如実に感じられた。狙い球を個々人が明確にしており、

どんどん振っていくスタイル。2ストライク後も簡単に打ち取られず、ファールにもできる。

驚いたのは変化球には「バットを置いていく」ような打ち方で内野の頭を越していた。これをやられると投手はキツイ・・・。

含めて長打4本はさすがで、やはり「接戦は長打で決まる」のか。

これらも研究の成果のような印象を受ける。

<守備>

伊東投手が丁寧にストライク先行・低めに変化球を集めて凡打の山を築く。

変化球もピッチトンネルのようにスライダーとスプリットを投げ分け、

特にスプリットはいいところから落ちているので、名電打者は苦しんでいた。

この辺りも打者によってはインコースもしきりに使うなどし、きっちり分析した成果が出ていたようにおもう。

<采配>

バスターやエンドランなどがちょこちょこ絡み、動かしていこうという姿勢がみられた。

かつ相手と状況を見ながら作戦を変えていくような戦いぶりだった。

正直初甲子園なのに、選手も監督も落ち着いているのはなぜなのか・・と思ってしまった。

選手もブラバンを口ずさむ余裕があるほど落ち着いていた。

タイムは最終回の1回のみで、ピンチもさほど多くなかったし、勝ちゲームの展開ではあった。一発があるだけに最後まで気を抜くことができなかったが、そのなかでポジショニングや配球面での対策をしており、抜け目のない野球をするという印象がある。


【学び】

下馬評だけでは野球はわからないし、技術水準としてもミスが生じるのでメンタルが左右する高校野球はわからない。落ち着いて、詰めるべきところを詰めていた東北学院が勝った、そんな印象がある。かつ、個人の能力を組み合わせていく組織の力が、チームスポーツには求められるんだな、とも思った。

「ストライクを打ち、ボールを見逃す」

「負けは自分たちのなかに、勝ちは相手の中に」

「51対49の戦い」

「コントロールできることに集中する」

「全員で強くなり、全員で勝つ」

「大局観をもって戦う」

最近考えている(引用でもある)ものだが、東北学院はまさにこれを体現していたと思う。少しずつ積み上げて勝った東北学院と、少しずつ負けていた愛工大名電。

そんな印象である。





2022年2月12日土曜日

8月11日 広島新庄vs横浜

 8月11日 広島新庄vs横浜

簡単なまとめ:投手戦となり、両投手が好投。広島新庄が勝ちゲームはほぼミスない内容で9回裏2アウトまでたどり着いたが、横浜の1年生緒方のサヨナラ3ラン。

申し分ない好ゲームだったと思うし、広島新庄は勝ち進めるだけの投手陣だったと思う。


【広島新庄】

<守備>

予選での失策が「1」というのは伊達ではなかったとおもう。二遊間のレベルが高いのと、ショートは瀬尾選手の能力は高いと思う。打球予測をしてきっちり守るので、大変いい選手。一度スチールの際にセカンドがベースカバーに入るなど、打順に合わせた守備を見せているので、さすがだと思った。

投手陣がそれぞれ能力が高いのだが、ふくめて配球がよかった。

花田投手は右打者はアウトコース・左打者はインコースを中心に攻める。

140キロ代のストレートと130キロ弱のカットボール、120キロのスライダー、110キロのカーブ。時折見せるフォークなど、狙い球が絞りにくい。

左打者にはインコースストレートとカットボールを終始投げ続けており、さすがの横浜打線も前になかなか飛ばない。ファールにするか空振りになってしまうので、簡単にカウントを稼がれてしまう。高校生が130キロのカットボールをヒットゾーンには飛ばせないだろう・・・・。直球とカットを意識すると、時折120キロのスライダーが来ると泳いでしまうし、カーブもある。今日の花田投手から連打は難しいと感じた。


<攻撃>

長打力というより機動力含めた総合的な攻撃力だが、なかなか使える場面がなかった。

左投手対策をしていたところもあると思うので、右腕宮田投手やや攻めあぐねた時間が長かった。宮田投手の丁寧な外攻めに苦しんでいたので、きっちりアウトコースを打つ練習はやるべきなんだと思う。

映像ではなかなか確認できないが、偽走やエンドランなど機動力を使って横浜の守備を乱そうとしていたように思う。粘り強かったのでなかなか崩れないが、終始バッテリーにプレッシャーはかかっていたという印象。


やはり勝ちゲームのなかでもう1本が出ればゲームが一気に傾いたが、決め損ねたという印象。最終回で1点でも取れるとまた違ったが、4番花田選手はノーヒットだったので、きっちり抑え込まれてしまった。

<采配>

7回・9回に無死で出塁を許した際にピッチャーを継投していた。

これはどんな根拠で交代だったのか、真意を聞きたい。状態としてはさほど危険な様子はなかったが、先手を打って交代したということか。

正直最後のホームランは確率の要素なので、しょうがないと思っている。

ただ勝ちゲームだったので、どうにか勝ち切りたかったし、9回4・5番で点が入らなかったのが、大きなミスといえる。

連打が続いたタイミング(6回裏4番)でタイムや、

8回でのタイムは見事なタイミングだったと思うので、自分も感性を磨きたい。


【横浜】

<守備>

もともとのポテンシャルもあるが、それ以上に中継やバックアップの動きがすさまじい。

「できるところを余念なくやろう」という強い意志を感じる。まさに能力に依っているチームでは一切なく、粘り強いチームであった。

バント処理へのバッテリーの反応や、スイングアピールの声など、選手の集中力と徹底力を感じる。これは強くなると思う。

宮田投手は丁寧にアウトコースを攻め、ハイボールとインコースをミックスしながら打線を抑えた。正直もう少し打たれている可能性はあるのだが、アウトコースのストライクゾーンがやや広めだったので、ピッチングスタイルと一致して攻めやすかったと思う。

注目の緒方選手はとにかく反応がいい。他の選手よりも1バウンド減らして捕球しているので、とにかくアウトになる。さすが、のひとこと。


<攻撃>

どんな対策を立てていたのかが気になるところ。

右打者は外を踏み込んでいく、左は直球を打つ、という対策になるのか。

いかんせん花田投手がよかったので苦しかったが、相手バッテリーにうまく攻められたなという印象。本来持っている能力をなかなか発揮できなかった。

なかなか動ける場面もなかったが、動かしていく感じではなかった。

多彩な攻めをするというより「負けない野球」をやっている印象。

ある程度選手の能力にゆだねられているといった感じか。

正直攻撃の意図がつかみにくかったので、どんな対策をしていたのかを知りたい。


<采配>

本当に粘り強い崩れないチームだなという印象。

タイムのタイミングが抜群で、9回の2アウト後のタイムはよかった。

正直あそこでゲームが決まってもおかしくない展開だったので、きっちりタイムとって落ち着いて最後のアウトを取りに行く。その姿勢が試合巧者だと感じた。

チーム全体として、相手を見ながら変幻自在に守ったり攻めたりする横浜野球がなんとなく戻ってきた気がする。

【学び】

・横浜バッテリーのバント処理の反応の良さ

・横浜守備のバックアップの走りと中継のスピード、フライへの詰め方

・広島新庄バッテリーのインコース攻め

・両監督のタイムをとるタイミング(一息入れたい・確認する・急がせない)

・もらったチャンスは攻めていい

・そもそもHRが打てるだけの能力を持っておくのは大事

・試合を決めるのはストライク率と長打

「ストライクを打ってボールを見逃す」




2022年2月8日火曜日

8月11日 智弁学園vs倉敷商業

 8月12日 智弁学園vs倉敷商業

結果:10-3 智弁学園〇

簡単なまとめ:前半は守り合いの展開。中盤以降に智弁の柔剛合わせた攻撃で得点を重ねる。

       智弁西村投手が7回まで2塁を踏ませず好投。

       倉敷も智弁相手でなければ初戦突破の可能性もあるいいチームだった。


<倉敷商業>

〇守備・投手

先発三宅が好投したものの、リリーフ永野がやや制球に苦しむ。

両投手ともよいポテンシャルであり、本来の実力であれば互角になるほどの力を感じたが、それ以上に智弁打線が恐ろしかった。

永野投手は左スリークォーターで、バックドア気味のスライダーとストレートの制球にやや苦しむ。抜け球がやや多かったので、コンディション次第では十分に活躍する要素があったように思う。


守備自体は粘り強く、智弁のハードにコンタクトした打球をよく抑えていた。

目立ったミスはなかったもののやや疑問だったのは、

・3塁ランナーがいる場合はすべて前進守備

・スクイズを3回決められてしまった

こちらの2点。


解説の永田さん(日大三島)も仰っていたが、後ろでもいい場面があったように思う。

5回1死満塁3-0で負けている場面、

5番打者(左)に前進→結果ライト前ヒットで、2点タイムリーとなった。

ゲッツーかセカンドだけ後ろ気味でも1点とアウトを引き替えておく、

そうすると、一気に試合は傾かなかった可能性はある。

結果その後3点入って7-0になってしまうので、試合がほぼ決まってしまった。


もう1つはスクイズを3回決められてしまったこと。

2点目・7点目・9点目はスクイズで決めている。

ピッチドアウト、投手がマウンドから降りる速度など、対策は可能だったようにおもう。

仮にすべてを回避するには難しいにしても、2回目・3回目は対策を講じる必要はあり、バッテリーとしてスキを与えてしまったように思う。


仮に守備位置を後ろでアウトをもらっており、スクイズを2回阻止していると3アウトを稼ぎ3点を減らしている。そこだけでも、点差を詰められる要因であったように思う。現場での判断は至極難しいのだが、自分にとってのいい教訓になるゲームである。

〇攻撃

単純に西村投手がよく、2塁ベースを踏めなかった。

打ちに行っている場面も多々あり、もともと仕掛けるチームなのだろうが、

なかなか動ける場面に出会えなかった。

スライダーを見極めていくのはかなり難しいのだが、

もし対策をとるならばストレートを差し込まれずに打ち返すことだったのかな、とも思う。



<智弁>

〇守備

正直あまり苦しい場面がほとんどないのと、ミスがほとんどなかった。

最終回のミスは選手交代したなどのことがあるが、そこはまた別の話。

バント処理ゲッツー、ファーストセカンドのさばきは格別。

またこの日の西村投手を打ち崩すのはなかなか難しいように思う。

左打者には外のスライダー、右打者にはチェンジアップ、警戒するとストレートに差し込まれる。

対策とするとなると、

・遠いボールは追いかけず、近くのボールを打っていく

・ストレートをきっちり打っていく

ここのあたりになるかな、と想像。あまり逆方向を意識すると詰まりそうな・・・

ただやはりいい投手である。


<攻撃>

中盤以降に打線がつながっていった。

もちろんストレートに力負けしてないところもあるが、

多くの打者にアウトコースを逆方向に打っていく技術がある。

インコースの直球で攻められるとどうか、というところも思うが、

相手からするとカウントが整えにくく、アウトになりにくい打者が多いと感じた。

基本は打っていく打線だし、トリッキーさはないが、

どんな打撃練習をしているのかが気になるところである。



<両チーム采配>

倉敷商ははやめに継投し、仕掛けようとする姿勢がみえた。若いイニングでタイムをつかい、先手先手で動いていた。3回までで毎回出塁はしていたので、もっと動きたかったのかな、という印象はある。スクイズのピッチドアウトのサインを勇気をもって出す、ここは自分の学びでもある。エースと心中するつもりであったろうし、永野投手のポテンシャルを考える、想像以上の点差になってしまったと思う。


智弁はそつなく、単打も長打もスクイズもエンドランも使えたゲーム。

いわゆる勝ちゲームだったという印象。終盤は点差がつき、ややミスも出たが、

改めて最後に小畠投手が出てきた締めた。選手の能力があるのでどっしり戦いつつ、要所でサインプレイのなかで得点を重ねる、試合巧者という感じか。


<本当に個人的な感想>

チーム力の差ももちろんあるが、総合力+長打なのかな。

智弁打線の圧力は恐ろしい。

あとは監督が勇気をもってスクイズやピッチドアウト、リスクを負うサインを出すこと。

ここはどこかで腹を括らなきゃいけないのだとおもう。

捕手任せにならないようにしないといけない、そう思った。








2022年1月19日水曜日

8月10日 東明館vs日本航空

 8月10日 東明館vs日本航空

→日本航空勝利 4-0


<東明館>

〇攻撃

バントが多め。1試合平均4犠打など、地方大会でもバント中心に勝ち上がってきた。

バスターエンドラン、1・3塁からのエンドラン、スクイズなど多岐にわたる攻撃で、作戦はある程度豊富だったように思う。意外と盗塁はない。

打線も安打数こそ少ないが、捉えた当たりは少なくなかった。

正直飛び道具(長打)がなかったので、このゲームの差はそこだったように思う。

〇守備

今村投手が大変良かった。ピッチトンネルを通すようなカットボールとチェンジアップを使って、ゴロの山。カーブでもカウントがとれる。審判が外が広かったのか、相性もよくカウントを整えることができた。ひっかけたり、詰まったりと打たされるような場面が何度もあり、日本航空は苦しかったように思う。

対策をするならば、

アウトコースの直球とカットボールが生命線なので、踏み込んで打ちに行くか、

追いかけずに近いボールを待つかどちらかだったのかな、と思う。


守備も安定しており、佐賀大会負けなしの力は伊達ではないと思った。

守備から崩れるという雰囲気はほぼなかった。


〇采配

バント・サイン系で動かすタイプだったように見える。

好投手に対して揺さぶりをかけていったともいえるが、比較的動くタイプのように感じた。

タイム3回は6回に2度、8回に1度。3回目のタイミングは結構難しくて、2番でかけるか3番でかけるか、微妙なラインだった。結果打たれた後に使ったので、印象としては後手に回ったようにも見えた。劣勢なら先手を打つべき・・・か・・・?ここは意見がわかれそう。


気になった2つの場面。

①3回表の攻撃、無死1塁打者・1番加藤。「ここでバントか」と思ってしまった。

1番いい打者なので、自分ならヒッティングで行く気がする、、、。

②6回表の攻撃、2死1・2塁でセンター前ヒット。

 ホームでクロスプレイになったがセンター好返球でタッグアウト。

 このときサードランナーの三塁回りは大変上手だったが、

 ホームのスライディングが直線だった。

   ホームコーチャーがスライディングのジェスチャーだったので、回り込んでいれば間に合ったかもしれない。采配ではないが、もったいなかった部分。


<日本航空>

〇攻撃

飛び道具の重要性が出た、という印象。

5回まではほとんど同じアウトの取られ方をしており、

「甘いボールを打っていこう」みたいな攻撃に見えた。

若いカウントからのヒッティングが多かったので、

「まずは振っていくこと」みたいな指示が出ていたように想像している。


正直なところ、

打ち方が”最短距離打法”で、今村投手のカットボールには対処できていなかった。

トップを動かさず、大きくひねって、最短距離で打っている。かつ多くの選手がそのような打ち方であったので、いろいろ思うところがあった。


〇守備

ヴァデルナ投手がよかったが、特にバックドアのスライダーがあんなにも有効なのかと感じた。投球の4割はスライダーだが、カウントもとれるし、右打者は角度が合わずに捉えにくそうであった。

制球力は比較的アバウトだが、大型左腕から投げられるスライダーは捉えにくいように思う。


〇采配

基本は動かない。タイムも1度もとらなかった。横綱野球といえばそう。

方針なのだろうか、どんな意図があるのかを知りたい。

配球のサインを監督が出しており、狙い球を外したりピッチドアウトをしたり、

高校生ではできないような内容の配球になっていた。

日本航空が勝ってきた秘訣の1つはそこのような気がする。


<総合的な学び>

結局長打力は必要だな、という点。

正直東明館が中盤まで押しているゲームだったので、前半のところで点がとれなかったのが痛かった。

その分力で押し切られてしまったゲームとなった。

ただ十分に互角の戦いだったように思う。


ゲーム内容としては東明館のほうがいいし、6回までは勝ちゲームの展開をつくっていた。

やはり「取れる時にとる」「いろんな形でとれる」ことも大事なのだろう。

結局は長打が出るチームを作らなきゃダメなんだと思う。試合を最終的に決めたのは8回裏の2ベース2本なので。








2022年1月8日土曜日

8月10日 甲子園 新田VS静岡

 甲子園初日の試合を映像をみながらスコアをつけた。

試合結果:4-2と新田高校が勝利


新田高校の印象

〇攻撃:打ち方も悪くなく、打つボールの選択がよかった

ボールを振らずにストライクを振っていくこと

本調子でない高須投手に対して、じっくりと攻めていた。

ストライクボールがはっきりするので、甘いボールを振りに行っていた印象

三振は多かったが、打席の中での粘りがある


というか、MAX146キロ、120キロのスライダー、130キロのフォークがあり、

地方大会無失点の投手から点を取るためには新田のような攻撃しかないのでは、という印象。ストライク率があと5%ぐらい高ければもっと厳しい勝負になっていただろうし、高校生で130キロのフォークに対処するのはハイレベルな話。

調子が悪かったのもあるが、新田の打者陣がボールを振らず、ストレートにも負けずに粘り強く打席のなかで工夫した結果だと考える。


〇守備:相手を意識した攻めをしていて、インコースを多用し外のスライダーを打たせたり、バックドアスライダーでカウントを稼いだ

ちゃんとみられてなかったが、ポジショニングもよかった

〇采配:キャッチャーがマメにタイムをとる、監督もタイム2回使用し、先手を打っていた印象。

要所でのエンドランや簡単にバントしないような動きが、地味だがボディブローとして効いていた。ミスが少なく、ワンプレイごとの積み重ねがよかったように思える。


静岡高校

〇攻撃:粗さを感じてしまった。予選での打率をみると高いが、うまく攻められてボールを打ちに行ってしまうケースが目立った。打ちに行くのはいいが、スイングパスが悪いのかスライダーを打ってフライになるケースが多発。半分以上はフライアウトなので、元のポテンシャルは高いのだが、指導法の問題の可能性も。得意の走塁を仕掛けられる場面もなく、後手に回ってしまった印象。

〇守備:高須投手がいまいちだったのが誤算だったように思う。守備は乱れもなくよく訓練されているという印象。野手の返球バックアップなど、学ぶべきところはやまほど。伝統校の強さ、簡単には崩れないチームである。

高須投手、コンディションなのか、マウンドとの相性なのか、ストレートが抜けることが多かった。アームアングルとボディターンがあまり合ってなかったか、踏み込みで崩れてしまうような。大型投手なので、バランスをとるのが難しいのもあるが、能力は本当に素晴らしい。あとストライク率が5%でもよければ違った展開になっていたので、紙一重の戦いだったなと思う。


〇采配:高須投手が崩れたことで思うようにゲームが運べなかった。

ボールが増え、打撃のリズムも崩れ、ちぐはぐな攻めとなってしまった。

悪循環のなかで車輪がうまくまわらずに進んでしまい、必然的に後手にまわってしまった。

選手交代、タイムのタイミングもバタバタしており後手にまわっていた。

負けゲームの要素であったが、負けゲームをそのままとどめることができなかった。


〇学び

悪循環のなかでどう戦うか。車輪がうまく連動しないなかで、スイッチをどう入れなおすか。タイムやら仕掛ける回数を増やすやら奇襲やら、あえて動かす材料をつくる必要はあるのかもしれない。

能力的に戦うのであれば静岡のほうが優勢だったように感じるが、「わずかな積み重ね」が勝ちにつながったように思う。展開上はどっちが勝ってもおかしくなかった。

繰り返しになるが、146キロのストレート、130キロフォークを投げる投手相手に2点を取った新田打線はすばらしい。投球フォームからみれば制球に難を感じるわけで、自滅という見方もできるが、ボールを振ってしまうことも少なくない。

「ストライクを打って、ボールを見逃す」という野球の本質を感じた。


そのなかで、やはり両校ともに崩れなかったし、それ以上に新田高校バッテリーがくずれなかった。結果論だが、「負ける理由」が新田高校のほうが少なかった。個々人の工夫が実を結び、1球毎1プレイ1打席ごとの上積みが新田高校のほうが多かったように思う。

余談ながら、この上積みのことを勝手に「51対49理論」と呼んでいる。

ちょっとずつ工夫をして1球多く投げさせるとか、1歩スタートを遅らせるとか、少しだけタイミングを外すとか、そういう小さい工夫の積み重ねが勝利につながる、という意味で考えている。いまいち言語化しきれていないが、勝つためには小さな積み重ねが大事だ、と思っている。














8月11日 東北学院vs愛工大名電

 8月11日 東北学院vs愛工大名電 5-3 東北学院〇 かんたんなまとめ:初出場の東北学院が優勝候補の名電を撃破。 140キロトリオと激戦区を勝ち抜いてきた名電だったが、東北学院伊東投手の前になかなか点を取ることができない。初出場かつ新聞記事C評価の東北学院、投打がかみ合い長打...