2022年2月14日月曜日

8月11日 東北学院vs愛工大名電

 8月11日 東北学院vs愛工大名電


5-3 東北学院〇

かんたんなまとめ:初出場の東北学院が優勝候補の名電を撃破。

140キロトリオと激戦区を勝ち抜いてきた名電だったが、東北学院伊東投手の前になかなか点を取ることができない。初出場かつ新聞記事C評価の東北学院、投打がかみ合い長打4本と高い総合力で勝った。


【名電】

<攻撃>

体が大きいのでパワーはあるように見えるが、あまり対策をしている様子には見えなかった。低めの変化球に振ってしまい打ち取られるケースが多発。打席のなかの工夫もあまりみられず・・・。申し訳ないが、終始「無策」にみえた。

ただ能力値でいえば確かに高いものがあったし、田村選手のHRは圧巻だった。

<守備>

能力値の高さを感じるが、カットプレイの怠慢さやバックアップの走り具合などからして、

高い意識をもって取り組んでいるようには感じられなかった。

ただ田村投手のポテンシャルは高いと感じた。序盤の調整が早めにうまくいっていれば、もう少し違う形になっていたように思う。一方で、調整力も能力のひとつかな、と思う。

リリーフであがった寺嶋投手はのちプロ入りも狙えるぐらいいい投手だと思う。

146キロのストレートと130キロ弱のスライダーのコンビネーションはなかなか打てない。東北学院にはうまく対応されてしまったが、非常にポテンシャルが高い2番手投手であった。

<采配>

正直愛工大名電のゲームをちゃんとみた回数は少ないので何とも言えないが、王者の野球だなと思う。結果論でいうと、2点ビハインド4回、1死1・2塁で5番の送りバントも意図はわかる。ゲッツーよりかは、というところのような気もするが、ポテンシャルのチームならそこは振らせてもいいように思った。

選手個々のポテンシャルからして、個人の力がかみ合ったときは恐ろしい力を発揮するのだと思うし、愛知の私学4強のすべてを倒しての甲子園なので、優勝候補やA評価になるのもわかる。一方で、粗さを感じてしまうし、伊東投手対策も行っていないように思えたので、ちょっと厳しさを感じた。


大層気になったのはタイムの使い方で、バッテリー・野手がやたらとタイムをかけて時間を使う。これはルール上問題ないが、話し合いの長さが目立つ。審判も4試合目で時間が押しているのもありしきりに声掛けをしていて、審判側もアレだなと思ったが必要以上に話し込んでいる。他態度の悪さも感じてしまうのは僕だけなのかもしれないが、首をかしげる場面が出てしまった。


【東北学院】

<攻撃>

とりわけ体つき以上に長打もあり、驚いた。

一番は「打席の中の工夫」が如実に感じられた。狙い球を個々人が明確にしており、

どんどん振っていくスタイル。2ストライク後も簡単に打ち取られず、ファールにもできる。

驚いたのは変化球には「バットを置いていく」ような打ち方で内野の頭を越していた。これをやられると投手はキツイ・・・。

含めて長打4本はさすがで、やはり「接戦は長打で決まる」のか。

これらも研究の成果のような印象を受ける。

<守備>

伊東投手が丁寧にストライク先行・低めに変化球を集めて凡打の山を築く。

変化球もピッチトンネルのようにスライダーとスプリットを投げ分け、

特にスプリットはいいところから落ちているので、名電打者は苦しんでいた。

この辺りも打者によってはインコースもしきりに使うなどし、きっちり分析した成果が出ていたようにおもう。

<采配>

バスターやエンドランなどがちょこちょこ絡み、動かしていこうという姿勢がみられた。

かつ相手と状況を見ながら作戦を変えていくような戦いぶりだった。

正直初甲子園なのに、選手も監督も落ち着いているのはなぜなのか・・と思ってしまった。

選手もブラバンを口ずさむ余裕があるほど落ち着いていた。

タイムは最終回の1回のみで、ピンチもさほど多くなかったし、勝ちゲームの展開ではあった。一発があるだけに最後まで気を抜くことができなかったが、そのなかでポジショニングや配球面での対策をしており、抜け目のない野球をするという印象がある。


【学び】

下馬評だけでは野球はわからないし、技術水準としてもミスが生じるのでメンタルが左右する高校野球はわからない。落ち着いて、詰めるべきところを詰めていた東北学院が勝った、そんな印象がある。かつ、個人の能力を組み合わせていく組織の力が、チームスポーツには求められるんだな、とも思った。

「ストライクを打ち、ボールを見逃す」

「負けは自分たちのなかに、勝ちは相手の中に」

「51対49の戦い」

「コントロールできることに集中する」

「全員で強くなり、全員で勝つ」

「大局観をもって戦う」

最近考えている(引用でもある)ものだが、東北学院はまさにこれを体現していたと思う。少しずつ積み上げて勝った東北学院と、少しずつ負けていた愛工大名電。

そんな印象である。





2022年2月12日土曜日

8月11日 広島新庄vs横浜

 8月11日 広島新庄vs横浜

簡単なまとめ:投手戦となり、両投手が好投。広島新庄が勝ちゲームはほぼミスない内容で9回裏2アウトまでたどり着いたが、横浜の1年生緒方のサヨナラ3ラン。

申し分ない好ゲームだったと思うし、広島新庄は勝ち進めるだけの投手陣だったと思う。


【広島新庄】

<守備>

予選での失策が「1」というのは伊達ではなかったとおもう。二遊間のレベルが高いのと、ショートは瀬尾選手の能力は高いと思う。打球予測をしてきっちり守るので、大変いい選手。一度スチールの際にセカンドがベースカバーに入るなど、打順に合わせた守備を見せているので、さすがだと思った。

投手陣がそれぞれ能力が高いのだが、ふくめて配球がよかった。

花田投手は右打者はアウトコース・左打者はインコースを中心に攻める。

140キロ代のストレートと130キロ弱のカットボール、120キロのスライダー、110キロのカーブ。時折見せるフォークなど、狙い球が絞りにくい。

左打者にはインコースストレートとカットボールを終始投げ続けており、さすがの横浜打線も前になかなか飛ばない。ファールにするか空振りになってしまうので、簡単にカウントを稼がれてしまう。高校生が130キロのカットボールをヒットゾーンには飛ばせないだろう・・・・。直球とカットを意識すると、時折120キロのスライダーが来ると泳いでしまうし、カーブもある。今日の花田投手から連打は難しいと感じた。


<攻撃>

長打力というより機動力含めた総合的な攻撃力だが、なかなか使える場面がなかった。

左投手対策をしていたところもあると思うので、右腕宮田投手やや攻めあぐねた時間が長かった。宮田投手の丁寧な外攻めに苦しんでいたので、きっちりアウトコースを打つ練習はやるべきなんだと思う。

映像ではなかなか確認できないが、偽走やエンドランなど機動力を使って横浜の守備を乱そうとしていたように思う。粘り強かったのでなかなか崩れないが、終始バッテリーにプレッシャーはかかっていたという印象。


やはり勝ちゲームのなかでもう1本が出ればゲームが一気に傾いたが、決め損ねたという印象。最終回で1点でも取れるとまた違ったが、4番花田選手はノーヒットだったので、きっちり抑え込まれてしまった。

<采配>

7回・9回に無死で出塁を許した際にピッチャーを継投していた。

これはどんな根拠で交代だったのか、真意を聞きたい。状態としてはさほど危険な様子はなかったが、先手を打って交代したということか。

正直最後のホームランは確率の要素なので、しょうがないと思っている。

ただ勝ちゲームだったので、どうにか勝ち切りたかったし、9回4・5番で点が入らなかったのが、大きなミスといえる。

連打が続いたタイミング(6回裏4番)でタイムや、

8回でのタイムは見事なタイミングだったと思うので、自分も感性を磨きたい。


【横浜】

<守備>

もともとのポテンシャルもあるが、それ以上に中継やバックアップの動きがすさまじい。

「できるところを余念なくやろう」という強い意志を感じる。まさに能力に依っているチームでは一切なく、粘り強いチームであった。

バント処理へのバッテリーの反応や、スイングアピールの声など、選手の集中力と徹底力を感じる。これは強くなると思う。

宮田投手は丁寧にアウトコースを攻め、ハイボールとインコースをミックスしながら打線を抑えた。正直もう少し打たれている可能性はあるのだが、アウトコースのストライクゾーンがやや広めだったので、ピッチングスタイルと一致して攻めやすかったと思う。

注目の緒方選手はとにかく反応がいい。他の選手よりも1バウンド減らして捕球しているので、とにかくアウトになる。さすが、のひとこと。


<攻撃>

どんな対策を立てていたのかが気になるところ。

右打者は外を踏み込んでいく、左は直球を打つ、という対策になるのか。

いかんせん花田投手がよかったので苦しかったが、相手バッテリーにうまく攻められたなという印象。本来持っている能力をなかなか発揮できなかった。

なかなか動ける場面もなかったが、動かしていく感じではなかった。

多彩な攻めをするというより「負けない野球」をやっている印象。

ある程度選手の能力にゆだねられているといった感じか。

正直攻撃の意図がつかみにくかったので、どんな対策をしていたのかを知りたい。


<采配>

本当に粘り強い崩れないチームだなという印象。

タイムのタイミングが抜群で、9回の2アウト後のタイムはよかった。

正直あそこでゲームが決まってもおかしくない展開だったので、きっちりタイムとって落ち着いて最後のアウトを取りに行く。その姿勢が試合巧者だと感じた。

チーム全体として、相手を見ながら変幻自在に守ったり攻めたりする横浜野球がなんとなく戻ってきた気がする。

【学び】

・横浜バッテリーのバント処理の反応の良さ

・横浜守備のバックアップの走りと中継のスピード、フライへの詰め方

・広島新庄バッテリーのインコース攻め

・両監督のタイムをとるタイミング(一息入れたい・確認する・急がせない)

・もらったチャンスは攻めていい

・そもそもHRが打てるだけの能力を持っておくのは大事

・試合を決めるのはストライク率と長打

「ストライクを打ってボールを見逃す」




2022年2月8日火曜日

8月11日 智弁学園vs倉敷商業

 8月12日 智弁学園vs倉敷商業

結果:10-3 智弁学園〇

簡単なまとめ:前半は守り合いの展開。中盤以降に智弁の柔剛合わせた攻撃で得点を重ねる。

       智弁西村投手が7回まで2塁を踏ませず好投。

       倉敷も智弁相手でなければ初戦突破の可能性もあるいいチームだった。


<倉敷商業>

〇守備・投手

先発三宅が好投したものの、リリーフ永野がやや制球に苦しむ。

両投手ともよいポテンシャルであり、本来の実力であれば互角になるほどの力を感じたが、それ以上に智弁打線が恐ろしかった。

永野投手は左スリークォーターで、バックドア気味のスライダーとストレートの制球にやや苦しむ。抜け球がやや多かったので、コンディション次第では十分に活躍する要素があったように思う。


守備自体は粘り強く、智弁のハードにコンタクトした打球をよく抑えていた。

目立ったミスはなかったもののやや疑問だったのは、

・3塁ランナーがいる場合はすべて前進守備

・スクイズを3回決められてしまった

こちらの2点。


解説の永田さん(日大三島)も仰っていたが、後ろでもいい場面があったように思う。

5回1死満塁3-0で負けている場面、

5番打者(左)に前進→結果ライト前ヒットで、2点タイムリーとなった。

ゲッツーかセカンドだけ後ろ気味でも1点とアウトを引き替えておく、

そうすると、一気に試合は傾かなかった可能性はある。

結果その後3点入って7-0になってしまうので、試合がほぼ決まってしまった。


もう1つはスクイズを3回決められてしまったこと。

2点目・7点目・9点目はスクイズで決めている。

ピッチドアウト、投手がマウンドから降りる速度など、対策は可能だったようにおもう。

仮にすべてを回避するには難しいにしても、2回目・3回目は対策を講じる必要はあり、バッテリーとしてスキを与えてしまったように思う。


仮に守備位置を後ろでアウトをもらっており、スクイズを2回阻止していると3アウトを稼ぎ3点を減らしている。そこだけでも、点差を詰められる要因であったように思う。現場での判断は至極難しいのだが、自分にとってのいい教訓になるゲームである。

〇攻撃

単純に西村投手がよく、2塁ベースを踏めなかった。

打ちに行っている場面も多々あり、もともと仕掛けるチームなのだろうが、

なかなか動ける場面に出会えなかった。

スライダーを見極めていくのはかなり難しいのだが、

もし対策をとるならばストレートを差し込まれずに打ち返すことだったのかな、とも思う。



<智弁>

〇守備

正直あまり苦しい場面がほとんどないのと、ミスがほとんどなかった。

最終回のミスは選手交代したなどのことがあるが、そこはまた別の話。

バント処理ゲッツー、ファーストセカンドのさばきは格別。

またこの日の西村投手を打ち崩すのはなかなか難しいように思う。

左打者には外のスライダー、右打者にはチェンジアップ、警戒するとストレートに差し込まれる。

対策とするとなると、

・遠いボールは追いかけず、近くのボールを打っていく

・ストレートをきっちり打っていく

ここのあたりになるかな、と想像。あまり逆方向を意識すると詰まりそうな・・・

ただやはりいい投手である。


<攻撃>

中盤以降に打線がつながっていった。

もちろんストレートに力負けしてないところもあるが、

多くの打者にアウトコースを逆方向に打っていく技術がある。

インコースの直球で攻められるとどうか、というところも思うが、

相手からするとカウントが整えにくく、アウトになりにくい打者が多いと感じた。

基本は打っていく打線だし、トリッキーさはないが、

どんな打撃練習をしているのかが気になるところである。



<両チーム采配>

倉敷商ははやめに継投し、仕掛けようとする姿勢がみえた。若いイニングでタイムをつかい、先手先手で動いていた。3回までで毎回出塁はしていたので、もっと動きたかったのかな、という印象はある。スクイズのピッチドアウトのサインを勇気をもって出す、ここは自分の学びでもある。エースと心中するつもりであったろうし、永野投手のポテンシャルを考える、想像以上の点差になってしまったと思う。


智弁はそつなく、単打も長打もスクイズもエンドランも使えたゲーム。

いわゆる勝ちゲームだったという印象。終盤は点差がつき、ややミスも出たが、

改めて最後に小畠投手が出てきた締めた。選手の能力があるのでどっしり戦いつつ、要所でサインプレイのなかで得点を重ねる、試合巧者という感じか。


<本当に個人的な感想>

チーム力の差ももちろんあるが、総合力+長打なのかな。

智弁打線の圧力は恐ろしい。

あとは監督が勇気をもってスクイズやピッチドアウト、リスクを負うサインを出すこと。

ここはどこかで腹を括らなきゃいけないのだとおもう。

捕手任せにならないようにしないといけない、そう思った。








2022年1月19日水曜日

8月10日 東明館vs日本航空

 8月10日 東明館vs日本航空

→日本航空勝利 4-0


<東明館>

〇攻撃

バントが多め。1試合平均4犠打など、地方大会でもバント中心に勝ち上がってきた。

バスターエンドラン、1・3塁からのエンドラン、スクイズなど多岐にわたる攻撃で、作戦はある程度豊富だったように思う。意外と盗塁はない。

打線も安打数こそ少ないが、捉えた当たりは少なくなかった。

正直飛び道具(長打)がなかったので、このゲームの差はそこだったように思う。

〇守備

今村投手が大変良かった。ピッチトンネルを通すようなカットボールとチェンジアップを使って、ゴロの山。カーブでもカウントがとれる。審判が外が広かったのか、相性もよくカウントを整えることができた。ひっかけたり、詰まったりと打たされるような場面が何度もあり、日本航空は苦しかったように思う。

対策をするならば、

アウトコースの直球とカットボールが生命線なので、踏み込んで打ちに行くか、

追いかけずに近いボールを待つかどちらかだったのかな、と思う。


守備も安定しており、佐賀大会負けなしの力は伊達ではないと思った。

守備から崩れるという雰囲気はほぼなかった。


〇采配

バント・サイン系で動かすタイプだったように見える。

好投手に対して揺さぶりをかけていったともいえるが、比較的動くタイプのように感じた。

タイム3回は6回に2度、8回に1度。3回目のタイミングは結構難しくて、2番でかけるか3番でかけるか、微妙なラインだった。結果打たれた後に使ったので、印象としては後手に回ったようにも見えた。劣勢なら先手を打つべき・・・か・・・?ここは意見がわかれそう。


気になった2つの場面。

①3回表の攻撃、無死1塁打者・1番加藤。「ここでバントか」と思ってしまった。

1番いい打者なので、自分ならヒッティングで行く気がする、、、。

②6回表の攻撃、2死1・2塁でセンター前ヒット。

 ホームでクロスプレイになったがセンター好返球でタッグアウト。

 このときサードランナーの三塁回りは大変上手だったが、

 ホームのスライディングが直線だった。

   ホームコーチャーがスライディングのジェスチャーだったので、回り込んでいれば間に合ったかもしれない。采配ではないが、もったいなかった部分。


<日本航空>

〇攻撃

飛び道具の重要性が出た、という印象。

5回まではほとんど同じアウトの取られ方をしており、

「甘いボールを打っていこう」みたいな攻撃に見えた。

若いカウントからのヒッティングが多かったので、

「まずは振っていくこと」みたいな指示が出ていたように想像している。


正直なところ、

打ち方が”最短距離打法”で、今村投手のカットボールには対処できていなかった。

トップを動かさず、大きくひねって、最短距離で打っている。かつ多くの選手がそのような打ち方であったので、いろいろ思うところがあった。


〇守備

ヴァデルナ投手がよかったが、特にバックドアのスライダーがあんなにも有効なのかと感じた。投球の4割はスライダーだが、カウントもとれるし、右打者は角度が合わずに捉えにくそうであった。

制球力は比較的アバウトだが、大型左腕から投げられるスライダーは捉えにくいように思う。


〇采配

基本は動かない。タイムも1度もとらなかった。横綱野球といえばそう。

方針なのだろうか、どんな意図があるのかを知りたい。

配球のサインを監督が出しており、狙い球を外したりピッチドアウトをしたり、

高校生ではできないような内容の配球になっていた。

日本航空が勝ってきた秘訣の1つはそこのような気がする。


<総合的な学び>

結局長打力は必要だな、という点。

正直東明館が中盤まで押しているゲームだったので、前半のところで点がとれなかったのが痛かった。

その分力で押し切られてしまったゲームとなった。

ただ十分に互角の戦いだったように思う。


ゲーム内容としては東明館のほうがいいし、6回までは勝ちゲームの展開をつくっていた。

やはり「取れる時にとる」「いろんな形でとれる」ことも大事なのだろう。

結局は長打が出るチームを作らなきゃダメなんだと思う。試合を最終的に決めたのは8回裏の2ベース2本なので。








2022年1月8日土曜日

8月10日 甲子園 新田VS静岡

 甲子園初日の試合を映像をみながらスコアをつけた。

試合結果:4-2と新田高校が勝利


新田高校の印象

〇攻撃:打ち方も悪くなく、打つボールの選択がよかった

ボールを振らずにストライクを振っていくこと

本調子でない高須投手に対して、じっくりと攻めていた。

ストライクボールがはっきりするので、甘いボールを振りに行っていた印象

三振は多かったが、打席の中での粘りがある


というか、MAX146キロ、120キロのスライダー、130キロのフォークがあり、

地方大会無失点の投手から点を取るためには新田のような攻撃しかないのでは、という印象。ストライク率があと5%ぐらい高ければもっと厳しい勝負になっていただろうし、高校生で130キロのフォークに対処するのはハイレベルな話。

調子が悪かったのもあるが、新田の打者陣がボールを振らず、ストレートにも負けずに粘り強く打席のなかで工夫した結果だと考える。


〇守備:相手を意識した攻めをしていて、インコースを多用し外のスライダーを打たせたり、バックドアスライダーでカウントを稼いだ

ちゃんとみられてなかったが、ポジショニングもよかった

〇采配:キャッチャーがマメにタイムをとる、監督もタイム2回使用し、先手を打っていた印象。

要所でのエンドランや簡単にバントしないような動きが、地味だがボディブローとして効いていた。ミスが少なく、ワンプレイごとの積み重ねがよかったように思える。


静岡高校

〇攻撃:粗さを感じてしまった。予選での打率をみると高いが、うまく攻められてボールを打ちに行ってしまうケースが目立った。打ちに行くのはいいが、スイングパスが悪いのかスライダーを打ってフライになるケースが多発。半分以上はフライアウトなので、元のポテンシャルは高いのだが、指導法の問題の可能性も。得意の走塁を仕掛けられる場面もなく、後手に回ってしまった印象。

〇守備:高須投手がいまいちだったのが誤算だったように思う。守備は乱れもなくよく訓練されているという印象。野手の返球バックアップなど、学ぶべきところはやまほど。伝統校の強さ、簡単には崩れないチームである。

高須投手、コンディションなのか、マウンドとの相性なのか、ストレートが抜けることが多かった。アームアングルとボディターンがあまり合ってなかったか、踏み込みで崩れてしまうような。大型投手なので、バランスをとるのが難しいのもあるが、能力は本当に素晴らしい。あとストライク率が5%でもよければ違った展開になっていたので、紙一重の戦いだったなと思う。


〇采配:高須投手が崩れたことで思うようにゲームが運べなかった。

ボールが増え、打撃のリズムも崩れ、ちぐはぐな攻めとなってしまった。

悪循環のなかで車輪がうまくまわらずに進んでしまい、必然的に後手にまわってしまった。

選手交代、タイムのタイミングもバタバタしており後手にまわっていた。

負けゲームの要素であったが、負けゲームをそのままとどめることができなかった。


〇学び

悪循環のなかでどう戦うか。車輪がうまく連動しないなかで、スイッチをどう入れなおすか。タイムやら仕掛ける回数を増やすやら奇襲やら、あえて動かす材料をつくる必要はあるのかもしれない。

能力的に戦うのであれば静岡のほうが優勢だったように感じるが、「わずかな積み重ね」が勝ちにつながったように思う。展開上はどっちが勝ってもおかしくなかった。

繰り返しになるが、146キロのストレート、130キロフォークを投げる投手相手に2点を取った新田打線はすばらしい。投球フォームからみれば制球に難を感じるわけで、自滅という見方もできるが、ボールを振ってしまうことも少なくない。

「ストライクを打って、ボールを見逃す」という野球の本質を感じた。


そのなかで、やはり両校ともに崩れなかったし、それ以上に新田高校バッテリーがくずれなかった。結果論だが、「負ける理由」が新田高校のほうが少なかった。個々人の工夫が実を結び、1球毎1プレイ1打席ごとの上積みが新田高校のほうが多かったように思う。

余談ながら、この上積みのことを勝手に「51対49理論」と呼んでいる。

ちょっとずつ工夫をして1球多く投げさせるとか、1歩スタートを遅らせるとか、少しだけタイミングを外すとか、そういう小さい工夫の積み重ねが勝利につながる、という意味で考えている。いまいち言語化しきれていないが、勝つためには小さな積み重ねが大事だ、と思っている。














2021年12月31日金曜日

心のマインドセット

 思考法・マインドセット:視座は高く、視野は広く、視点は深く

 視座:2つ上の視点・社会の視点で     俯瞰 鳥瞰

 視野:みえない角度・正反対からみてみる  カメラスイッチ

 視点:できるだけ寄って主観的に      ズーム・当事者感情移入

行動の方向性:MVV ミッション・ビジョン・バリュー

 M:野球界の未来をつくる

 M:100年後も野球が愛されるスポーツであること

 V:自由・成長・好奇心・発信・記録

 S:スピリット 「野球を高めていく」

         「野球を広げていく」

         「野球を伝えていく」

         「野球を残していく」

         「野球を愛していく」

          

 S:スローガン  「野球愛は永遠に」



問題解決:具体化ー抽象化ー類推

     理解ー分解ー再構築 (これは仮説思考?)

成功のためのマインドセット

  :積み上げ・試行錯誤・仮説思考・セルフコントロール・他者貢献


 積み上げ:継続の力

 試行錯誤:工夫しながら進む

 仮説思考:仮説を立ててどんどん実行してみる

 セルフコントロール(人間性):自分で自分をコントロールする

  人間性=セルフコントロール+他者貢献

 他者貢献:他人の役に立つと周りが助けてくれる


指導者の能力:育成・運用・動機づけ・予測・分析

 デベロップメント

   

 マネジメント

 モチベーション

 フォーキャスト

 アナライズ




情報処理と情報編集能力(思考力・判断力・表現力)

 編集 コミュニケーション

    ロジカルシンキング

    シミュレーション

    ロールプレイ

    プレゼンテーション 

 想像して組み立てるのが好き


2021年の振り返りと来年

 【2021の所感】

今年もあっという間に年末を迎えました。

毎年そうですが、今年は本当にバタバタしたなという実感があります。

1番は6年勤めた学校を退職し、通信制の学校に移ったことです。

退職理由は大きくわければ2つで、

「監督になりたい」「教員としてのレベルアップ」を理由に退職しました。


結論からいうと、今すごく充実しています。

いい時間を過ごすことができていると思っています。

その代わり、今の学校には野球部がないので、

野球ができる学校に行く、という思いでいっぱいです。



実際転職して高校野球の監督になれたわけではないのですが、

コーチとして自分のやっていることの限界も感じており、

野球というものを自分のなかで捉えなおす時間がほしいと思うようになりました。

結果母校の外部指導員として週末はグラウンドに行く、ぐらいの頻度。

仕事の兼ね合いもあるので、毎週行けるわけではないですが、

チームが変われば野球も変わりますし、やるべきことも変わるんだ、という思いがあります。


野球に対してはある種の信仰心みたいなものがあり、

この人生を捧げるぐらいの火種が心の中にあります。

野球から距離を取り、少し引いた視座で野球をみています。

とくに高校野球は「なんて狂った世界なんだ」とも思うようになりました。



ただ、文化として、競技(スポーツ)として、野球は間違いなく日本を支えているものの1つだとも思うようになりました。

経済的にも、文化的にも支えています。

人と人を繋げ、世代も繋げることができ、人を明るく元気にする。

野球によって幸せな生活を送っている人がたくさんいる。

距離をとったことで、改めて「文化としての野球」の重要性を感じました。

だからこそ、自分は現場に戻り、その一端となりたい所存です。



通信制高校での勤務も、自分に生きています。

効率化しながら成果を出すこと、

きちんと線引きをしながらやっていくこと。

時間は無尽蔵にあるわけではないので、

ちゃんと決まった時間内で工夫していく努力をする。

仕事も野球も、通ずるところはありますね。

授業に関しても、今の学校では大変評価をしていただいています。

「己の力のみで生きていく」みたいな生き方にあこがれているので、

まだまだ研鑽が必要です。精進します。



【来年に向けて】

一番は野球ができる学校に行く、ということ。

そこに向けて、力をつけていきましょうという。

行動そのものは今年と変わらないと思うのですが、

少し攻め方を変えようと思っています。



世の中の人が交渉して、譲歩して、葛藤して、酒飲んで帰る。

そんな気持ちもよくわかるようになりました。

ただ、今このまま着地すると、色んなものがうまくまわる気がするんですが、残りの人生はどうなってしまうのかが恐ろしいです。


「飛び立つ」というのは恐ろしく勇気がいることで、

なおかつその後も飛び続けないといけないわけです。

その勇気を忘れずにいたい。来年はそんな年にしたいと思います。














2021年6月15日火曜日

あくまで独り言:ジャイアントキリング

 個人的な意見ですが、「ジャイアントキリング」をすることより、「ジャイアントになり、キリングされる」ことを僕は目指しています。その過程のなかで「ジャイアントキリングする」ことになると思いますが。


例えば、地方大会ベスト16~8の実力のチームと甲子園レベルのチームが戦ったとき、10回戦って2~3回ぐらいは甲子園レベルのチームは負ける確率があります。もっと少ないかもしれませんし、もっと多いかもしれませんが、なんとなくの経験論です。

どれだけ選手が集まっていても、選手の能力だけで決まらないのが野球なので、「たまたま相手がミスをし、こちらがミスをしなかった」ことで勝つことがあります。実力差があっても勝敗が逆転するわけです。これは高校野球は特に起こります。

かつ、どれだけチームが仕上がっていて、「きっと上位進出できる!」と思っていても一回戦でノーシードの強豪と当たる可能性があるわけです。「高校野球」に限定すれば、「運ゲー」の様子があり得るのです。僕は高校野球の現場にいて、そんな「運ゲー」要素で満たされていることに辟易していました。

「抽選会は大事だけど、抽選会を気にしないくらい強くなるべきでは?」といつも思っていました。ベスト16~8のチームであれば、数年に1回は「ジャイアントキリング」はやっていると思います。そのなかに沢山の細部にわたる工夫と情熱があるのは重々承知ですが、僕は数年に一回相手がミスをする巡りを待つより、毎年がっぷり四つで組み合いたいです。

2021年5月30日日曜日

野球について考える 1 ゲームの特徴 スペース  

 前回からの続き、今回は「スペース」についてです。

球技スポーツですと「空間」をどう活用していくか、という話になります。僕はバスケットボールも少しばかりやっていたのですが、コーチから「いかにスペースをつくるか」や、「人がいないところに走る」といったところが大切だと教わりました。

他に、小学生のサッカーでも低学年チームなどは、「ボールに選手が群がる」という現象が発生すると聞いたことがあります。小学生も高学年や強いチームになるほど、ボールには群がらず、グラウンド上を幅広く活用できるようになるそうです。


さて、野球以外の競技ではどのように空間を活用しているのでしょうか。

サッカーもバスケットも「マンツーマン」や「ゾーン」という作戦があります。

「マンツーマンディフェンス」は相手一人に味方一人がついていき、「ゾーンディフェンス」は決められたエリアを仲間と連携しながら守っていく手法です。野球は「ゾーンディフェンス」と考えられます。

ゾーンディフェンスのメリットは、

”ゾーンディフェンスは常にボール周辺に数的優位ができる”

ということだそうです。

以下の「ジュニアサッカーを応援しよう」のリンクより

https://jr-soccer.jp/2018/09/02/post100330/


また、ゾーンディフェンスのポイントとして、

他の選手たちは、移動したボールの位置、そして移動した味方の位置に連動するように、スムーズに全体がスライドしていけばいいのです。私はこれを「水族館のイワシの群れ」のような動きだと例えるのですが、まさにあの集団的な動きをイメージしてください。まずはボール周辺に守備者全員で常に数的優位を作ること。これが原則となります。”(上記リンクより)

とあります。「水族館のイワシの群れ」と言われるとイメージはつきやすいですね。

「組織化して連動して動く」が基本ですから、野手は声を掛け合いながら動いていく必要があります。

競技性が異なるにせよ、ポジショニングによって「打球が予測されるところに守備者全員で数的優位をつくる」という論理は成り立つと思います。古くは「王シフト」、近年の守備シフトもこれに相当すると考えます。そんなところから、「スペース」は球技スポーツを考えるうえで抑えるべき要素だと思います。


前置きが長くなりましたが、1枚目のスライド。


前置きでは「①」の部分だけに触れた形になりました。物理空間のスペースをどう埋めていくかを考えていく、これがポジショニングです。

触れなかった「②」、これは脳内空間や認知能力を指しています。「予測能力」だと考えています。某強豪校出身の外野手に話を伺ったときに、「フライはパワプロの落下地点カーソルが見える」と言っていました。興味深いのは、これを後天的に手に入れたということ。中学校で練習していく過程で、予測できるようになったと本人は言っていました。

打撃に関しても、目で認知をしてその後は予測で体は動いています。「結局ボールは見ていない」という話は有名ですね。投手と打者、約0.4秒の世界で打者は約0.2秒で判断していると研究結果として示されていますし、「ピッチトンネル」もこの領域内の話です。

物理的空間の活用法と、予測能力を高める重要性が野球にはありそうです。


2枚目のスライドです。



スペースを分解して分類していくと、スライドのようになりました。
グラウンド上では、ポジショニングが進塁と関係します。空間が大きく空いているところに飛べば、多くの塁に進むことができます。

したがって、「自分はどこに位置するか」と「相手はどこに位置しているか」は重要項目です。他チームのマニュアルなどを見たり、勉強していくと、細かくポジショニングのルールを決定しているチームがあります。私は重要だと思いますが、一切ポジショニングの指導しないチームもありました。ポジショニングの議論があまり出てこないのは、大変見えにくい(一歩二歩であったり)上に評価しくいからだと思います。知識がない選手らにとっては、きちんとティーチングする重要性が見出せます。


余談ですが、プロ野球選手が、「ファインプレイをする」のも身体能力としてプロであるのと同時に、ポジショニングやスタートを失敗している可能性があります。ミスを補うだけの能力がある、とも考えることができます。
一方、いつも難なく捕球している選手は、よくみると細かくポジショニングを変えています。元ジャイアンツの仁志選手がポジショニング能力に長けていた話も、大変有名です。

こういうのは好みがあるので、「簡単なプレイをかっこよく魅せるのもプロだ」という人もいれば「難しいのを簡単に捕るのがプロだ」という人もいます。僕はどっちもプロだと思うので、どっちも好きです。


話を戻します。今回のまとめ。
スライドで分解分類したので全部を説明はしませんが、共通して言えることは、
「個人の能力+データ・観察・セオリーで補う」のが大事だということです
能力値(予測能力など)を高めていく、足を速くする、肩を強くする、こういった個人の能力とスペースは結び付いています。足が速ければポジショニング関係ないです、みたいな極論ですね。ただ、全員が50m6.2秒で走れたり、遠投100m投げられるわけではないので、それを補うのがデータであり、観察であり、セオリーを知ることだと思います。


野村克也氏は「打率3割を打ちたいけど、精いっぱいやって2割5分。あとの5分をどうやって埋めるのか。これを突き詰めていくことが「考える」ことだ」と言いました。まずは才能を磨き、個人の能力を伸ばすこと。そのうえで、足りない部分を補うこと。この話に私は大いに納得しました。


打って投げて走って、個人の能力が大いに評価される時代になりました。かつ、私も個人の能力を高めることに大賛成です。高校野球では「個」が軽視されることも少なくないです。ただ、野球はチームスポーツで、組織性があるからこそ面白い。私はそうも思っています。スペースの活用も駆け引きのうち。記事を書くにつれ、「もっと勉強する必要がある」と痛感しました。今日はここまで。



参考図書
アメリカ野球指導者協会『野球 勝つための戦術・戦略』大修館書店 2011年
平野祐一『科学する野球 ピッチング&フィールディング』ベースボールマガジン社 2016年 
平野祐一『科学する野球 バッティング&ベースランニング』ベースボールマガジン社 2016年 



2021年5月24日月曜日

野球について考える 1 ゲームの特徴 「状況変化」

 今日は続き、「状況変化」についてです。


まず1枚目のスライド。

野球は、

・ボールカウント12種類

・アウトカウント3種類

・ランナーの位置8種類(ランナー1塁とか)

で合計288種類のケースが発生します。


私ならば、

①確率の高いパターンは反応で動けるようにする

②ケースによって選択肢が複数生まれる場合は、確率の高い2~3を反応で処理できるように

(練習では率の低いものまでやれるだけやる?)

③試合で、率の低いものはある種「あきらめる」

状況判断で最低限の対応ルールを決めておく


例えば、

①無死1塁  0-0 反応でバント処理(100%ミスなくできるように)

②無死1塁  1-1 バントメインで、バスター・エンドラン系も内外で確認

 バントは通常処理、バスターエンドランなら外野は3塁で刺せるように 

 →結果バスターエンドランでショートが動いてしまって抜けてしまいました

  外野がポジショニング深くて楽々セーフでした・・・をなくしたい

③1死1・2塁 1-2 ヒッティングの可能性(上位打線)

 結果セーフティバントされました→セーフになりました

 →もちろんアウトにできればよいが、確率は低かった


なんでもかんでもアウトにできれば、セーフになれればよいのですが、実際はそうはいきません。「パターン処理・選択肢から対応」して、「どうにもならないことは割り切る」場面も出てきます。ケースに対して理解を深めていくことで、実際にグラウンド上の瞬間の判断で、最善のプレイができるようになってほしいと思います。


下のリンクの記事のなかで須江航監督が、

「野球で起こりうる288ケースの予行演習を1年間してきた」とあります。

https://www.nikkansports.com/baseball/highschool/news/201908020000970.html

実際に須江監督がそう仰るのだから、その準備をしてきたのだと思われますが、そもそも指導者がそこまで分析できているのか?自分はできるのか?と言われれば、こうして考え始めている段階です。どこまで考えていったのだろうか、気になるところです。


2枚目のスライドです。


「状況変化」の項目において大切なことは

・セオリーを把握し反応で動けるようにすること(基本的な攻め方・守り方)

  座学→形式練習→実戦練習

・複数の選択肢がある場合、確率の高い2~3を処理できるように(状況判断)

  座学や実戦を通して、確率が高いものを選手が感じ取れるようにしたい

・割り切りを知る 

  ある種「しょうがない」が出てくる。

  ゲーム中は「しょうがない」ので、練習で「しょうがない」をつぶす


こういった基礎基本パターンを理解したうえで、

・試合ごと(打順点差イニングなど)の状況を踏まえてゲームで状況判断できるようにする

ポジショニングにしても、「実際これどっち?」という場面が出てきます。データや能力などを突き合せたうえで、判断をすべきでしょうね。ここが一番難しいし、面白いところだと思います。



僕が野球を見ているときは、

「次はどんなボールを投げるのか」

「どんなサインを出すのか」

「どんな攻撃をしかけ、どんな守備をするのか、その展開はどう変わっていくのか」

といった駆け引きを楽しんでいます(これが一番楽しい)。

そして一つの選択に対して、「どうしてそうなのか」と理由を考えています。

楽しみ方はそれぞれなので何でもいいと思いますが、相手があるスポーツで、戦術が発達しているスポーツで、考える時間があるスポーツなので、打ち方や投げ方・スピードだけではないところの楽しみも本来たっぷりとあるはずです。僕もまだまだ言語化できていませんが、ブログで考えることを通して、「駆け引きの面白さ」を伝えられる指導者になりたいと思います。








2021年5月21日金曜日

野球について考える 1 野球のゲームの特徴 「プレイ間隔」

 今日は昨日の続き、「プレイ間隔」について書きます。まずは昨日の最後のスライドから。


野球は攻防が入れ替わり、その間に「次のプレイの準備をしましょう」ということです。野球ライターの田尻賢誉さんが言い始めた言葉だと思いますが、いわゆる「JK(準備・確認)」です。


2枚目にいきましょう。


攻防だけでなく、攻撃中・守備中にも細かく見ると間隔があります。「波状攻撃」のような断続的な攻撃はできないのが野球ですね。打者がヒットを打って、また次の打者を迎えるまで間隔が必ず存在します。また、一球投げたのちにも間隔が存在します。

私は野村克也氏が「野球は間のスポーツ」と評していたのを記憶しています。『野村ノート』はベストセラーとなり、野球に「知」が重視されるきっかけになったのは『野村ノート』のおかげであると私は考えています。

この「間」で何をするのか、同じ実力なら準備ができているチームのほうが有利にことを運べるのではないでしょうか。負けるのは想定外の出来事が起きたときですからね。


さて、3枚目。
先ほどのを図式化(というほどでもない)しました。
大事なのはここで何をするのか、ということ。今回の記事では書ききれないのですが、次の準備にどれだけ時間が割かれているのか、ということです。

試合で相手チームの様子をみていると、チームで何を大事にしているのか、どんな取り組みをしているのかがよくわかりますね。シートノックやゲームのイニング間などでの声掛けは、チームの取り組みがよく現れます。


※余談ですが、「声を出す」というのは理不尽なような気がしますが、ちゃんと理由があると思っています。腹式呼吸ができるようになること、腹圧をかける訓練になること、興奮水準を高めてパフォーマンスを上げることなど、いいことだらけ。詳細は今度ちゃんと調べます。

声を出すことで大事なのは「情報を共有する」です。取り組みのよいチームは、情報共有スピードが速く正確で、事前に確認できています。



さて4枚目。


「間」=「時間」と言い換えることができます。となると、

・1球毎の時間

・1プレイの時間

・攻撃、守備の時間

もそれぞれ野球では関係がある、ということですよね。


例えば

・ランナーが出たときに、セットポジションを長くする

・速いテンポで打者に考えさせない

・打ち気なバッターに対して、ロジンを触る、サインが合わない振りをして力みを誘う

など、これらは時間が技術面とリンクしていると考えられます。


時間のことでいえば、私はネットの記事で読んだ須江航監督(仙台育英高校監督)の言葉をすごく覚えています。

https://www.nikkansports.com/baseball/news/1742518.html

”野球を突き詰めていくと、結局ストライクを振って、ボールをいかに見逃すかなんです。”


記事内ではやや違うニュアンスかもしれませんが、私も本質的だと思いました。つまるところボールを見逃すこと(相手守備の時間を長くすること)で、特にアマチュアでは有利な展開に持ち込むことができるはずなんですね。

私が考える「ボールを見逃す効果」とは、

・相手野手のスプリットステップの回数が増える(単純な疲労)

・守備の時間が伸びる(集中力を酷使する)

・守備が打球に反応しにくくなる(出塁・得点の可能性が高まる)

これらは相手は守備だけでなく、攻撃にも悪影響を与えることがあるのではないでしょうか。印象論ですが、互いに四死球が多いゲームは、取って取られて、エラーも多いゲームになっています。

この「攻守の時間」については、情報を集めた際にも重視しているチームがありました。野球は勝利に貢献する要因が多いので限定はできませんが、勝利の可能性が高まると考えています。


ということで、今回は「プレイ間隔」でした。

間で次の準備をしましょう、時間を効果的に使いましょう、攻守の時間を気にしましょう

といった具合です。ありがとうございました。


2021年5月20日木曜日

野球について考える    1 野球のゲームの特徴 

 将来監督になりたいと思っていて、本を読んだり、話を聞いたり、動画を見たり、様々な角度から勉強を続けています。どこかで監督になるのならば、ミーティングやマニュアル作成をやってみたい。なので、「ミーティングを選手の前で行う」、ということを前提にパワーポイントにいろいろまとめる作業をはじめています。ブログでは少しずつ知識の棚卸といいますか、アウトプットする作業を通じて、自分の理解を深めていこうと思います。いつも途中で筆をおいてしまうので、なんとかゆるくやり切りたいと思います。



※注意!

あくまで一人の指導者の意見であることを踏まえていただきたいと思います。個人的な野球観にも踏み込んでいくことにもなろうかと思いますが、野球って宗教みたいなところあるじゃないですか。「俺はこうやって教わった!」とか、「こんな考えでは勝てない」とか言い出す●●も存在するのは事実です。変だなと思うところは優しく教えていただけると、幸いです。


今回のタイトルは「野球のゲームの特徴」です。

まずはじめに1枚目のスライド。


「野球のゲームの特徴」がタイトルですが、そもそも「ゲームの特徴」とは何か。
例えば、
 ・バスケットボール  身長高いほうが有利 運動量が大事 
 ・テニス       ストップ&ゴー(運動量)が多い プレイが止まる 
といった、スポーツのルールに基づいて割り出される特徴があります。もう少しちゃんと言えば、「基本的なルール+ルールから割り出される特徴」ですね。

僕の中学校の先生で、以前の勤務校でバスケットで全中制覇した監督さんがおりました。いわく、「とにかくシャトルランみたいな、切り返しのランを繰り返した」と。バスケットは8分を4セット、止まらずに走り続ける競技なので、そもそも運動量が必要だろうと。

つまりそれぞれ競技ごとに、「基本的なルール+ルールから割り出される特徴」があって、その競技ごとに求められる練習をする必要がある、と考えられます。


2枚目のスライドにいきましょう。


野球のゲームの特徴は、上記の3つになります。こちらは『球技のコーチング学』から引用しました。
 ①攻撃と防御が明確である
 ②ホーム帰還者数を競う
 ③規定アウト内でホームに返すや返さない
 
つまるところ、
①攻撃と防御が規定アウトで入れ替わる(バスケットのように断続的に攻防が行われるのではない)
②塁をまわって、本塁到達者が多いほうが勝つ
③攻撃は「いかに本塁に返るか」、守備は「いかに本塁に返らせないか」がキモ
になるということです。本質的な要素は「塁取ゲーム」であるということでしょう。




3枚目のスライドになります。ここはサクッと。



攻撃は「打撃」「走塁」、防御は「投球」と「守備」に大別できます。


4枚目にいきましょう。攻防が入れ替わり、塁を取るスポーツであり、空間が規定(球場やダイヤモンドは距離が規定されているの意)といったあたりから、以下の4つは特徴として挙げられるだろうと考えます。




で、ひとまず簡単にまとめると5枚目のスライドになります。


野球でやるべきことは、「プレイ間隔」「状況変化」「スペース」「スピード」に集約されると思うんですよね。
平たく言えば、
「日頃からケースの準備をいろいろする(ケースノックとか)」
「試合ではプレイの間で準備する(一球ずつも含めて)」
「自分の守備位置を確認する、相手の守備位置確認する、距離感や空間を掴む」
「早く動ける体にする、野球に適応させていく」
という感じでしょうか(平たくない)。


この4項目に野球のおおよそは集約できるはずです。フィジカルはスピードに、データ分析などは状況変化に、メンタルは・・・・これも状況ですかね。「野球は総合的なスポーツ」というのが私の中のセオリーなのですが、個人の能力を高めることも、野球のゲーム性を高める(状況判断とか試合運び)ことも、勝ち進めるためには必要なことだと思っています。



この4つの要素を抑えているチームは強いと思います。
某強豪高校のスカウティング方法で以前聞いたのは、「ピッチャー10人、ショート10人」と呼ばれるものです。それぞれ10人とって、あとはそれぞれ適性毎に分かれていくし、そもそも能力値が高いので、適応できるということです。

正直この4項目のうち、「スペース」や「スピード」を高校野球の2.3か月で育成しながら甲子園を目指すのは難しいのだと思います。強豪校は「スペース・スピードのある選手をとり、野球の精度を高めていく」ことに注力している学校が多いので、長時間練習や投球過多になることもしばしばあるのだと思います。


ひとまず今回はここまで。
一つずつの項目に関して、次回以降で深堀したいと思います。



参考文献
日本コーチング学会『球技のコーチング学』大修館書店 2019年
中垣征一郎 『野球における体力トレーニングの基礎理論』ベースボールマガジン社 2018年





2021年2月16日火曜日

言葉の使い方

 「共通理解」というのはすごく大事で、選手と指導者間でのギャップをなくすことができる。抽象的な言葉に対して定義を決めて、具体例を出して、理解してもらう。これ授業と同じだな。抽象的な言葉だけを投げつけても、うまくはならない


選手に聞くと大体は漠然とした抽象的な言葉が返ってくる。「体重移動がうまくいかない」とか「球がいかない」とか。選手と一緒に考えてみる、ってのは大事だと思う。こちらの理解が浅いと、一緒に考えることができない。体系的に理解していれば、一緒に考えることができる。

2021年2月15日月曜日

DISC理論と選手育成

 『コーチングクリニック』3月号に、DiSC理論というものが紹介されていました。この理論は選手の行動特性を分析するものだそうです。選手の性格や考え方は千差万別ですから、パワハラ防止や効果的な指導のためには、選手の理解が必要であろうということでしょう。

端的にタイプを4つに分けるのですが、

D:主導 直接的で決断がはやい

i:感化 楽観的で社交的

S: 思いやりがあり協力的

C:慎重 緻密で正確

に分類するそうです。


インターネット上で診断してみたところ、私は「i」でした。あまり社交的でないと思っていたんですが、意外な感じがします。しかし説明などを読んでみると確かにそんな気もする。


記事のなかで強調されていたのは、「判断材料の一つであること」「自分を理解するためのものであること」「メンバーにも行動特性があること」でした。確かに「あの選手と合わない」と言ってしまえばそれまでですが、「動機付けの方法を変える」ことはできるはずです。分析をしたうえで動機づけを変えれば、きっと新しい効果は生まれるはずですね。

https://heart-quake.com/article.php?p=7037#:~:text=DiSC%E7%90%86%E8%AB%96%E3%81%AF%E3%80%811920%E5%B9%B4%E4%BB%A3,%E3%81%AB%E5%88%86%E9%A1%9E%E3%81%97%E3%81%9F%E3%82%82%E3%81%AE%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82

2021年2月14日日曜日

「サイコだけど大丈夫」の印象的な一文

「サイコだけど大丈夫」という韓国ドラマをネットフリックスで観ています。そのなかで絵本が登場しますが、印象的な一文を引用します。


『悪夢を食べて育った少年』

 ”つらかった記憶 

激しく後悔した記憶 

傷つけられた記憶 

見捨てられた記憶

そういう記憶を胸に抱いて生きるものだけが

もっと強く熱く

そして柔軟にもなれて

幸せを勝ち取れるのだ と

だから忘れるな

乗り越えろ”


なかなかぐっときますね。上手くいかない、つらいことに直面している今。かなり身に染みる言葉です。今魂が成長しているんでしょうか、きっとそうなんだと思います。どこかで幸せを掴めるはず。腹を括って、前に進みます。

捕手の育成(『コーチングクリニック』3月号より)

 『コーチングクリニック』3月号吉田干城氏の記事によると、成長期前の投球障害はピッチャーよりもキャッチャーにも多いとのこと。防具をつけていたり、無理な体勢で投げたりすることが多いことが理由。第二次性徴以降は体の成長らによって捕手の投球障害は減る。


人数多いところは複数捕手制、少ないところは捕手兼任を何人か作っておくことか。現チームの規模(学年25~35人)では、正規の捕手2~3人、兼任で2~3人はひとまずできるように。学年で捕手が4~5人できると、紅白戦や練習試合で3チームに分けても対応できる。


スキル(フレーミング・ブロッキング・スローイング)を明確化して、サインや指示はベンチが出すようにすれば捕手の負担は下がる。毎年同じクオリティの捕手を求めるのは結構難しいので、まずは捕手のハードルを下げるべきか。


第二次性徴が終わった高校でも、捕手のケガは尽きない。肩肘の障害だけでなく、腰・首の障害もある。いつも座っている分、腰の負担は大きい。ということで、複数捕手制をやったほうがいいというね。


2020年5月24日日曜日

高校野球産業


 春夏と高校野球の大会が中止になるという事態をめぐって、各メディアが大きく報道する。大きく報道されればされるほど、称賛も批判も上がってくる。「甲子園や高校野球が好きじゃない」という人も、普段はあまり聞こえない(聞いていない)こともあり、世の人々が抱くイメージをなんとなく感じた気がする。


●高校野球産業
 この自粛期間、動画で過去の甲子園の試合を見ていた。改めて甲子園という場の力を感じる。シートノック・整備が終わり、集合、礼。ここで沸き起こる拍手。サイレンと共に第一球が投じられる。一挙一動に歓声が上がり、劣勢のチームが追い上げ始めると、唸り声のような音がする。「スタンドが揺れているように感じる」とか、「球場全体が相手を味方しているように感じた」など、甲子園という場がもつ力は、18歳の野球選手たちの技術にブレを生じさせる。「甲子園の魔物」というのは、集団心理が現れているんじゃないかと思っている。


 どうしても疑問なのは、アマチュアスポーツの大会で入場料をとり、甲子園ではビールを販売し、各種メディアが大きく取り上げ発刊部数や数字取りに一役買っているにも関わらず、「教育として商業性を排除する」という高野連の姿勢が矛盾していることだ。甲子園のスタンドの様子は、「興行」の様だと私は思う。選手たちを観て感動を覚える方々もいるのだろうが、一方で彼らで利益を得ている方々も山程いる。そこを無視して、「教育だ」と言い続けるのは、もうやめてほしい。「高校野球産業」として成り立っているのは嬉しいことだし、注目度が高く、指導者も選手もやりがいが生まれる。しかしあまりにやっていることが矛盾していませんか、と思うわけである。


●指導者も産業の一部 
 そういいつつ、私自身も野球を教えてお金をもらっている部分があるので、「野球で利益を得ている人」であり「高校野球産業」のど真ん中にいる。実際野球選手のセカンドキャリアや進路選択の一つになる高校教員、高校野球の指導者。成り上がりたい指導者もたくさんいるわけだし、指導のみで生活できればいいが、そうではない人もたくさんいる。そのなかで、「甲子園」とはキャリアアップの手段である。高校野球はコーチが取り上げられることは少なく、監督が「甲子園〇〇回出場」などと説明されるので、甲子園出場は名刺代わりになる。現役時代に野球で成り上がれなかった人は、ある種再び成り上がる機会が与えられることになる。


 甲子園ばかりが注目・評価され、輝かしい光を放っている。一方で、甲子園の光によって影となっているものもある。高校野球のコーチがそうであるし、控え選手、怪我をした選手。大人数のチームで試合には出られない選手。最小で年間3試合しか公式戦がなく、かつその公式戦にすら出られない選手が山程いるが、それでも「高校野球教育」は成功したモデルですか?





 私は、残りの人生をつかって、この「甲子園主義」を変質させる一端を担いたいと思っている。多様化した社会であるからこそ、「多様化した高校野球」を求めてもよい。そうあるはずである。

2020年4月23日木曜日

弟子入りするということ


実は私、弟子入りしていた期間があるんですよ。野球指導の弟子入りです。かつて教わった、それはそれは鬼みたいに怖い監督の元へ出向いて、指導のイロハを教わりにいきました。当時を思い出すと、「自分には選手としての才能はないが、指導者としてなら花を咲かせられる」なんて考えていたようなんです。しかしね、しこたま怒られましたよ。2年弱でしたが、本当によく怒られました。僕が気が利かなくて、不出来だったんです。その後加えて2年、そのチームに残りました。大学野球を指導した人、元プロの方、色んな方から学びました。合計4年間は、僕の指導者としての「修行期間」でした。


徒弟制度なんて、この時代は流行らないんですよね。残っているのは芸能分野だけでしょうか。伝統工芸品も跡継ぎがいない、なんて言われたりしています。少なくとも僕の身の回りに、「〇〇さんの弟子です」なんてものを聞くことはありません。堀江貴文さんは、寿司屋の徒弟制度をざっくり否定されておりました。なんでしょうね、一理あるよなうな、なんだか寂しいような気もします。

「マニュアル化してみんなが技術を習得する」「システムを構築して循環サイクルをつくる」とか、これはすごく大事なことだと思います。某ファーストフード店でアルバイトしていたときは、マニュアルやシステムの重要性を大いに学びました。それは組織として持つべきものだと想います。


日本史には「鑑真」という人が奈良時代に出てきます。鑑真さんは中国でめちゃくちゃ有名なお坊さんで、わざわざ失明しながらも日本にきてくださった方です。当時の日本が請うたことによって鑑真さんがいらっしゃったのですが、何をしにきたかといえば、「戒律」を伝えるために来ました。この「戒律」というのは、お坊さんとしての「証明書」みたいなもので、これをもらうと「オフィシャルお坊さん」になれます。中国のえらいお坊さん公認のお坊さん、みたいな。戒律をもらったお坊さんは、国家公務員的扱いでした。


奈良時代、税がかなりハードだったんですが、お坊さんになれば税がかからないことになってたんですね。だからみんな「私度僧」って言って、「自称お坊さん」みたいな人がたくさん出てきてしまったのです。ときの政府は戒律を授かった「オフィシャルお坊さん」を増やして、ちゃんとした仏教をやっている国にしたかったのです。かつ、税逃れの私度僧を駆逐したかったのです。そのために当時の中国のスーパースターである、鑑真さんにわざわざ来てもらったんです。



今令和の時代、この「私度僧」みたいな「自称〇〇」が溢れている世の中になっている気がするんですね。ぼくかて「自称野球ブロガー」ですし、「自称野球ツイッタラー」です。自称で本当にすごい人もいますよ、行基っていうカリスマ私度僧もいました。でも自称で本当にすごい人って1%じゃないですか。みんながみんなすごい、ってわけじゃないですよね。「〇〇風味の食べ物」って、風味はしますけど、所詮風味どまりで、本家を超えられない。


私は、「だれでも〇〇できる」時代だからこそ、然るべき場所や人に学び、然るべき資格や証書・証明・承認を受け、然るべき対象に力を発揮する、ことが望ましいと思っています。奈良時代だったら、絶対に戒律を授かって正式なお坊さんになったほうがいい。「自称医者です」という人を、どれだけ信じられますか。医師免許を捨て闇医者に転身した、という説明を受けても不信感はゼロにはならないと思います。

野球の勉強をするなら書店に並んでいるプロ野球選手の自伝を読むよりは、理論が体系化された運動学の本を読んだほうがいいです。しかし本を読むだけよりも、もう一度大学に通って講義を受けて学位をもらった方がいいです。色んな段階があるにせよ、「自分がよりオフィシャルに近いもの」を得ることって、その業界にとって非常に大事なことだと思いませんか。


子どものおままごとであればね、「ぼく〇〇になりたい!」と言ってなってもいいと思うんです。鑑真が授けてくださる戒律は、ある種の国家資格です。そこに普遍性と歴史が込められています。伝統芸能を世襲した人は、その芸能を創始してから世襲する日までの歴史を共に受け継ぎます。300年、400年という歴史を受け継ぐ場合もありますよね。


これだけ多様性と可能性に溢れているのだから、もっと高いところを目指す、より高いところに行くのであれば、「普遍性」と「歴史」を獲得する・もしくは証明・承認してもらう。なんかバラバラとしてしまいましたが、それがすごく大事な気がするんです。

2020年4月12日日曜日

希望


漏れなく私の学校も休校になっており、漏れなく部活動は停止状態ですから、かつてないほどに伸びやかな時間を過ごしています。春先は新年度準備でバッタバッタしておるのですが、びっくりするほど緩やかです。もちろん例年の対応との違いとしてバッタバッタはしていますが、クラス開き・授業開きが行われないので、まだ何もはじまっていない。そんな感じです。


その間に何をしているかといえば、ひたすら授業の準備をしています。専門書を読み、プリントをつくり、問題を解き、授業の予習をしています。今年度は国公立クラスの授業も持つことになったので、より一層深い準備が求められているわけです。何度掘っても、何度掘っても、まだまだ底は見えてきません。やることは尽きません。担当教科は日本史なのですが、掘れば掘るほど日本史の面白さが見えてきて、これまでとは違った光景があらわれそうです。


世の中では色んな感情が飛び交い、たくさんの言葉が飛び交い、議論が行われ、非難をしたり、称賛をしたり。「社会が混乱する」というのは、このことを指すんだと思います。まるで映画を観ているような、そんなシーンが毎日テレビで流れています。すごい瞬間に出くわしているんだと、きっとあとから改めて思うんだと思います。僕は世界大戦を経験することは今のところないのですが、パンデミックを目の当たりにしています。人類が語り継がねばならない、私が仕事として語り継がねばならない出来事を、肌身で感じています。


「やりがい」や「面白さ」や「豊かさ」というのは、すべて「生きること」の上に成り立っています。「生きている」からこそ、「面白さ」に出会うことができます。でも、「面白さ」を知っているからこそ、「生きている」のかもしれません。野球の面白さを知っている僕は、今この期間を我慢することができます。我慢すれば、きっと野球ができる。そう思っています。野球は、誰かに希望を与えることができるのかもしれません。うまく言えませんが、希望あふれる野球部を、希望あふれる選手たちを育てたい。そんなことを考えていました。

2020年3月24日火曜日

「育成システム」を考える 育成計画編


「育成システム」を考える 育成計画

文科省発表「運動部活動での指導のガイドライン」(以下ガイドライン)から抽出して、育成システムを考えてみたいと思います。今日は「育成計画」です。ガイドラインの内容をベースにしつつ、良さげなものを考えてみたいと思います。まずはエッセンスから。

エッセンス
①学校が運動部(部活動)全体の活動目標を設定する
②運動部長(運動部の教員のトップ的な)が目標設定をする
③運動部長が学校と交渉しながら環境整備をする
④各部が目標設定をし、そのためのプランニング(計画)を立てる。
⑤各部がある程度フォーマットの定まった評価方法によって評価を受ける
⑥プランと実際の差異、達成箇所と達成できない箇所を明確にし、次年度に活かす



①学校が運動部(部活動)全体の目標を設定する

ガイドラインでは運動部の活動を学校も関与していく必要性があると記述されていました。プロ野球でいう「球団」にあたる学校が、経営目標というか、部活動に対して目標(要望)を伝えます。「活動を頑張ってほしい」というよりは、「どの点を学校が評価をしていて、重点的に取り組んでほしいか」を各部に伝えていくということです。学校経営という観点で言えば、部活動は教育活動であるとともに、募集の一環です。もちろん各大会で成果を発揮してもらいますが、何が募集につながっているかを学校が分析し、要望を伝えることで学校と部活動が分離してしまうことがなくなると思います。文科省は、部活動運営が教員ありきではなく学校が関わっていくことで、管理職が部活動の実態を認知し、指導していく重要性を説いています。


②運動部長が目標設定をする

運動「部」ですから、部長がいて然るべきだと考えました。プロ野球でいう「GM」のような、各部の編成を担う役職があってもいいのかなと思います。名前がつかなくともそういった役割を担っている場合もあると思いますが、部活動全体のマネジメントの中心となり、実際に実態を把握し、指導していく立場の人です。各部種目が違うのでまたがるのは難しいとは思いますが、各部の取りまとめをすることで運動部方針が定まっていくはずです。


③運動部長が学校と交渉しながら環境整備をする

合わせて運動部長が学校側と交渉して環境整備を行っていきます。各部からヒアリングをして、必要な環境を整えていきます。運動部としてトレーナーを採用したり、スポーツドクターを招いたり、外部指導員を斡旋したり、セミナーや講習会の開催をしたり、、、、。学校の運動部の発展を各部に任せるのではなく、顧問のマネジメント・交渉能力に任せるのではなく、学校組織として強化をしていく。学校はアウトソーシングが苦手な傾向にありますが、専門性の高い人材が現場には必要です。「怪我なく部活動に励んでほしいので、トレーナーを雇います」「定期的にスポーツドクターに検診に来ていただき、怪我の状態を把握します」みたいなことでしょうか。全国探せば学校でトレーナーを雇っているところはあると思いますが・・・。

環境整備は今後多岐に渡って行われていくと思いますが、「現場の自助努力」だけでは絶対に変わりません。システムの構築が最優先です。あまり現実的ではないかもしれませんが、他の部と共同して何かを行っていく、というのは重要だと思います。


④各部が目標設定をし、プランニング(計画)する。

学校目標があり、運動部の目標・方針があり、各部の目標があります。本来親会社、大元が方針を定めた上で、各部がそれらに則って詳細な方針を決定していくべきです。目標は中期~長期によるもので、1年単位~5年単位で考えるべきかと。

ちなみにガイドラインでは「勝つことのみを目指すことのないよう、生徒が生涯にわたってスポーツに 親しむ基礎を育むこと、発達の段階に応じた心身の成長を促すことに十分留意した目標 や指導の方針の設定が必要です」とあります。スポーツなので、「勝つこと」を含めた上で、多義的に目標を定めるべきだと言っているわけです。


したがってガイドラインでは、
「ヒアリングをしてニーズを把握した上で」
「勝つこと」「楽しむための土台をつくる」「心身の発達」
を目標設定として掲げ、プランニングしていくことが大事だと言っています。またプランニングの際には「バランスのとれた活動に配慮する」とあり、休息・休養の必要性も述べています。


1年間程度の計画は「ピリオダイゼーション」と呼ばれます(複数年にかかることも指すようです)。
『スポーツ医科学辞典』によれば、
 準備期→専門的準備期→維持もしくは試合期→回復期
 に分けられるそうです。
 長時間の低強度のトレーニング活動から専門的な高強度で短時間の活動に変わる、とあります。また「オーバートレーニングを防止する助けにもなる」そうです。


どこがピークで、今何をやらなければならないのか。月々の、日々の活動は具体的に何をするのか。プレイヤーには日・週単位から年単位のプランを伝えておくべきだと考えます。また、見落としがちである「学校・保護者」にも最終的には「内容・ねらい・方法・時間」などを明記してまとめ、提示しておくことで、相互理解が深まるのではないかと考えられます。



⑤各部がある程度フォーマットの定まった評価方法によって評価を受ける

「計画」を立てたわけですから、評価をする必要があります。他競技は正直わかりませんが、野球を前提に考えてみたところ、

 「大会成績・練習試合成績・練習内容・時間・選手の技能の向上・身体能力の変化」

 を少なくとも学校では年単位で評価する必要があると思います。部活動単位であれば、本来はシーズンごと、年4~6回の評価は必要だろうと私は考えています。どんな能力の選手に、どんなねらいをもった指導をして、どんな結果が出たのか。それが夏の大会で1回戦敗退だったとしても、野球未経験者が通算15本のHRを打てるようになったとか、身体能力が大幅に向上したとか、プレイヤー自身を評価することができます。

また、部活動以外の活動や実績として
「学校の成績・進学実績・進学後の活動・慈善活動」なども評価対象であると考えています。


⑥プランと実際の差異、達成箇所と達成できない箇所を明確にし、次年度に活かす

最終的には、またそれを修正し、次年度に活かすことになります。データが蓄積されていけば、わかることが増えていきます。年々バージョンアップした指導を行えるようになりますよね。



育成計画を立てるということは、
→将来を想像すること
→プレイヤーの可能性を見つけ、育んでいくこと
→計画した以上は変更できない(他者の目がある、やるしかない)、ということ
→やるべきことが明確になること
→チームが一枚岩になれるということ

でもあります。
計画を立てるというのは簡単ではありませんし、知識もパワーも必要になります。しかしその場限りの指導にならないように、選手・チームを想像を活用してデザインしていく。やるべきことはまだまだありそうです。続きは後日。



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