『スピンレート革命』林卓史
今話題となっている『スピンレート革命』です。慶應大学野球部元助監督の林卓史氏(現朝日大学経営学部講師)が、Rapsodoを使って投手育成を行い、そのプロセスで感じたことや実際の成果を綴った本です。実際に取り組まれていたことや、それに対する選手の声や反応なども書かれており、Rapsodoの使用過程や、林氏がどのように取り組まれていたのかが、詳細に記述されています。今回は簡単な要約と、感じたことを書き留めておこうと思います。
♢Rapsodoめっちゃいい
Rapsodoは球速、回転数、回転軸の傾きなどが計測できる機器です。海外アカデミーでは使用されているのをよく見かけますし、日本でも実際に計測しているチームや大学を見かけます。徐々に浸透し、広まっているのだと思います。ただ、モノがモノですし、たくさんの数値を扱うわけですから、それを読み解く力がなければ使用するのは難しいのではないかと思います。
慶應大学では林氏がRapsodoを導入し、投球フィードバックを行ったようです。その結果球速の意識したり、自分の投球スタイルを把握することができ、効果的な投手育成を行うことができるようになった、と書かれています。
♢客観的評価の重要性
こうした数値の活用は、「客観的評価」になります。
林氏は「パフォーマンスに対する尺度の共有化」と呼んでいるようですが、ある種評価基準が明確になる、ということです。
「ボールが伸びている」「キレがない」とか、そういった主観的評価でなく、数値で良し悪しを判断することができます。指導者と選手のギャップというのはここにあって、選手が「良い」と感じているのに、指導者が「悪い」と感じている場合があります。投げている本人の感覚は、本人だけのものです。そこは指導者は否定しようがありません。そこは否定せずに「客観的評価」を見て、「この感覚だとこんな数値が出るんだ」という、共有財になればよいわけです。
「指導者と選手の感覚の不一致」によって、能力があって真面目な選手が潰れることがあります。また、能力があまりなくても思考力で補って成長することがあります。より多くの選手を伸ばしていくためには、こうした客観的評価は重要であると考えています。
♢これを使ったからといって成長するわけじゃない
ただ、悪く言えば「たかが数値」です。その数値の意味することや、どのように活用できるかを、選手本人も理解できなければならないのです。
「計測した!→良かった!→嬉しい!」でもはじめはよいですね。
そこから、
「計測した!→前回より良かった!→嬉しい!→なんで良くなったのだろうか?
→もっと良くするにはどうしたらいいか?→練習する」
のプロセスに入っていかなければなりません。そういった意味では、1回だけ計測するのはあまり意味がなく、継続的に計測してフィードバックしていく必要があると思います。
実際に球速をアップするにはどうしたらいいか?を突き詰めなければなりません。プライオ・ウエイト・体重増加・柔軟性・身体操作など。そうした取組は、あまり紹介されておりませんでした。本のなかでは投球に関する取り組みの事例が紹介されていましたが、ポール間走や2万球プロジェクトなど、「大学野球ってそういうものなのかなぁ」とおもいました。Rapsodoを使うだけでは効果がないわけで、もっと勉強していく必要があるなと感じました。
おはようございます。記事楽しく拝見させて戴きました。
返信削除スピンレート革命に関しては 同じ様な感想でした。この本を読んだから回転数や回転軸を良く出来る訳では無く 本の帯に書いてある ピッチングコーチなどもう要らないは 挑戦的コメントに過ぎず 筆者の書いてる事も子供じみた内容でがっかりでした もっと具体的にこうすれば改善出来ると言う内容で無ければ看板倒れの内容になりますね
コメント失礼しました。