野球は非常に複雑なスポーツです。世の中にはたくさんスポーツがありますが、私はそのなかでも複雑なスポーツだとと考えています。その理由が、
・道具を使うスポーツ
・求められる技能(動作)が多いスポーツ
・オープンスキルが多いスポーツ
この3つです。
・道具を使うスポーツ
例えばゴルフであれば、クラブを適切に動かすことが求められます。サッカー・バスケであればボールを扱う能力が、テニスであればラケットでボールを打つ能力が求められます。
テニスの場合、「ラケットでボールを扱う」ということは「道具を道具を扱う」ということになります。これが非常に難しい。
テニスは、「ラケットを使ってボールを枠の中に入れる」
「動いているボールを、ラケットでボールを枠のなかに打ち返す」
+αとして「相手がいないところに打つ」
道具に関するところだけで、これだけあります。テニスのサーブは世界レベルでは時速250kmを超えるようですから、道具を扱う技術がなければ戦えませんね。
野球で使われる道具は バット・ボール・グラブ この3つです。
「道具で道具を扱う」ので難しいことは、テニスでわかりました。
野球の場合は「動いているボールをバットで枠内に打つ」
+α「相手がいないところに打つ」
この能力が求められます。MLBのストレートの平均は時速150kmを超えてますから、それがいかに難しいかがわかりますね。道具は変わりますが、「打たれたボールをグラブで捕球する」ことも必要な能力です。
・求められる技能が多い
野球は「打つ・走る・捕る・投げる」の4技能が必須項目です。
「走る」「投げる」という動作は、それだけで陸上の競技種目になっています。野球との論文数を比較しても桁違いで、それだけ研究が進んでいる技能(動作)になります。もちろん「打つ」「捕る」に関する論文はあります。
ひとつの動作を突き詰めていくだけでもかなり大変なことなのに、それが4つもある
というのが私の言いたいことです。
・オープンスキルが多いスポーツ
オープンスキル:外的要因に左右される
状況下で発揮される技能
バスケ・バレー・柔道など
それに対し
クローズドスキル:外的要因に左右され
ない状況下で発揮される技能
バレエ・水泳・陸上など
と区別することができます。
相手の動きによって変化するオープンスキル、自分の世界に入り込めるクローズドスキル、というわけです。
先の4つの動作は、練習段階ではクローズドスキルで精度を高める必要があります。しかし実際は判断の伴うオープンスキルに転化させなければなりません。
実際の試合でクローズドスキル的に行うことができるのは投手だけ。それ以外は判断して瞬間的に打ち、判断しながら瞬間的に走り、判断して捕り、判断して投げることが求められます。
話をまとめましょう。
野球は「道具で道具を扱い」「4つの動作を習得し」「判断して(瞬間的に)プレイする」ことが求められます。これだけのことをやらなければならないので、練習時間が長くなるわけです(加えてチームでの連携プレイや作戦があります)。だから一言でまとめると、「複雑」であると言えるわけです。
複雑だからこそ面白いのが野球です。その反面、勝利につながる要因が判断しずらいという側面もあります。これだけ複雑なスポーツで、どのようにして勝つのか?これを改めて考えていきたいと思います。
2018年5月13日日曜日
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