2018年10月30日火曜日

「1万時間」とクレジット


「1万時間」とクレジット

野球のことを考えるのは好きなんだけど、「考え方」を考えるのが好きで、色々本を読み漁った。いわゆる自己啓発本も結構読んだし、ドラッガーも『7つの習慣』も読んだ。大学生のときに読み漁り、そこから自分で友達に喋ったり、日々感じたことや考えたことを文章に書き起こすことを3年ほど行っていた。「アウトプットすることが大事だ」と思い、いつも考えたことを書き起こしてSNS上に公開していた。ちょっと独特の文体なのは、ネタ探しで糸井重里さんの「ほぼ日刊イトイ新聞」を読んだり、コンサルタントを行っている方のメルマガを読んでいたから。

自分が考えを公表したり、表現するようになってから、エッセイに興味をもった。他人がどんなことを感じているのか、考えているのか、そこに興味をもった。友達とSNS上で知り合ったコンサルタントの方に会いに行ったり、そんなことをしたこともある。



そのときのネタ探しをしているなかで、藤原和博さんを知った。
僕が藤原和博さんを知ったのは、この記事。


お忙しい方に簡単に説明。
◇何事でも1万時間費やすことで、習得できたりある程度のところに行くことができる
◇これからの時代は1万時間費やしたものを、2つかけ合せてやるとよい仕事になる
 =他の人より価値のある人間になる(つまり稼げる)
◇1万時間費やしたものを3つつくると、完全なブルーオーシャン(競争相手がいない状態)で稼げる=レアカード化


もっと簡単にいうと、
「1万時間を3つの分野に費やして、100万人に1人のレアカードになれ」ということ。



そもそも「レッドオーシャン」と「ブルーオーシャン」とは?
・レッド・オーシャン
 =経営学の用語で、血で血を洗うような激しい価格競争が行われている既存市場のこと

・ブルー・オーシャン
=経営学の用語で、競争のない未開拓市場のこと。新しい商品やサービスを開発・投入することで創出される競合相手のいない市場。 (デジタル大辞泉)

すでに競業他社がいて、戦うのがしんどい産業。例えば携帯電話業界は、結構レッドオーシャン。新規で携帯電話をつくり販売しようとしても、iPhoneやらアンドロイドやららくらくホンやら、すでに競争が厳しい。厳密に言えばiPhoneの登場は、ガラパゴス化していた日本の携帯電話業界(レッドオーシャン)のなかに、ブルーオーシャンを見出して成果を上げた例になる。


高校野球で言えば、強豪校の強さはスカウティングが挙げられるが、同じように他の高校がスカウティングに力を入れても、結局は強豪校にもっていかれてしまう。そして昨今はどこもスカウティング合戦になり、二極化に時代になってきた。だから、勝つための別のブルーオーシャン(血で染まっていない海)を探さないといけない。




●1万時間の分野を3つ作ることは、自分自身がブルーオーシャンになる
iPhoneはこの例に近しいところにある。「電話」「インターネット」「音楽」をかけ合せて、iPhoneそのものがブルーオーシャンとなった。今普通に行われている「1つ媒体で音楽聴きながら地図を見て現地に行く」なんてことは、およそ15年前ではできなかった。


自分を商品として考えてみる。私で言えば、「野球が教えられる」「社会科の教員免許をもっている」が、客観的な私の価値になる。もし仮に「野球が教えられる(MLBレベルまで引揚げられる)、「社会科の教員免許をもっている(日本史に関する論文や書物を毎年執筆している)」という価値がついていたら、稼ぐ手段がいくらでも生まれてくる。野球アカデミーを開いてもいいし、執筆作業に専念してもいい。自分ができる仕事の幅が、一気に拡大していくだろう。


●1万時間の分野を3つ作ること、その3分野がつくる三角形は信用の大きさ
そこに全くの別の分野を突っ込んでみる。たとえば「料理」に1万時間突っ込んでみる。自分の料理の腕前が、それなりにある状態。料理関係で仕事をするならば、「野球やスポーツに関係する食を提供するお店」とか「歴史上の食事を再現したお店」とか。奇をてらったわけではなく、自分自身がブルーオーシャンだから、仕事ができる面積(クレジットと呼んでいる)がより大きくなる。クレジットとは「信用」ですから、自分の信用はお金に変わる。


加えてもうひとつ、藤原さんはその仕事のできる面積(稼ぐ力・クレジット・信頼)をフル活用する必要はない、と仰っている。というのも、「ゆとりがあるからやりたいことがあれば、即動ける」ということだそう。つまり、大きなクレジットができた時点で、ある程度の稼ぐ力があるわけで。それをフル活用して稼ぎまくらなくても、生活はできる。その残ったゆとりをつかって、さらに勉強の時間を確保し、次は三角形から四角形・五角形と大きくしていけばよい。




最後は遠い話になったが、まずはなにか1つ「1万時間」を費やすこと。そして2つめの「1万時間」を生み出すこと。そうして仕事の幅を拡大して、あらゆるものから解放されていく。藤原さんがおっしゃる最終ゴールはこれ。


「みなさんがなぜ生きるのか、あるいはなぜ仕事をするのか、なぜ勉強をするのかの答えも実は全部ここにあるんですね。要するに、このクレジットを増やすためです。クレジットを増やして、蓄積することで人間は自由になれるんです。」

私達は、学べば学ぶほど自由になれる。余計なものに振り回されたりしなくなる。学びの極地にある、自由な世界を目指して。

2018年10月25日木曜日

情報収集能力と情報編集能力 (後編)



情報収集能力と情報編集能力 (後編)

『藤原先生、これからの働き方について教えてください。』藤原和博

「正解のない問題と向き合って個々人がインディペンデントに学ぶ力をつけなければ、それぞれの幸福実現には繋がらない。そのためにも、正解が決まっている問題を解く「ジグソーパズル型学力」より、正解のない問題に対しても要素を組み合わせて納得できる解をつくり出す「レゴ型学力」が求められる。つまり「情報処理力」から「情報編集力」へのシフトが求められているのです。おそらく、今後10年、日本において最も大事な教育改革になるでしょうね。」


『日本再興戦略』落合陽一
「ポジションを取れ。批評家になるな。フェアに向き合え。手を動かせ。金を稼げ。画一的な基準を持つな。複雑なものや時間をかけないと成し得ないことに自分なりの価値を見出して愛でろ。あらゆることにトキメキながら、あらゆるものに絶望して期待せずに生きろ。明日と明後日で考える基準を変え続けろ。」



藤原和博さんは「情報編集力」と仰っています。落合陽一さんは「手を動かせ」と仰っています。もちろんこのお二方だけではありませんが、これからの社会で生き残れる人・生き残れない人の違いが明確になってきているような気がします。


現代は情報が溢れています。情報収集能力(前編)でも言いましたが、困ったことはスマホでほとんど解決します。また、AIの力は、通常の生活における悩みはほとんど解消されていくと考えられています。「生きる」ことに対してはストレスフリーの状態が近づいているようですが、「よく生きる」ことに対しては、うまくいく人間とそうでない人間が現れるように思います。


たとえば、親子丼のお店を開こうと考えました。場所は新橋、サラリーマンの多い街です。競合店が多いこの街で、どうやったら売上を伸ばすことができるでしょうか?おそらく方法はたくさんあります。味にこだわる、素材にこだわる、インテリア?内装?、おそらく方法は多岐にわたり、どんなことでも成功する余地があるかと思います。



その店にいく理由をつくる
おそらくやらなければならないことは、「その店に行く理由をつくる」ことです。米がとにかく美味い、肉がいい、良い卵をつかっている、そういうことでもよいと思います。味は普通、でもコンセントが全席にあり、テーブルが広い、そうするとパソコンが使える、とか。立ち食いスタイルでたくさんカウンターをつくって、注文から1分ほどで調理して、すぐに親子丼が食べられる、とか。コーヒーおかわり自由で、厨房は分煙にして全席喫煙OKにする、とか。本当にどれでも良いのだと思うし、もっと答えはあるのだと思います。その環境に応じて、「その店に行く理由をつくる」ことが大切なのだと思います。


自分にしかできないことをやる
これはお店のことではなくて、個人のあり方でも同じだと思うんですね。「僕にしかできないことをやる」ことが、一番の利益につながるはずなんです。自分のいいところに気づく、周りができないことを探すこと。このあたりのことは、私も他の方から教わりました。ここからが、自分の手を動かす時間です。行動して行動して、ガンガンやりこんでいく時間です。


必要な情報を選んでいく・まとめていく・伝える
そして以前、こんなことをツイートしました。

「大量生産・大量消費・団塊の世代またはJr.。高度成長を経験し、「懸命に働くことで成長できる」という認識。バブルは崩壊し、インターネットが登場。情報の大量生産が行われてる昨今。懸命に働いても頭打ちで、情報を選別して組み替えてパーソナルにモノを提供できる人間が勝つ。そういう時代。」

「学ぶのはもちろんだが、重要なのはそれをデザインできるかどうか。個に、チームに、適切な条件を満たしているかどうか。10人のチームと50人のチーム、グラウンドや施設のサイズ、選手のレベル。踏まえる要素はあるが、ソフトの面を考えることは多いが、本来はハード面から考えることが大事」



定義はさまざまですが、「情報編集能力」「デザイン」「手を動かす」「僕にしかできないこと」
これらはほぼ近しい存在であると考えています。厳密に言えば違いますよ、でも根っこは同じです。あちらこちらに散らばっている情報を、必要な形にまとめていくことです。自分が使えるように、変換していくことです。知識がたくさんあることに意味があるのではなく、その知識を必要な形に変えていくことが大事です。

Twitterもそのひとつですね、160字に要約していく作業です。こうして書いているブログもそう、マニュアルをつくったり、野球の教科書つくったりするのもそう。グラウンドで教えることも、変換する作業です。それ以外にも、実際に体を動かすことやなにか物をつくったりすることも。何かを生産するということは、それ自体が「よく生きること」です。だから恐れずに、自らの手でなにかを生産するんです。


実はブログを書いているとき、僕はとっても幸せです。ドーパミンやらなんやら麻薬物質が出てる気がします。生み出されたものは生きた証であり、自分が考えた証であり、進歩の証です。



2018年10月24日水曜日

情報収集能力と情報編集能力 (中編)


情報収集能力と情報編集能力 (中編)



昨日情報収集能力について話をしました。つまるところ、情報収集には「想像力」が大事になってくる、ということです。もう少し突っ込んで、上手に検索する方法を考えてみます。



上手に検索することや、情報を収集するときに想像力が必要です。僕が映画を探す過程をちょっと思い返してみます。

◇検索  面白い映画が見たい どうやって情報を得るか?
 →「映画 面白い 人気」「映画 ランキング トップ100」「映画 批評 ブログ」 
 「ホラー映画 名作」 「ホラー映画 最新 人気」 「映画 ブログ ホラー」

まずどんな映画を見たいかを考えます。大概はホラーですが、「とりあえずなにか見たいな」と思ったとして、色々検索します。そのときは、上記のような検索方法をとります。

これでも十分面白い映画が見つかるのですが、多くは企業などが提案しているランキングである場合であったりします。もっとコアな映画情報を探りたいな、なんて思うときもあるのですが、そのときは「ブログ」を検索します。

どのジャンルにも「マニア」がおります。映画では、年間に数百本見ているようなマニアもおります。その人のブログ記事をいくつか読み、絶賛しているものや、評価が高いもの探します。そうすることで、信頼度の高い情報を得ることができるわけですね。そうして私は安心して、面白い映画を見ることができるわけです。



◇情報を得るときに大事なのは、大体のエリア決め
良質の情報を得ようとしたとき、「良質な情報はどこにあるのか?」を考えます。例えば「Twitter野球界隈」というジャンルがあるようですが、そこにいらっしゃる方々から出る情報は良質なものが多いです。だからこそ、「野球有識者」という言葉が生まれたり、その人たちのフォロワーが莫大になっていたりするわけですよね。

例えばそれがブログであったり、HPであったり、人物であったり、団体であったりするわけです。「良質な情報が落ちてそうなところに行ってみる」というのが大切なのです。そのときに必要なのが、「大体のエリア決め」です。これがまさに想像力なんですね。



映画を調べるとき「最新作の映画→洋画→ホラー・サスペンス→心霊系」のようにカテゴリがどんどん小さくなっていきます。自分が調べたい対象がどんなカテゴリに属しているのか、を想像するのです。より大きなくくりで考えたり、似ているものはなにかを考えてみます。

「速いボールを投げたい・・・・投げる・・・・投げる・・・やり投げ?砲丸投げ?投擲種目?陸上?」と想像してみることです。




◇良質な情報が小さくても手に入ったら、どんどん掘ってみる
最初はざっくばらんで良いと思います。とりあえずGoogleとか、でかい海に言葉をどんどん突っ込んで見る。そうすると、ざっくりしたものが返ってきます。そこでたどり着いた情報から、どんどん掘ってみましょう。どんどん掘るというのは、「情報の出どころを探してみる」ということです。

私が昨日最後に紹介した「読書猿」さん。こうして私が情報収集について記事にしていますが、もともとの出処は「読書猿」さんです。ブログも何年も読んでいますし、出版されたものも読んでいます。皆さんは「もっと情報収集能力を高めたい!」と思ったわけですよね、そして私のブログをたまたま読んだわけです。そして情報の出処を探すと、「読書猿」に行き着きました。断片的な情報から、より良質な情報の出処へたどり着くわけです。

2018年10月23日火曜日

情報収集能力と情報編集能力 (前編)

情報収集能力と情報編集能力 (前編)

我々が生きている世界には、情報が溢れている。インターネットの登場により、たくさんの情報が流通するようになり、我々の生活は豊かになり、より自由な生活になったと思う。

遊びにいく約束は、某メッセージアプリを使えば複数人に送ることができる。約束の時間を設定するのも、だいたいでもいい。場所と時間がある程度設定されていて、もし集合時間に来なくても、遊ぶ場所と地図をスクリーンショットで撮って送れば問題ない。遊んだあとご飯に行こうと思って、おいしい親子丼のお店を探すのにもわずか数分だろう。会話の中で出た知らないワードは検索すればいいし、すれ違った人がもっていたおしゃれなバッグは、某画像中心SNSで検索すれば出てくるだろう。こうして私達は、より豊かで、より自由な生活を手に入れた。



問題があるとすれば、「情報が多すぎる」ということだ。「親子丼」と検索すると「約 33,700,000  0.79 秒) 」出てくる。そのなかから、自分が必要な情報を調べなくてはならない。美味しい親子丼を「店で食べたい」のか「自分で作りたい」のか、「なんでもいいから親子丼食べたい」のか「1杯3,000円の高級親子丼が食べたい」のか、「簡単につくれる親子丼」なのか「手間かけて友人に振る舞う親子丼」なのか「ダイエット中でも食べられるヘルシー親子丼」なのか(ヘルシーさと親子丼が両立するかはさておき)。自分がどんなことを求め、ある程度正しい解にたどり着くためには、どんな検索ワードをかけなければならないのかを考え無くてはならない。



つまるところ、自分が求める情報を得るためには「想像力」が必要になるということだ。「親子丼食べたい」という単純で明快な欲求ならばよいが、「もっと速いボールを投げたい」とか「遠くへ飛ばしたい」とか「足が速くなりたい」とか、不明確で抽象的な欲求に対しては、想像力が必要になる。




検索  「足を速くする 方法 」「足を速くする トレーニング」 
 こうして検索するのも全く悪くないと思う。50mを10秒で走る選手ならば、十分かもしれない。しかしニーズがあるのは中間層なので、6.8秒とか、6.5秒に乗らない選手が検索をすることが多いだろう。そのときに、上記の検索では、およそ不十分なはず。

検索 「100m走 日本記録」「陸上 〇〇選手 動画」 「〇〇選手 トレーニング」 
    「世界陸上 動画」 「足が遅い人 走り方」
  
ゴールに辿り着く道はひとつではないので、よくよく想像してみる。方法を調べることももちろんで、速い人の動画を見てみるのも、逆に足が遅い人の走り方を見てみるのもそう。大概の場合、ゴールまでの道は一直線じゃないことが多い。より高度な情報を求めたり、専門性が高まっていくと、簡単にはほしい情報に出会えなくなる。そこから、想像してみて、どうやったらゴールにたどり着くかを考えてみる。その選択肢が多ければ、数撃ちゃあたるし、調べているうちにひらめくかもしれない。



そういいつつ、情報検索や情報収集も技術の側面があるので、もしご感心がある方はこちら「読書猿」のブログへどうぞ。世界がディープすぎて、僕もわからないところたくさんあります。でもすごく役に立つはず。

https://readingmonkey.blog.fc2.com/

2018年10月19日金曜日

学んだ人間にこそ、道は拓ける。


学んだ人間にこそ、道は拓ける。


日曜日の朝、たまたま「ボクらの時代」という番組を見ていました。これは30分のトーク番組で、いろんなジャンルの方々でトークをするというコンセプトだそうです。本当にたまたまテレビをつけたら、やっていたので見ていました。今回は奥田瑛二さん、井浦新さん、成田凌さんが出演されておりました。

お三方とも見たことあるのですが、名前まで一致はしておりません。「この人はこういう名前だったのか」ぐらいの記憶です。26年生きておれば、なんとなく見たことある俳優はたくさんいますよね。何気なしに見ていたのですが、やり取りのなかでハッとしたのでここに書き留めておきます。

話は奥田さんが主導で進めていきます。それに対してお二方が返したり言葉を紡いでいく。印象に残っているのは、たしか「変化」に関する話だったと思います。



井浦新「(意識が変わって役は)何でもやるようになった」
奥田瑛二「何でもやるようになるとどーなるか言ってやれ」
井浦新「何でもやると傷つく」

どうやら井浦さんはすごく影響を受けた監督さんがいて(若松監督)、大変影響を受けているとおっしゃっておりました。その監督さんに、「なんでも仕事はやってみろ」と言われたそうなんですね。井浦さんは、以前は仕事の選り好みがたくさんあったようなのですが、その方に言われたことで、実際にTVでもなんでも眼の前の仕事は何でもやるようになったそうです。


自分がもっているプライドとか、限界とか、できないこととか、とにかくやってみる。そんな言葉たちが井浦さんの口からこぼれておりました。僕は何を気にしているのだろうか?そんなことを思いました。「チャレンジ」という大層なものでもなくて、「まずやってみる」こと。できるかどうかは別であること。僕が目指していることは、できるからやるのか?きっとそうではないんです。眼の前に機会があるなら、やってみる。それだけなんですね。


ただ、なんでもやるようになっても、「傷つく」と仰っていました。
私は、ついつい自分に制限をかけてしまいます。「きっとこれぐらいだろう」とか「ここまではできる」とか「これはできない」とか。これがいわゆる「選り好み」ですね。選り好みして生きるのは、きっと楽なんです。僕だって「野球」の中にいるほうがずっと楽なので、野球に浸っていたい、そう思います。自分の落ち着ける、ストレスのない環境で生活したい、そう思います。自分は自分でありつづけ、知らない世界は知らない世界のまま。行き先の見える電車に乗って、そのまま走るだけです。行き先の見える電車のメリットは大きいですよね、安心・安全です。傷つくことは少なくなると思います。それはそれで良いことです。そのために生きている方々もおりますし、そういう方々がいるおかげで社会システムは成立しています。

ただ私は、その生活を渇望はしていません。より刺激的な世界に生きたい、新しい発見をしたい、知らない世界に行きたいです。自分が優位になっている状況は、きっとよくないのかもしれません。「知らないことがあり、学びが強制される状態」に自らを置く。この状況になるのが、よいのだと思います。論文を書かなくてはならない、授業をしなければならない、結果を出さなければならない、文章を書かなければならない。そうする過程で、人は成長していくはずです。これまでもそうでしたし、これからもそうでありたいと思います。


「学んだ人間にこそ、道は拓ける」僕はそう思います。僕は学び続ける人間でありたい、前に進み続ける人間でありたい、常にそう自分に言い聞かせています。「拓く」という字は、「開拓」などで使われます。これまで使われてなかった土地を、新たに使えるようにする。手にマメをつくり、土で汚れ、石で手を傷つけることもあると思います。そうしてはじめて、その土地が活用され、農作物によって多くの人の命が救われていきます。新たに何かをやるときには、必ず傷つく。しかしそれが、後世の人のためになるはずです。自分が開拓をして痛むことは、後世の野球人のためになるはずです。だからもっと、もっともっと、学び、動き、トライしなければなりません。傷ついたとしても。

僕の最大の武器は、この愚直さです。愚かなまでに正直です。愚直に学ぶことしかできず、愚直に取り組むことしかできません。こうして文章を書くことで思考力を手にしたので、今でも愚直に書き続けるのです。愚直さ故の苦しみがたくさんあります。それも後世の野球人たちが、野球を楽しめるのなら、僕はもっと愚直に学ぼうと思います。





2018年10月14日日曜日

positive disconnection 腕の分離




Drivelineでは、positive disconnection とよばれるグラブ側の動作があります。この動きが、胴体を回転させるための起点になるようです。以前私は「肩甲骨のテコ」という名称でTwitterに投稿しました。また改めて、そのことについて、改めてまとめてみました。今更ですけど、あまり「テコ」とは言ってないですね。あくまで表現技法ということで。


◇肩甲骨はグラブ側の手で回転させる
→Pivot Pickoff Throwsと呼ばれるドリルがあります
 グラブを引くことでグラブ側肩甲骨後傾をさせ、胴体の回転を起こします

グラブは上から下へ使う(回内回外・外転内転)
股関節と肩が分離(捻転差)が生じていると、グラブ側肩甲骨は高い位置にあります
 並進運動中は肩甲骨後傾しないように、回内(右投手であればグラブ面を1塁に向ける)させておいて、回外しながら太もも付近へおろしていくる
 ※ボール側の手を固定して、グラブ側の動きをやってみると、胸が張られる感覚がある
  この感覚が回転のはじめとなる
 上から下に使うことで、ボール側の腕が高い位置に上がってくる


以上シンプルに2点です。
「胸を張る」という指導がありますが、「グラブ側の手によって張られる回転する」が正しい動作であるので、「胸を張る」だけでは不十分です。前の手で引っ張るから、結果的に胸が張られるのです。


「左手で(グラブで)ブロックする」という指導もありますが、これも違うとしています
「直線運動と回転運動を結びつけるためには、胴体が斜めに動くと安定する」と記事の中にあります。ここらへんは私の理解が追いついていませんが、捻転差(hip-shoulder separation?)を行おうとすると、自然とボール側の肩が下がります。バッター側の半身が引き伸ばされて戻ろうとするのであれば、グラブを下げて肩甲骨を回転させることで、斜めに回転します。




positive disconnectionなので、「グラブ側腕と胴体を分離させる」ことが大切です。
したがって、
グラブ側の腕と胸を同時に動かさない
 ここがポイントになります。同時に動くと回転は起こりません。腕が先に動き、それに胸部が引っ張られていきます。そして回転が起こる仕組みです。


そして重要な一文がこれです。
This positive disconnection of the arms in the delivery help to maximize torso angular velocity, which is the main component of fastball velocity.
「肯定的な分離は、ファストボールの速度の主成分である胴体の最大角速度を伝達に役立つ」
ちょっと訳が適当なのですが、つまるところ「腕の分離はボール速度に貢献している」と考えればよろしいかと思います。


「詳しいことはいいから、やりかたを教えろよ」という方はリンクから映像を見ていただければよろしいかと思います。それだけで十分です。




上から下にグッ!としてバーン
上から下にグッ!としてバーン
斜めにつかっているのがよくわかる、うんうん。わかるわかる。


2018年10月12日金曜日

考えること・行動することはやめてはならない


考えること・行動することはやめてはならない、そう思います。毎日でもブログを書きたい気持ちは山々なのですが、そうもいかないという制約があります。きっと皆様そうですよね、自分の好きなだけ、好きなことに費やせるわけではありません。1日は有限で、自分のために使える時間は、ほんのわずかしかありません。「1日がもっと長ければ良いのに」と、幾度思ったことか。それでもなお、成果を出したいし、自分の望む未来を作り出したい、そう思うわけです。

世の中には「いつ寝てるの?」という人がおります。四六時中職場にいる人、ものすごいスピードで仕事を仕上げてくる人たちがおります。反対に、「いつ仕事しているの?」という人もおります。楽しそうにお話をされていたり、余暇を充実させているのに、仕事が仕上がっております。どうしてそんなに時間の使い方が上手なのでしょうか?それに引き換え、私はどうしてこんなにもあらゆることが滞ってしまうのでしょうか?


私たちの周りには、あらゆる問題が眠っています。それに日々対処し、対処に追われ、対処に押しつぶされている。そんな生活をしている私です。本当は「緊急度が低い」「重要度の高い」ことをやらなければ、大きな成果が出ないんでしたっけ。そんなことを昔勉強したような気がします。日々私は「緊急度が高く」「重要度の低い」仕事に忙殺されています。


その仕事に対して、非常に大きな成果や差別化を図るほどのことを成し遂げるかと言われれば、そうではありません。直線的に考えれば、ゴールまでの時間がかかりますから、無駄なのかもしれないのですね。でもですね、それを循環的に考えると、その「緊急度が高く」「重要度の低い」ことを次々に捌くことが、私の肥やしになるわけです。その些末な事柄は、「話のタネ」となり、「ネタ」になり、良好な人間関係を築いていくことに効果があるのです。

今教員という職を四苦八苦しながら、なんとかやっています。「なんだかなぁ」と思うことだらけですが、それでももし違う職に就いたときに、「昔教員やってたんだけどさ」なんて話ができるかもしれません。それはそれで、僕のキャラになるわけです。私は監督をやりたいと思っていますし、野球に関わり続けたいと思っています。いずれの形であっても、無駄にはならないと思っているのです。

どんなときでも、今できる最善を考えます。時間があるときには、理想を考えます。理想どおりにことが運ぶならよいのですが、そうもいきません。ではどうしたら理想に少しでも近づくか?を考え続けなければならないのです。そして考えたら、動くのです。形に変えるのです。動いた事実をつくるのです。それを辞めたら、進歩はない。むしろ、どんな状況でも考え行動することで、道は開けるのです。だから、考えることや行動することを辞めてはならない。

僕はこうした、他の人から見たら意味がないようなことを考えることが大好きです。意味がないと思っているからこそ、僕にとって意味となり、僕の価値になります。これが僕のバリューです。

2018年10月4日木曜日

4つの動作+状況+判断




以前Twitter上で公開した、「試合=4つの動作+状況+判断」という画像があります。試合では基本的に4つの動作があり、そこに状況によって判断が変わっていく、というものを示したものでした。

細分化すればもっとあるのだと思いますが、練習では「4つの動作を高める」「状況を理解する」「判断をする」練習にわけて行う必要があると思います。動作が高まる(精度や速度)ことで、判断のスピードは早くなりますし、判断スピードを早くする(むしろ判断をせず行動を限定する)ことで、動作が高まっていない部分を補うことができると私は考えています。


しかし、これをすべて網羅するには時間を要します。チームごとに最適化して勝つためには、すべてを取り入れようとすることは難しいです。学生スポーツは時間との戦い、ある程度限られた中でチームを仕上げ、戦わなくてはなりません。そしてチーム毎に完成度も、選手層も、戦い方も異なります。

高校野球界の必勝法(に近いもの)としては、「スカウティングによって4つの動作が相対的に高い選手を獲得する」ことが大きな条件とされています。相対的に能力の高い選手を獲得することで、動作を高める時間を削減し、判断をする練習(ゲームなど)を中心に行うことで戦い方を習得してゆきます。


しかし、チームの立ち上げ段階であったり、これから強くなろうとしているチームはスカウティングを行っても苦戦を強いられます。そもそもスカウティングするにも、選手が自らのチームに来てくれるかどうかは全く別の話だからです。


考えなければならないことは、「スカウティングしなくても強くなる方法」です。野球のルールに戻って考えてみると、欠かせない動作が2つあります。野球は「点を取り、アウトを奪う」こと、「打撃の機会はある程度平等に与えられること」「アウトにする場合、形は問われないこと」などがあります。他にも原則的なものはたくさんありますが、もし私が監督をやるのであれば、これらの点に注目します。


そして強くするために高める動作は2つ、「打つ」と「投げる」です。
  

打つ機会が平等に与えられるのであれば、全員を打てるようにします。そうすれば点が入る可能性が高まるからです。高校野球が金属バットであるうちは、打つチームは形成しやすいです。

「投げる」は、投手のことだけではありません。アウトにするためには、ほとんどの場合投げる動作があります。いくら綺麗に捕球をしても、送球が遅ければアウトになりません。捕球よりもアウトに
直結するのは「投げる動作」です。仮に野手が140キロ相当のボールを投げることができれば、捕球に対する負担が減ります。前に出る・小さく投げる、そういった教えにくい作業が減少するはずです。割り切って取り組む場合です、もちろん。もちろん捕球しなければアウトにならない、です。そこはもちろんなのですが、もし私がチームをつくるならば、その優先順位でやるべきだろうと思っています。

8月11日 東北学院vs愛工大名電

 8月11日 東北学院vs愛工大名電 5-3 東北学院〇 かんたんなまとめ:初出場の東北学院が優勝候補の名電を撃破。 140キロトリオと激戦区を勝ち抜いてきた名電だったが、東北学院伊東投手の前になかなか点を取ることができない。初出場かつ新聞記事C評価の東北学院、投打がかみ合い長打...