2021年12月31日金曜日

心のマインドセット

 思考法・マインドセット:視座は高く、視野は広く、視点は深く

 視座:2つ上の視点・社会の視点で     俯瞰 鳥瞰

 視野:みえない角度・正反対からみてみる  カメラスイッチ

 視点:できるだけ寄って主観的に      ズーム・当事者感情移入

行動の方向性:MVV ミッション・ビジョン・バリュー

 M:野球界の未来をつくる

 M:100年後も野球が愛されるスポーツであること

 V:自由・成長・好奇心・発信・記録

 S:スピリット 「野球を高めていく」

         「野球を広げていく」

         「野球を伝えていく」

         「野球を残していく」

         「野球を愛していく」

          

 S:スローガン  「野球愛は永遠に」



問題解決:具体化ー抽象化ー類推

     理解ー分解ー再構築 (これは仮説思考?)

成功のためのマインドセット

  :積み上げ・試行錯誤・仮説思考・セルフコントロール・他者貢献


 積み上げ:継続の力

 試行錯誤:工夫しながら進む

 仮説思考:仮説を立ててどんどん実行してみる

 セルフコントロール(人間性):自分で自分をコントロールする

  人間性=セルフコントロール+他者貢献

 他者貢献:他人の役に立つと周りが助けてくれる


指導者の能力:育成・運用・動機づけ・予測・分析

 デベロップメント

   

 マネジメント

 モチベーション

 フォーキャスト

 アナライズ




情報処理と情報編集能力(思考力・判断力・表現力)

 編集 コミュニケーション

    ロジカルシンキング

    シミュレーション

    ロールプレイ

    プレゼンテーション 

 想像して組み立てるのが好き


2021年の振り返りと来年

 【2021の所感】

今年もあっという間に年末を迎えました。

毎年そうですが、今年は本当にバタバタしたなという実感があります。

1番は6年勤めた学校を退職し、通信制の学校に移ったことです。

退職理由は大きくわければ2つで、

「監督になりたい」「教員としてのレベルアップ」を理由に退職しました。


結論からいうと、今すごく充実しています。

いい時間を過ごすことができていると思っています。

その代わり、今の学校には野球部がないので、

野球ができる学校に行く、という思いでいっぱいです。



実際転職して高校野球の監督になれたわけではないのですが、

コーチとして自分のやっていることの限界も感じており、

野球というものを自分のなかで捉えなおす時間がほしいと思うようになりました。

結果母校の外部指導員として週末はグラウンドに行く、ぐらいの頻度。

仕事の兼ね合いもあるので、毎週行けるわけではないですが、

チームが変われば野球も変わりますし、やるべきことも変わるんだ、という思いがあります。


野球に対してはある種の信仰心みたいなものがあり、

この人生を捧げるぐらいの火種が心の中にあります。

野球から距離を取り、少し引いた視座で野球をみています。

とくに高校野球は「なんて狂った世界なんだ」とも思うようになりました。



ただ、文化として、競技(スポーツ)として、野球は間違いなく日本を支えているものの1つだとも思うようになりました。

経済的にも、文化的にも支えています。

人と人を繋げ、世代も繋げることができ、人を明るく元気にする。

野球によって幸せな生活を送っている人がたくさんいる。

距離をとったことで、改めて「文化としての野球」の重要性を感じました。

だからこそ、自分は現場に戻り、その一端となりたい所存です。



通信制高校での勤務も、自分に生きています。

効率化しながら成果を出すこと、

きちんと線引きをしながらやっていくこと。

時間は無尽蔵にあるわけではないので、

ちゃんと決まった時間内で工夫していく努力をする。

仕事も野球も、通ずるところはありますね。

授業に関しても、今の学校では大変評価をしていただいています。

「己の力のみで生きていく」みたいな生き方にあこがれているので、

まだまだ研鑽が必要です。精進します。



【来年に向けて】

一番は野球ができる学校に行く、ということ。

そこに向けて、力をつけていきましょうという。

行動そのものは今年と変わらないと思うのですが、

少し攻め方を変えようと思っています。



世の中の人が交渉して、譲歩して、葛藤して、酒飲んで帰る。

そんな気持ちもよくわかるようになりました。

ただ、今このまま着地すると、色んなものがうまくまわる気がするんですが、残りの人生はどうなってしまうのかが恐ろしいです。


「飛び立つ」というのは恐ろしく勇気がいることで、

なおかつその後も飛び続けないといけないわけです。

その勇気を忘れずにいたい。来年はそんな年にしたいと思います。














2021年6月15日火曜日

あくまで独り言:ジャイアントキリング

 個人的な意見ですが、「ジャイアントキリング」をすることより、「ジャイアントになり、キリングされる」ことを僕は目指しています。その過程のなかで「ジャイアントキリングする」ことになると思いますが。


例えば、地方大会ベスト16~8の実力のチームと甲子園レベルのチームが戦ったとき、10回戦って2~3回ぐらいは甲子園レベルのチームは負ける確率があります。もっと少ないかもしれませんし、もっと多いかもしれませんが、なんとなくの経験論です。

どれだけ選手が集まっていても、選手の能力だけで決まらないのが野球なので、「たまたま相手がミスをし、こちらがミスをしなかった」ことで勝つことがあります。実力差があっても勝敗が逆転するわけです。これは高校野球は特に起こります。

かつ、どれだけチームが仕上がっていて、「きっと上位進出できる!」と思っていても一回戦でノーシードの強豪と当たる可能性があるわけです。「高校野球」に限定すれば、「運ゲー」の様子があり得るのです。僕は高校野球の現場にいて、そんな「運ゲー」要素で満たされていることに辟易していました。

「抽選会は大事だけど、抽選会を気にしないくらい強くなるべきでは?」といつも思っていました。ベスト16~8のチームであれば、数年に1回は「ジャイアントキリング」はやっていると思います。そのなかに沢山の細部にわたる工夫と情熱があるのは重々承知ですが、僕は数年に一回相手がミスをする巡りを待つより、毎年がっぷり四つで組み合いたいです。

2021年5月30日日曜日

野球について考える 1 ゲームの特徴 スペース  

 前回からの続き、今回は「スペース」についてです。

球技スポーツですと「空間」をどう活用していくか、という話になります。僕はバスケットボールも少しばかりやっていたのですが、コーチから「いかにスペースをつくるか」や、「人がいないところに走る」といったところが大切だと教わりました。

他に、小学生のサッカーでも低学年チームなどは、「ボールに選手が群がる」という現象が発生すると聞いたことがあります。小学生も高学年や強いチームになるほど、ボールには群がらず、グラウンド上を幅広く活用できるようになるそうです。


さて、野球以外の競技ではどのように空間を活用しているのでしょうか。

サッカーもバスケットも「マンツーマン」や「ゾーン」という作戦があります。

「マンツーマンディフェンス」は相手一人に味方一人がついていき、「ゾーンディフェンス」は決められたエリアを仲間と連携しながら守っていく手法です。野球は「ゾーンディフェンス」と考えられます。

ゾーンディフェンスのメリットは、

”ゾーンディフェンスは常にボール周辺に数的優位ができる”

ということだそうです。

以下の「ジュニアサッカーを応援しよう」のリンクより

https://jr-soccer.jp/2018/09/02/post100330/


また、ゾーンディフェンスのポイントとして、

他の選手たちは、移動したボールの位置、そして移動した味方の位置に連動するように、スムーズに全体がスライドしていけばいいのです。私はこれを「水族館のイワシの群れ」のような動きだと例えるのですが、まさにあの集団的な動きをイメージしてください。まずはボール周辺に守備者全員で常に数的優位を作ること。これが原則となります。”(上記リンクより)

とあります。「水族館のイワシの群れ」と言われるとイメージはつきやすいですね。

「組織化して連動して動く」が基本ですから、野手は声を掛け合いながら動いていく必要があります。

競技性が異なるにせよ、ポジショニングによって「打球が予測されるところに守備者全員で数的優位をつくる」という論理は成り立つと思います。古くは「王シフト」、近年の守備シフトもこれに相当すると考えます。そんなところから、「スペース」は球技スポーツを考えるうえで抑えるべき要素だと思います。


前置きが長くなりましたが、1枚目のスライド。


前置きでは「①」の部分だけに触れた形になりました。物理空間のスペースをどう埋めていくかを考えていく、これがポジショニングです。

触れなかった「②」、これは脳内空間や認知能力を指しています。「予測能力」だと考えています。某強豪校出身の外野手に話を伺ったときに、「フライはパワプロの落下地点カーソルが見える」と言っていました。興味深いのは、これを後天的に手に入れたということ。中学校で練習していく過程で、予測できるようになったと本人は言っていました。

打撃に関しても、目で認知をしてその後は予測で体は動いています。「結局ボールは見ていない」という話は有名ですね。投手と打者、約0.4秒の世界で打者は約0.2秒で判断していると研究結果として示されていますし、「ピッチトンネル」もこの領域内の話です。

物理的空間の活用法と、予測能力を高める重要性が野球にはありそうです。


2枚目のスライドです。



スペースを分解して分類していくと、スライドのようになりました。
グラウンド上では、ポジショニングが進塁と関係します。空間が大きく空いているところに飛べば、多くの塁に進むことができます。

したがって、「自分はどこに位置するか」と「相手はどこに位置しているか」は重要項目です。他チームのマニュアルなどを見たり、勉強していくと、細かくポジショニングのルールを決定しているチームがあります。私は重要だと思いますが、一切ポジショニングの指導しないチームもありました。ポジショニングの議論があまり出てこないのは、大変見えにくい(一歩二歩であったり)上に評価しくいからだと思います。知識がない選手らにとっては、きちんとティーチングする重要性が見出せます。


余談ですが、プロ野球選手が、「ファインプレイをする」のも身体能力としてプロであるのと同時に、ポジショニングやスタートを失敗している可能性があります。ミスを補うだけの能力がある、とも考えることができます。
一方、いつも難なく捕球している選手は、よくみると細かくポジショニングを変えています。元ジャイアンツの仁志選手がポジショニング能力に長けていた話も、大変有名です。

こういうのは好みがあるので、「簡単なプレイをかっこよく魅せるのもプロだ」という人もいれば「難しいのを簡単に捕るのがプロだ」という人もいます。僕はどっちもプロだと思うので、どっちも好きです。


話を戻します。今回のまとめ。
スライドで分解分類したので全部を説明はしませんが、共通して言えることは、
「個人の能力+データ・観察・セオリーで補う」のが大事だということです
能力値(予測能力など)を高めていく、足を速くする、肩を強くする、こういった個人の能力とスペースは結び付いています。足が速ければポジショニング関係ないです、みたいな極論ですね。ただ、全員が50m6.2秒で走れたり、遠投100m投げられるわけではないので、それを補うのがデータであり、観察であり、セオリーを知ることだと思います。


野村克也氏は「打率3割を打ちたいけど、精いっぱいやって2割5分。あとの5分をどうやって埋めるのか。これを突き詰めていくことが「考える」ことだ」と言いました。まずは才能を磨き、個人の能力を伸ばすこと。そのうえで、足りない部分を補うこと。この話に私は大いに納得しました。


打って投げて走って、個人の能力が大いに評価される時代になりました。かつ、私も個人の能力を高めることに大賛成です。高校野球では「個」が軽視されることも少なくないです。ただ、野球はチームスポーツで、組織性があるからこそ面白い。私はそうも思っています。スペースの活用も駆け引きのうち。記事を書くにつれ、「もっと勉強する必要がある」と痛感しました。今日はここまで。



参考図書
アメリカ野球指導者協会『野球 勝つための戦術・戦略』大修館書店 2011年
平野祐一『科学する野球 ピッチング&フィールディング』ベースボールマガジン社 2016年 
平野祐一『科学する野球 バッティング&ベースランニング』ベースボールマガジン社 2016年 



2021年5月24日月曜日

野球について考える 1 ゲームの特徴 「状況変化」

 今日は続き、「状況変化」についてです。


まず1枚目のスライド。

野球は、

・ボールカウント12種類

・アウトカウント3種類

・ランナーの位置8種類(ランナー1塁とか)

で合計288種類のケースが発生します。


私ならば、

①確率の高いパターンは反応で動けるようにする

②ケースによって選択肢が複数生まれる場合は、確率の高い2~3を反応で処理できるように

(練習では率の低いものまでやれるだけやる?)

③試合で、率の低いものはある種「あきらめる」

状況判断で最低限の対応ルールを決めておく


例えば、

①無死1塁  0-0 反応でバント処理(100%ミスなくできるように)

②無死1塁  1-1 バントメインで、バスター・エンドラン系も内外で確認

 バントは通常処理、バスターエンドランなら外野は3塁で刺せるように 

 →結果バスターエンドランでショートが動いてしまって抜けてしまいました

  外野がポジショニング深くて楽々セーフでした・・・をなくしたい

③1死1・2塁 1-2 ヒッティングの可能性(上位打線)

 結果セーフティバントされました→セーフになりました

 →もちろんアウトにできればよいが、確率は低かった


なんでもかんでもアウトにできれば、セーフになれればよいのですが、実際はそうはいきません。「パターン処理・選択肢から対応」して、「どうにもならないことは割り切る」場面も出てきます。ケースに対して理解を深めていくことで、実際にグラウンド上の瞬間の判断で、最善のプレイができるようになってほしいと思います。


下のリンクの記事のなかで須江航監督が、

「野球で起こりうる288ケースの予行演習を1年間してきた」とあります。

https://www.nikkansports.com/baseball/highschool/news/201908020000970.html

実際に須江監督がそう仰るのだから、その準備をしてきたのだと思われますが、そもそも指導者がそこまで分析できているのか?自分はできるのか?と言われれば、こうして考え始めている段階です。どこまで考えていったのだろうか、気になるところです。


2枚目のスライドです。


「状況変化」の項目において大切なことは

・セオリーを把握し反応で動けるようにすること(基本的な攻め方・守り方)

  座学→形式練習→実戦練習

・複数の選択肢がある場合、確率の高い2~3を処理できるように(状況判断)

  座学や実戦を通して、確率が高いものを選手が感じ取れるようにしたい

・割り切りを知る 

  ある種「しょうがない」が出てくる。

  ゲーム中は「しょうがない」ので、練習で「しょうがない」をつぶす


こういった基礎基本パターンを理解したうえで、

・試合ごと(打順点差イニングなど)の状況を踏まえてゲームで状況判断できるようにする

ポジショニングにしても、「実際これどっち?」という場面が出てきます。データや能力などを突き合せたうえで、判断をすべきでしょうね。ここが一番難しいし、面白いところだと思います。



僕が野球を見ているときは、

「次はどんなボールを投げるのか」

「どんなサインを出すのか」

「どんな攻撃をしかけ、どんな守備をするのか、その展開はどう変わっていくのか」

といった駆け引きを楽しんでいます(これが一番楽しい)。

そして一つの選択に対して、「どうしてそうなのか」と理由を考えています。

楽しみ方はそれぞれなので何でもいいと思いますが、相手があるスポーツで、戦術が発達しているスポーツで、考える時間があるスポーツなので、打ち方や投げ方・スピードだけではないところの楽しみも本来たっぷりとあるはずです。僕もまだまだ言語化できていませんが、ブログで考えることを通して、「駆け引きの面白さ」を伝えられる指導者になりたいと思います。








2021年5月21日金曜日

野球について考える 1 野球のゲームの特徴 「プレイ間隔」

 今日は昨日の続き、「プレイ間隔」について書きます。まずは昨日の最後のスライドから。


野球は攻防が入れ替わり、その間に「次のプレイの準備をしましょう」ということです。野球ライターの田尻賢誉さんが言い始めた言葉だと思いますが、いわゆる「JK(準備・確認)」です。


2枚目にいきましょう。


攻防だけでなく、攻撃中・守備中にも細かく見ると間隔があります。「波状攻撃」のような断続的な攻撃はできないのが野球ですね。打者がヒットを打って、また次の打者を迎えるまで間隔が必ず存在します。また、一球投げたのちにも間隔が存在します。

私は野村克也氏が「野球は間のスポーツ」と評していたのを記憶しています。『野村ノート』はベストセラーとなり、野球に「知」が重視されるきっかけになったのは『野村ノート』のおかげであると私は考えています。

この「間」で何をするのか、同じ実力なら準備ができているチームのほうが有利にことを運べるのではないでしょうか。負けるのは想定外の出来事が起きたときですからね。


さて、3枚目。
先ほどのを図式化(というほどでもない)しました。
大事なのはここで何をするのか、ということ。今回の記事では書ききれないのですが、次の準備にどれだけ時間が割かれているのか、ということです。

試合で相手チームの様子をみていると、チームで何を大事にしているのか、どんな取り組みをしているのかがよくわかりますね。シートノックやゲームのイニング間などでの声掛けは、チームの取り組みがよく現れます。


※余談ですが、「声を出す」というのは理不尽なような気がしますが、ちゃんと理由があると思っています。腹式呼吸ができるようになること、腹圧をかける訓練になること、興奮水準を高めてパフォーマンスを上げることなど、いいことだらけ。詳細は今度ちゃんと調べます。

声を出すことで大事なのは「情報を共有する」です。取り組みのよいチームは、情報共有スピードが速く正確で、事前に確認できています。



さて4枚目。


「間」=「時間」と言い換えることができます。となると、

・1球毎の時間

・1プレイの時間

・攻撃、守備の時間

もそれぞれ野球では関係がある、ということですよね。


例えば

・ランナーが出たときに、セットポジションを長くする

・速いテンポで打者に考えさせない

・打ち気なバッターに対して、ロジンを触る、サインが合わない振りをして力みを誘う

など、これらは時間が技術面とリンクしていると考えられます。


時間のことでいえば、私はネットの記事で読んだ須江航監督(仙台育英高校監督)の言葉をすごく覚えています。

https://www.nikkansports.com/baseball/news/1742518.html

”野球を突き詰めていくと、結局ストライクを振って、ボールをいかに見逃すかなんです。”


記事内ではやや違うニュアンスかもしれませんが、私も本質的だと思いました。つまるところボールを見逃すこと(相手守備の時間を長くすること)で、特にアマチュアでは有利な展開に持ち込むことができるはずなんですね。

私が考える「ボールを見逃す効果」とは、

・相手野手のスプリットステップの回数が増える(単純な疲労)

・守備の時間が伸びる(集中力を酷使する)

・守備が打球に反応しにくくなる(出塁・得点の可能性が高まる)

これらは相手は守備だけでなく、攻撃にも悪影響を与えることがあるのではないでしょうか。印象論ですが、互いに四死球が多いゲームは、取って取られて、エラーも多いゲームになっています。

この「攻守の時間」については、情報を集めた際にも重視しているチームがありました。野球は勝利に貢献する要因が多いので限定はできませんが、勝利の可能性が高まると考えています。


ということで、今回は「プレイ間隔」でした。

間で次の準備をしましょう、時間を効果的に使いましょう、攻守の時間を気にしましょう

といった具合です。ありがとうございました。


2021年5月20日木曜日

野球について考える    1 野球のゲームの特徴 

 将来監督になりたいと思っていて、本を読んだり、話を聞いたり、動画を見たり、様々な角度から勉強を続けています。どこかで監督になるのならば、ミーティングやマニュアル作成をやってみたい。なので、「ミーティングを選手の前で行う」、ということを前提にパワーポイントにいろいろまとめる作業をはじめています。ブログでは少しずつ知識の棚卸といいますか、アウトプットする作業を通じて、自分の理解を深めていこうと思います。いつも途中で筆をおいてしまうので、なんとかゆるくやり切りたいと思います。



※注意!

あくまで一人の指導者の意見であることを踏まえていただきたいと思います。個人的な野球観にも踏み込んでいくことにもなろうかと思いますが、野球って宗教みたいなところあるじゃないですか。「俺はこうやって教わった!」とか、「こんな考えでは勝てない」とか言い出す●●も存在するのは事実です。変だなと思うところは優しく教えていただけると、幸いです。


今回のタイトルは「野球のゲームの特徴」です。

まずはじめに1枚目のスライド。


「野球のゲームの特徴」がタイトルですが、そもそも「ゲームの特徴」とは何か。
例えば、
 ・バスケットボール  身長高いほうが有利 運動量が大事 
 ・テニス       ストップ&ゴー(運動量)が多い プレイが止まる 
といった、スポーツのルールに基づいて割り出される特徴があります。もう少しちゃんと言えば、「基本的なルール+ルールから割り出される特徴」ですね。

僕の中学校の先生で、以前の勤務校でバスケットで全中制覇した監督さんがおりました。いわく、「とにかくシャトルランみたいな、切り返しのランを繰り返した」と。バスケットは8分を4セット、止まらずに走り続ける競技なので、そもそも運動量が必要だろうと。

つまりそれぞれ競技ごとに、「基本的なルール+ルールから割り出される特徴」があって、その競技ごとに求められる練習をする必要がある、と考えられます。


2枚目のスライドにいきましょう。


野球のゲームの特徴は、上記の3つになります。こちらは『球技のコーチング学』から引用しました。
 ①攻撃と防御が明確である
 ②ホーム帰還者数を競う
 ③規定アウト内でホームに返すや返さない
 
つまるところ、
①攻撃と防御が規定アウトで入れ替わる(バスケットのように断続的に攻防が行われるのではない)
②塁をまわって、本塁到達者が多いほうが勝つ
③攻撃は「いかに本塁に返るか」、守備は「いかに本塁に返らせないか」がキモ
になるということです。本質的な要素は「塁取ゲーム」であるということでしょう。




3枚目のスライドになります。ここはサクッと。



攻撃は「打撃」「走塁」、防御は「投球」と「守備」に大別できます。


4枚目にいきましょう。攻防が入れ替わり、塁を取るスポーツであり、空間が規定(球場やダイヤモンドは距離が規定されているの意)といったあたりから、以下の4つは特徴として挙げられるだろうと考えます。




で、ひとまず簡単にまとめると5枚目のスライドになります。


野球でやるべきことは、「プレイ間隔」「状況変化」「スペース」「スピード」に集約されると思うんですよね。
平たく言えば、
「日頃からケースの準備をいろいろする(ケースノックとか)」
「試合ではプレイの間で準備する(一球ずつも含めて)」
「自分の守備位置を確認する、相手の守備位置確認する、距離感や空間を掴む」
「早く動ける体にする、野球に適応させていく」
という感じでしょうか(平たくない)。


この4項目に野球のおおよそは集約できるはずです。フィジカルはスピードに、データ分析などは状況変化に、メンタルは・・・・これも状況ですかね。「野球は総合的なスポーツ」というのが私の中のセオリーなのですが、個人の能力を高めることも、野球のゲーム性を高める(状況判断とか試合運び)ことも、勝ち進めるためには必要なことだと思っています。



この4つの要素を抑えているチームは強いと思います。
某強豪高校のスカウティング方法で以前聞いたのは、「ピッチャー10人、ショート10人」と呼ばれるものです。それぞれ10人とって、あとはそれぞれ適性毎に分かれていくし、そもそも能力値が高いので、適応できるということです。

正直この4項目のうち、「スペース」や「スピード」を高校野球の2.3か月で育成しながら甲子園を目指すのは難しいのだと思います。強豪校は「スペース・スピードのある選手をとり、野球の精度を高めていく」ことに注力している学校が多いので、長時間練習や投球過多になることもしばしばあるのだと思います。


ひとまず今回はここまで。
一つずつの項目に関して、次回以降で深堀したいと思います。



参考文献
日本コーチング学会『球技のコーチング学』大修館書店 2019年
中垣征一郎 『野球における体力トレーニングの基礎理論』ベースボールマガジン社 2018年





2021年2月16日火曜日

言葉の使い方

 「共通理解」というのはすごく大事で、選手と指導者間でのギャップをなくすことができる。抽象的な言葉に対して定義を決めて、具体例を出して、理解してもらう。これ授業と同じだな。抽象的な言葉だけを投げつけても、うまくはならない


選手に聞くと大体は漠然とした抽象的な言葉が返ってくる。「体重移動がうまくいかない」とか「球がいかない」とか。選手と一緒に考えてみる、ってのは大事だと思う。こちらの理解が浅いと、一緒に考えることができない。体系的に理解していれば、一緒に考えることができる。

2021年2月15日月曜日

DISC理論と選手育成

 『コーチングクリニック』3月号に、DiSC理論というものが紹介されていました。この理論は選手の行動特性を分析するものだそうです。選手の性格や考え方は千差万別ですから、パワハラ防止や効果的な指導のためには、選手の理解が必要であろうということでしょう。

端的にタイプを4つに分けるのですが、

D:主導 直接的で決断がはやい

i:感化 楽観的で社交的

S: 思いやりがあり協力的

C:慎重 緻密で正確

に分類するそうです。


インターネット上で診断してみたところ、私は「i」でした。あまり社交的でないと思っていたんですが、意外な感じがします。しかし説明などを読んでみると確かにそんな気もする。


記事のなかで強調されていたのは、「判断材料の一つであること」「自分を理解するためのものであること」「メンバーにも行動特性があること」でした。確かに「あの選手と合わない」と言ってしまえばそれまでですが、「動機付けの方法を変える」ことはできるはずです。分析をしたうえで動機づけを変えれば、きっと新しい効果は生まれるはずですね。

https://heart-quake.com/article.php?p=7037#:~:text=DiSC%E7%90%86%E8%AB%96%E3%81%AF%E3%80%811920%E5%B9%B4%E4%BB%A3,%E3%81%AB%E5%88%86%E9%A1%9E%E3%81%97%E3%81%9F%E3%82%82%E3%81%AE%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82

2021年2月14日日曜日

「サイコだけど大丈夫」の印象的な一文

「サイコだけど大丈夫」という韓国ドラマをネットフリックスで観ています。そのなかで絵本が登場しますが、印象的な一文を引用します。


『悪夢を食べて育った少年』

 ”つらかった記憶 

激しく後悔した記憶 

傷つけられた記憶 

見捨てられた記憶

そういう記憶を胸に抱いて生きるものだけが

もっと強く熱く

そして柔軟にもなれて

幸せを勝ち取れるのだ と

だから忘れるな

乗り越えろ”


なかなかぐっときますね。上手くいかない、つらいことに直面している今。かなり身に染みる言葉です。今魂が成長しているんでしょうか、きっとそうなんだと思います。どこかで幸せを掴めるはず。腹を括って、前に進みます。

捕手の育成(『コーチングクリニック』3月号より)

 『コーチングクリニック』3月号吉田干城氏の記事によると、成長期前の投球障害はピッチャーよりもキャッチャーにも多いとのこと。防具をつけていたり、無理な体勢で投げたりすることが多いことが理由。第二次性徴以降は体の成長らによって捕手の投球障害は減る。


人数多いところは複数捕手制、少ないところは捕手兼任を何人か作っておくことか。現チームの規模(学年25~35人)では、正規の捕手2~3人、兼任で2~3人はひとまずできるように。学年で捕手が4~5人できると、紅白戦や練習試合で3チームに分けても対応できる。


スキル(フレーミング・ブロッキング・スローイング)を明確化して、サインや指示はベンチが出すようにすれば捕手の負担は下がる。毎年同じクオリティの捕手を求めるのは結構難しいので、まずは捕手のハードルを下げるべきか。


第二次性徴が終わった高校でも、捕手のケガは尽きない。肩肘の障害だけでなく、腰・首の障害もある。いつも座っている分、腰の負担は大きい。ということで、複数捕手制をやったほうがいいというね。


8月11日 東北学院vs愛工大名電

 8月11日 東北学院vs愛工大名電 5-3 東北学院〇 かんたんなまとめ:初出場の東北学院が優勝候補の名電を撃破。 140キロトリオと激戦区を勝ち抜いてきた名電だったが、東北学院伊東投手の前になかなか点を取ることができない。初出場かつ新聞記事C評価の東北学院、投打がかみ合い長打...