自主的な活動を促すために必要なことは?
自分たちで考えて行動するようになるには時間がかかる。一筋縄ではいかない、予想外のことが起こる、こちらはイライラする。しかし「自分で考えろ!」と怒鳴りつけるよりかは、待っていたほうが私はやりやすい。もちろん目に余るときには指摘をする場合もある。でもメインはプレイヤーである彼らだから。
自主的な活動のためには、以下の3つが必要ではないかと思う。
◇目標やビジョンを設定する
◇ゴールを明確にする
◇権限・責任を与える
ビジョンや目標は、「最終的にどうなっていたいのか」「どうあるべきか」を教えてくれる。ようはそこまでたどり着けばいいのだから、道はいくつあってもいい。私たちが想像している範囲外で、答えが出てくる場合もある。答えを無理に合わせる必要はない。
ゴールを明確にすること、どこがゴールかを決めること。高校野球が教育の一環で「人間性の育成」が目標であり、ゴミを拾う・他人に気遣いができるようになるというのは、ゴールだろう。チームの理念があり、具体的な行動を決定していく。そしてそこに責任を与える。
人は責任を与えられて、はじめて自分の頭が機能していく。「失敗したらどうしよう」「周りから避難されるのではないか」と思いはじめ、命の危機を、自分の存在の危機を知る。その周囲の目と、やるべきこととの葛藤の中で結果を出す。「自分がやらなければならない」と感じることで、動き出すことがある。
我々指導者は、その自主的な活動を見守る役割だ。これはかなり難しい。どうしても口が出てしまう、態度に出てしまう、表情に出てしまう。選手がこちらを見て、プレイをするようになる。そうなってはいけない。選手同士が自分たちのプレイを見て、互いに必要なことを言う。ゴールに向かって突き進む。我々はその動向を見守り、大幅にズレてきたら修正をかける。それも「not」ではなく「suggest(示唆)」であり、「present(提示する)」であり、ともに考えるのである。
監督を目標にして、それを乗り越える時代は終わった。はっきりそう思う。その時代は、もう終わった。自分を見つめ、体と技能を高め、相手に勝ち、より広い世界を目指していく。そのために監督やスタッフは道標をつくるのだ。一緒に道を切り開くのだ。
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