COMPARING COACHING PHILOSOPHIES
こちらの記事では、コーチング哲学について比較をしています。
♢「〇〇のように投げてほしい!」というコーチング
従来のコーチング方法では、トップアスリートの動作を解析し、ポイントを抽出し、ポイントを抽出してドリル化します。コーチはドリル化を徹底させ、完璧に模倣させるのです。
例えば、例えば「キンブレル投手のブロッキングを覚えよう!」として、何かしらそのドリルを考案します。そしてその形が正確に再現されるまで、そのドリルを続けていきます。その後、そのブロッキング動作が実現されていく、ということになります。
一見この方法に問題点はないように思いますが、「見落としている部分」がある可能性があります。ポイントを限定して改善を図っているわけですから、他に数多くあった問題点を見落としている可能性があります。
ブロッキング動作であれば、問題は軸足にある場合があります。または、そもそもそれ以外の問題の場合もあります。コーチは、「ここが問題だ!」と決定をしたことによって、根本的な改善がなされずにそのまま練習を続けてしまいます。これは大きな損失です。私も「ドリル化」はよく使いますが、実は大変危険なことだったのかもしれません。
♢理想に近づけないコーチング
Drivelineでは、単一のコーチだけが指導するわけではありません。動作解析をしたり、理学療法士が動作を見たりと、複数の人間が関わって指導をしています。「理想に近づけない」というのはやや語弊がありますが、その投手の育成をあらゆる視点から考える必要がある、ということですね。
本当の問題点はどこにあるのか、それを体系的に考えていくことが重要です。投手の悩みというのは「球速がでない」「コントロールが悪い」「肩肘が痛む」に、大方収束します。これらの問題は、「メカニズム」「可動域」「筋肉量」「フィジカル」「柔軟性」「疲労」などなど、あらゆる角度から検討することができます。したがって、複数の眼があるのであれば、あらゆる角度から検討していき、問題点を限定しすぎないで考えることが重要なようです。
♢「真実はいつもひとつ!」ではないかもしれない
理想をいえば数値化映像化したりして、現状を把握したいところです。筋電図・動作解析・球速・回転数・回転軸・ストレス・投球分布図など、測定できるものはやまほどあります。現状を把握し、以前のデータと比較して、なぜそうなっているのかを考えるべきです。揃えられるものには限りがあるので、簡易スピードガンと私の知識と経験に頼らざるを得ないところがあります。が、現状はこれが限界です。
何年も少しずつ時間をかけて、投手も成果が出るようになりました。特にここ1年に関しては、観察する時間が圧倒的に増えています。それは投球メカニズムもそうですし、トレーニングのやり方・日常の姿勢(体の姿勢)などを見るようになりました。色んなアプローチを体系的に仕掛けていくようになりました。以前よりも、メカニズムにこだわらなくなってきた側面も強いです。
「メカニズムを仕込んでいく」というよりも、「原理原則から外れていないか」が重要だと思います。結局は「並進運動から回転運動」で「運動連鎖」が起こります。そこから大きくハズレなければよし、そして出力を大きくしながら、バランスを整えていきます。スピードが出ないのは、メカニズムの前にそもそもの筋肉量が足りないかもしれません。コントロールは柔軟性の問題かもしれませんし、リリースの感覚かもしれません。体系的にアプローチをかけ、細部を個別的に考えて、その当人の可能性を最大化させていく方法がよいのだと思っています。
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