2018年12月31日月曜日

2018年をふりかえって。そして2019年。


2018年は「学び・記録・体系化を!」というテーマで動いておりました。色んなことがあった1年でしたが、大きく成長できた1年であったと思っています。

・バイオメカニクスを学ぶ
・カウンタースイング導入し、実践する
・DLBBを知り、学び、実践する
・HR100本プロジェクト実施→失敗
・投手育成のレベルアップ→秋にはそれなりに
・ブログをはじめた→とりあえず続いている
・Twitterはじめて1年半ぐらい→必要な勉強ツール
・グラウンド掲示をつくった→数が増え指導効率アップ
・専門教科の勉強→きちっと基盤を固める
・映画いっぱいみる→映画77本(AmazonプライムとかDVDとかも含めて)


2018年12月30日日曜日

環境のなかで育つ


為末大さんのブログより
http://tamesue.jp/blog/archives/think/blog-20141006
>今の自分になったのは誰のおかげで誰のせいか。学校の教育のおかげかもしれないし、そのせいでこうなったのかもしれない。親かも家庭かも、友達かも社会環境かも、国家かもしれない。自分だけで自分になるのではなく環境の中で自分になる。



優秀な選手に対して「俺が育てた」という言葉をついつい言いたくなる気持ちは、わからないでもない。だれだって褒めてもらいたいと思うから。「すごいですね!」とか言われたいし、「俺がんばったよな」と確認したいというときもある。実際は「そんなことないですよ」と言いながら、自分を褒めている。他人には言わないけど、多くの人が思っていることだと思う。


その一方で、ときどきこう思う。「この選手は、きっと俺の下でなくてもうまくなってたよな」と。そもそも成長する選手というのは、どこに行っても成長する。うまくなる選手は、どこへ行ってもうまくなる。

それでも、こう思うときもある。「この選手は、この環境だったから成長できたのかな」と。叩かれて叩かれて伸びるタイプがいれば、放牧されて勝手に伸びるタイプもいる。チームカラーとか、監督の方針とか、そのチームの文化とか。目に見えないものが、その選手の心に作用して、前向きに働くことがある。実際監督だって、トップ層の選手たちを集めて戦うのが上手な人もいれば、控えだった選手たちを叩き上げて強くするのが上手な人もいる。

そういう意味で、”環境”って選手育成には大事だなと思う。選手を育てるのは、一人ではない。グラウンドとか学校とか、物理的な環境。スタッフ・チームメイト・まわりの父兄。重層的に、多角的に、あらゆるものが絡み合って、人は育っていく。歳食えば食うほど、”感謝”の意味がわかる。


今年も色んな人にお世話になったなぁ、と思う年の瀬。支えられて、育てられた、そんなことを思いました。今年もあと2日です。






2018年12月28日金曜日

Driveline baseballのブログ記事(ウエイテッドボール・プルダウンなど)をまとめてみた



Driveline baseballには、ブログがあります。大変優良な記事がたくさん掲載されており、私もゴソゴソ読み漁りました。全部読むことができたわけではありませんが、ある程度読み、役に立つであろう記事を勝手に抜粋しました。


Driveline baseballの中核は速度開発です。
レザーウエイテッドボールを投球し速度を高めること
プルダウン(助走投げ)を行い出力を高めること
プライオボールで腕をケアすること


この3つがキモです。もちろんそれ以外も沢山研究されている場所ですが、それらに関係し、なおかつ比較的容易に役立つようなものを選びました。独断と偏見と思いつきなので、「あんないいが記事入ってないよ!」と教えていただければ後ほど追加しますので、教えてください。


2018年12月27日木曜日

冬季練習と人数が多いチーム


Webミーティング


武田高校はWebミーティングを実施しているようです。今回の記事では、冬季練習に関する内容が公開されています。

以下引用

>冬休みの練習はフレックスタイムの導入やガッツリ1時間~2時間の睡眠タイムを
設けながらメリハリをつけ、全体練習は15時~16時ごろには必ず終了するようにしています。

朝から晩までぶっ通しで練習ではなく、
上手く休養を入れながらフレッシュな状態で練習を継続させる方法はないのか
常に考えています。


引用終了


各地で見られる冬季練習は「休養」「フレッシュ」といった言葉からかけ離れ、「徹底的に」「基礎」「追い込み」などの言葉が濫用しているように思います(現に私達のチームもそうです)。その点に関しても「フレッシュ」という言葉出てくるのは、驚きではないでしょうか?そこも私が驚いたところですが、別の観点から、高校野球の弊害を取り除く示唆を得ました。


♢高校野球は人数バランスがおかしい
ひとつ思うのは、高校野球は各校の人数比率がたいへんなことになっています。100名を超えるチームから、10人に満たないチームもあります。各高校人数集めに苦労されていることも、練習試合でよく話題になります。この人数バランスは、果たして最適化された結果なのでしょうか?投球制限をかけるまえに、入部制限を考えてもいいのではないか?そんなことを思いました。


♢人数が多いと下手になる
高校野球の問題点はこの「人数の多さ」で、施設のキャパシティとのバランスがいない現状があります。グラウンド1つに対して100名がおり、シートノックでは長蛇の列。ノックにも入らない選手は、球拾いもしくはランニング。先輩たちが抜けてようやく、少し練習ができるようになる。これって、上手になりますかね?野球人口も増えますか?高校野球の未来はありますか?という疑問を抱かざるを得ないわけです。

♢フレックスタイム
フレックスタイム:始業時間・就業時間を自分で自由に決めることができる働き方

もともとはビジネス用語ですね。社員のライフスタイルや価値観に合わせて、色んな形で働くことができます。お子さんがいるのであれば早く出社して、3・4時には帰りたいですよね。通勤ラッシュを避けたいのであれば、10時11時に出社すれば通勤ストレスを軽減することができます。


このフレックスタイム制、武田高校ではどのように使われているかわかりません。しかし、人数が多いところであれば、練習量の確保と選手の状態を良くすることにつながるはずです。

実は本校は大所帯でして、3学年で100名を超える部員がいます。もし各自が時間を少しずらして練習することができれば、短い時間でも練習量を確保することができます。フレックスを仕組みでつくるならば練習プログラムが問題になりますが、そこを乗り越えられれば、実現可能であると私は考えています。


♢ビジネスのあり方にヒントがある
いずれにせよ、高校野球はまだまだ改善の余地があります。変わらない組織であるだけに、変化の余地が残されているはずです。そしてそれに気づいている方がまだ少ない、と考えれば、先駆けてなにか結果を出すことも少し見えてくるはずです。従来のものの見方だけにとらわれず、色んな観点から、いろんな取り組みをしていきたいですね。

2018年12月24日月曜日

怪我に対する対応や予防をすること



武田高校   DLガイドライン
チーム・トレーナー・ドクター(3名)で対処


参考になることだらけです。


♢専門家を介在させる
我々が怪我の状態を見ても、正直わからないことも多いです。外傷であればある程度判断はつくかもしれませんが、肘・肩・腰の痛みなどは目視ではわかりません。また、普通に練習できているように見えても、他の部位で補っている可能性があります。普通に練習しているように見えても、パフォーマンスが低下していたり、動きが悪くなってきているはずです。筋肉の異常なのか、骨や腱の異常なのかは、本当に我々ではわかりません。なので、大きい病院で(できればスポーツに理解のある病院)、レントゲン等まで撮ってもらう必要があります。


♢怪我はつきもの、だけど・・・・。
そもそも「スポーツ自体が身体の偏りを生み出す」ものです。同じスポーツをやり続けることは、自ら障害発生を進めているのと同じだと考えたほうがよいと思います。日常の動作で何千回も横に回転することはないと考えれば、人間の身体構造上、使えば使うほど炎症や障害を発生しやすいです。

♢なんで野球っていっぱい投げるの?
やり投げの選手に「一日の練習でやりは何スローぐらいやるんですか?」と聞いたところ「時期によるけど、野球ほど何百回も絶対投げないですよ」と言われました。どうやら10回ほどしか投げない日も少なくないみたいです。投げれば投げるほど、バットを振れば振るほど、障害のリスクは高まります。だから、いかにその数を少なくしてパフォーマンスを高めるか、が今後の鍵だと思っています。


♢指導者とトレーナー・医者
「〇〇が痛い」という選手は、スタッフに申告をさせますよね。僕も相談を受けることがしばしばあるので話を聞きます。たいていは「医者に見てもらいなさい」「レントゲンを撮ってもらいなさい」という話になります。そこから治療してもらい、リハビリしながら現場復帰を図ります。ただ最近思うのは、我々スタッフとトレーナーや医者との相互理解の不足です。やはり現場指導者は、ある程度怪我に対する理解を持っている必要があります。そうでないと、選手がグラウンド等でリハビリをしている最中に、再発の恐れがある動作をしてしまうこともあるからです。または、見かけの動きで判断して、強度の高い練習をさせてしまう場合もあります。何にせよ、選手の体を守るというのは、簡単なことではないということです。

2018年12月22日土曜日

動くことと、工夫すること


ブログもTwitterもしばらく距離ができてしまっていました。改めてエンジンかけ直していかないと、春まで時間がないという事実に気づいたからです。そのために仕込みをやっていました。


ここでいう春とは、練習試合解禁までの日数です。3月上旬には解禁されますので、なんだかんだ言っても80日ほどしかありません。年が明けて70日程度。そこから練習できる時間、直接観察できる時間、話ができる時間・・・・。実際自分が動いていける時間は、圧倒的に少ないようです。春までに140キロを投げられる投手を複数育成したい、と考えたときにはあまりにも時間が足りません。



♢自走&時短
とりあえず今できる手は、「やり方をみんなに公開しちゃう大作戦」でした。個別にアプローチをしていたのですが、いちいち説明するのは時間があってもあっても足りません。なので、簡単にまとめたもとをグラウンドに掲示しておくことにしました。主にはストレッチやトレーニング方法や食事についてですが、現在で40枚ぐらい貼ってあります。いちいち僕が教えなくてもいいのと、選手もきっと忘れてしまうので、それを思いだすことができます。アプローチはひとつだけではなく、あらゆる角度から取り組まねばなりません。


♢状態変化を起こす
結局は「知らない」「できない」「続かない」というのが、結果がでない原因になります。だから、これが反対になればいいわけですよね。

「知らない」から「知っている」
「できない」から「できる」
「続かない」から「続く」


「知らない」は掲示しているものを見れば「知っている」状態になります。
「できない」はやり方を見てやってみれば、方法が図で示してあるので「できる」になります。
「続かない」は、ここだけは管理する必要があると思います。我々スタッフが、数値でもなんでも確認しにいけばよいわけです。定期検診を行えばよいわけです。「あれやってるよね?」と声をかけるのです。そこが一番の役割かと思います。

♢重要なところに資源を落とす
投手の頭数を増やし、用具を揃え、トレーニング環境を整備し、情報を提供し、プロセスを私がある程度管理しています。掲示してある程度自走するようになれば、ゆとりをもって投手陣を観察することができ、なおかつまた新しいことに取り組むことができます。これまで時間を取られていた「教える」ということを時間短縮することで、大幅に動きにゆとりが生まれました。自分でやってみて、これはとりあえず今日まではうまくいっていると思っています。まだまだやらなければならないことがたくさんあるので、一つひとつ進んでいこうと思います。

2018年12月15日土曜日

理想に近づけない、というコーチング




COMPARING COACHING PHILOSOPHIES

こちらの記事では、コーチング哲学について比較をしています。


♢「〇〇のように投げてほしい!」というコーチング
従来のコーチング方法では、トップアスリートの動作を解析し、ポイントを抽出し、ポイントを抽出してドリル化します。コーチはドリル化を徹底させ、完璧に模倣させるのです。

例えば、例えば「キンブレル投手のブロッキングを覚えよう!」として、何かしらそのドリルを考案します。そしてその形が正確に再現されるまで、そのドリルを続けていきます。その後、そのブロッキング動作が実現されていく、ということになります。

一見この方法に問題点はないように思いますが、「見落としている部分」がある可能性があります。ポイントを限定して改善を図っているわけですから、他に数多くあった問題点を見落としている可能性があります。

ブロッキング動作であれば、問題は軸足にある場合があります。または、そもそもそれ以外の問題の場合もあります。コーチは、「ここが問題だ!」と決定をしたことによって、根本的な改善がなされずにそのまま練習を続けてしまいます。これは大きな損失です。私も「ドリル化」はよく使いますが、実は大変危険なことだったのかもしれません。


♢理想に近づけないコーチング
Drivelineでは、単一のコーチだけが指導するわけではありません。動作解析をしたり、理学療法士が動作を見たりと、複数の人間が関わって指導をしています。「理想に近づけない」というのはやや語弊がありますが、その投手の育成をあらゆる視点から考える必要がある、ということですね。


本当の問題点はどこにあるのか、それを体系的に考えていくことが重要です。投手の悩みというのは「球速がでない」「コントロールが悪い」「肩肘が痛む」に、大方収束します。これらの問題は、「メカニズム」「可動域」「筋肉量」「フィジカル」「柔軟性」「疲労」などなど、あらゆる角度から検討することができます。したがって、複数の眼があるのであれば、あらゆる角度から検討していき、問題点を限定しすぎないで考えることが重要なようです。

♢「真実はいつもひとつ!」ではないかもしれない
理想をいえば数値化映像化したりして、現状を把握したいところです。筋電図・動作解析・球速・回転数・回転軸・ストレス・投球分布図など、測定できるものはやまほどあります。現状を把握し、以前のデータと比較して、なぜそうなっているのかを考えるべきです。揃えられるものには限りがあるので、簡易スピードガンと私の知識と経験に頼らざるを得ないところがあります。が、現状はこれが限界です。


何年も少しずつ時間をかけて、投手も成果が出るようになりました。特にここ1年に関しては、観察する時間が圧倒的に増えています。それは投球メカニズムもそうですし、トレーニングのやり方・日常の姿勢(体の姿勢)などを見るようになりました。色んなアプローチを体系的に仕掛けていくようになりました。以前よりも、メカニズムにこだわらなくなってきた側面も強いです。


「メカニズムを仕込んでいく」というよりも、「原理原則から外れていないか」が重要だと思います結局は「並進運動から回転運動」で「運動連鎖」が起こります。そこから大きくハズレなければよし、そして出力を大きくしながら、バランスを整えていきます。スピードが出ないのは、メカニズムの前にそもそもの筋肉量が足りないかもしれません。コントロールは柔軟性の問題かもしれませんし、リリースの感覚かもしれません。体系的にアプローチをかけ、細部を個別的に考えて、その当人の可能性を最大化させていく方法がよいのだと思っています。

2018年12月14日金曜日

アウトプットの(出力)の仕方




アウトプット:内部に入っているものを外に出すこと。特に、コンピューターのデータを外部に取り出すこと。出力。産出量・産出。(コトバンクより)

自分で得た知識(インプット)を、成果物として出すことがアウトプットです。私のタイムラインでは熱心な方が多いため、「〇〇したらちゃんとアウトプット!」みたいなことをお見受けします。もちろん私もこうして、ブログやTwitterなどを利用してアウトプットしています。そうすることで情報が整理されたり、必要な形に最適化されていくからです。このアウトプット、やり方はそれぞれだと思うのですが、やり方を考えてみます。


♢文字にして書き起こす
メモする・日記を書く・ブログを書く・Twitterでつぶやく・論文を書く・質問箱を利用する
ライングループで議論する・マニュアルをつくる

♢人に話す(教える)
教える・人に情報を伝える・講演をする・講義や授業をする・ツイキャスする

♢映像にして残す
映像としてyoutubeやインスタにアップする・動画編集をする


実際私が映像にして残したりはしないので心当たりがありませんが、おおよそこのどれかに当てはまるような気がします。結局は文字にするか、言葉(音声)にするか、映像にするか、の3つと考えました。

実際ブログもしばらく続けており、昔細々とエッセイ的なものを書いていた時期もありますが、「よしブログを書こう!」と思っても、そんなにすぐは書けないんですよね。アウトプットすることが大事だとわかっていても、それを精査して膨らませていく過程が必要です。


♢小さなアウトプットの先に、大きなアウトプット
「アイデア」というと大げさですが、実際ブログを書くまでにはいくつかのプロセスがあります。

メモ(一言)→(Tweet)→もう少し長めのメモ→ブログ

小さなアイデアやまとめたいことから、少しつぶやいたりなんだりして、そこから粗方文章に起こしてみます。そこから改めて考えながらタイプしていく、なんてことをやってます。その間にいろいろ本やHPを引用してみたりして、ブログという形で完結させていきます。大きいアウトプットするためには、小さいアウトプットを繰り返すとよいのかもしれません。

♢結局行動しなきゃね
結局いちばん大事なのは、その検証作業であったり、長めのメモを書く工程です。参考文献を確認したり、実際にグラウンドで試してみたり、論文を探したりします。良質なアウトプット・成果物のためには、圧倒量の行動が必要なのでしょう。「DO&DO&DO」ぐらいでは足りないかもしれません。「DO&DO&DO&・・・・・」と、成果物のためには色んな検証作業が必要です。


体感しないとわからない部分もあるので、五感を通す・経験する・体験する必要があります。または、なにかの検証作業が数ヶ月に渡って実施される場合もあります。実は今日から取り組んでみたことがあるので、それがどうなっていくかは気になりますが、それもしばらく検証が必要です。


アウトプットを良質なものにしていくには、より自分で行動し、手足を動かしていくことが大事なように思います。

めちゃくちゃ動いてます。

2018年12月11日火曜日

人は関係性のなかで生きている




「自立とは依存先を増やすこと」
とあることから、この熊谷さんの言葉を知りました。教育に関わるにあたっての、私のテーマである「自立」。そのキーワードが出てきたので、おもわず食いついてしまいました。

「自立」と「依存」は反対の言葉であるように思いますが、実はそうではないんですね。熊谷さんはいわゆる障害者であります。


引用:東日本大震災のとき、私は職場である5階の研究室から逃げ遅れてしまいました。なぜかというと簡単で、エレベーターが止まってしまったからです。そのとき、逃げるということを可能にする“依存先”が、自分には少なかったことを知りました。エレベーターが止まっても、他の人は階段やはしごで逃げられます。5階から逃げるという行為に対して三つも依存先があります。ところが私にはエレベーターしかなかった。
 これが障害の本質だと思うんです。つまり、“障害者”というのは、「依存先が限られてしまっている人たち」のこと。健常者は何にも頼らずに自立していて、障害者はいろいろなものに頼らないと生きていけない人だと勘違いされている。けれども真実は逆で、健常者はさまざまなものに依存できていて、障害者は限られたものにしか依存できていない。依存先を増やして、一つひとつへの依存度を浅くすると、何にも依存してないかのように錯覚できます。“健常者である”というのはまさにそういうことなのです。

端的にこれは階段やエレベーターといったツール面での話ではなく、「たくさんの人やものに助けてもらうこと=依存すること」という訓話です。我々が普通に生活できているのは、多くの人に依存(支えて)もらっているからですよね。障害者の方々は、依存先が限定されてしまう。苦しい生き方になってしまうのは、依存先が少ないから。



引用:実は膨大なものに依存しているのに、「私は何にも依存していない」と感じられる状態こそが、“自立”といわれる状態なのだろうと思います。だから、自立を目指すなら、むしろ依存先を増やさないといけない。



♢学校という閉鎖的なコミュニティ
高校生にとっての依存先は、学校・クラス・クラブ・友達etc・・・。もっとあると思います。学校は朝から夕方まで机に座らせ、基礎学力の向上ために授業を受けます。その後クラブをし、帰宅をすることでしょう。夜にはご飯を食べて、少し宿題や予習をして、友達とラインをして寝る。クラブや友達とのラインは、コミュニティです。もちろんそれぞれ大事な要素です。そのなかで「自立」を考えたときに、新しいコミュニティや外に出ることをもっと増やしてもいいのではないか?と思いました。


♢自立するとは、大人になること。
歳を追うごとに、職場以外のコミュニティが生まれるようになりました。その本来関係のない人と会ったり、異分野の人の集まりに行ったりする機会があります。そうして、依存度合いが分散されていくような感覚があります。否が応でも分散されます。「家庭」「仕事」「友人」「趣味」などと、別れていくのだと思います。

では高校生であっても、こうした新しいコミュニティを持っていいのではないか?なにか新しい関係性をつくることはできないのだろうか?特定のなにかに集中せず、定期的に外へ出ていったほうがよいのではないか?私が掲げる「自立」は、どうもこの当たりにヒントがあるように思います。

そう考えると、結局ここにつながってきてしまうわけです。
http://takeda-baseball.blogspot.com/2018/12/forward72.html



2018年12月10日月曜日

ピッチャー動画置き場






 https://twitter.com/baseballfreak_9/status/1072276289766088704
https://twitter.com/baseballfreak_9/status/1072646964406292480
https://twitter.comhttps://twitter.com/baseballfreak_9/status/1070056337181093888
https://twitter.com/baseballfreak_9/status/1070056338661625856
https://twitter.com/baseballfreak_9/status/1070056334949662720

2018年12月9日日曜日

カウンタースイング動画置場











https://www.youtube.com/watch?v=86nQxEnllS4




https://twitter.com/baseballfreak_9/status/1073705320973721600

自分が進む道





昨日はTwitterランドの方々とのオフ会でした。色んな方とお話をさせて頂いて、勉強になることばかりで、充実した時間を過ごすことができました。また、「ブログ読んでます」と言われることもあり、ありがたいことだと感じました。


私は2回目の参加ですが、今回のオフ会で感じたことは、「自分の進むべき道のりは間違ってなかった」ということです。私の目指す方向に向けて、私は大きく外れることなく進んでいるようで、安心した部分が大いにありました。色んな方とお話することで、他の方々が進まれている道を知り、暗中模索だった日々から少し手応えを感じるのです。


きっとこのブログを読んでくださる方々は、通ずる部分があるはずです。野球という競技に対して、日本球界に対して、「これはどうなのだろう?」と思いがあるからこそ、私のブログを読むことになったはずなのです。そういう意味で、我々は同志なのだと思います。

我々が進むべき道は、道なき道です。従来の道から逸れた、茨の道です。実際に先頭を走られている某高校や、他にも先進的な取り組みを現場で行われているチームらは、日々模索、日々アップデートなのだと思います。私でさえ日々模索しているのだから、もっと先を走られている方々は、もっともっと模索されていることと思います。


♢飛び込む勇気が必要だ??
そう考えると、茨の道であっても「エイヤっ!」といく勇気が必要なのだと思います。ふと、今書いていて思ったのですが、その勇気ももちろん必要ですが、常に動いている方はその感覚がきっと麻痺しているのだと思います。「飛び込むのが当たり前」になれば、「飛び込む勇気」はいらないですよね。「茨の道をいつも歩く」人であれば「茨の道を歩く勇気」はいらないのだと思います。

♢ファーストペンギン
weblio辞書より引用:
「ファーストペンギン」とは、集団行動するペンギン群れの中から、天敵がいるかもしれない海へ求めて最初に飛びこむ1羽のペンギンのこと。転じて、その“勇敢なペンギン”のように、リスク恐れ初めてのことに挑戦するベンチャー精神持ち主を、米国では敬意込めて「ファーストペンギン」と呼びます。日本でも、NHK朝の連続ドラマでそのエピソード紹介され、広く一般に知られるようになりました。


ファーストペンギンになる人は、いつも最初に海に飛び込んでいるから、それが当たり前になっているのです。ある分野でファーストペンギンかと思いきや、きっともっともっと沢山のことに飛び込んでいるはずなのです。動くのが当たり前、行動するのが当たり前、飛び込むのが当たり前。そうならなければならないな、と思いました。


♢突き詰めて、突き破る
なんにしてもそうですが、かじっただけでは何者にもなれません。他者から見て、たぶん僕は「Drivelineに少し詳しい人」「ピッチングに少し詳しい人」なんですね。自分が目指しているところ思えば、そんなことに意味はないです。突き詰めて、突き詰めて、何度も何度も詰めるんです。そしてそれを破らないといけないのです。僕は勉強して、勉強して、そこから自分の型をつくらないといけないのです。日本風に言えば「守・破・離」とでもいうのでしょうか。まずは教えを守り、そこを破り、そこから離れていく。そこまでならないといけません。僕はまだまだ、語るに足らず。

♢もっと動けよ
簡単にいえば、動こうとおもったら勉強します。勉強しないのは、動いていないからです。何かをやりはじめないと、学ぶことはありません。動いて、動いて、それと一緒に学びがくっついてきます。いつだってそうです。

2018年12月2日日曜日

Forwardするために



私が心の底から尊敬し、真似ても真似しつくせない、素晴らしい高校があります。綿密に構成されたその育成方法は、他校の追随を許しません。私がすごいと思っているのは、構成された育成観と、そこに至るまでの膨大な検証の数です。一過性でなく、時流に乗っかっているだけでもありません。確かに検証されたものを、ひとつずつ重ね、綿密に育成システムとして構成しています。そしてその検証や取り組むスピードが、尋常でない速さで取り組んでおられます。そしてその検証も、他校では行わないレベルで行っています。


♢イノベーター・アーリーアダプターであること
・情報が流通したときに、どれけ情報をはやくキャッチできるか
・それを咀嚼し、高いレベルで実践できるようになるか

ここの2点が重要になります。いかにはやく情報をキャッチし、それをいち早くよいものに変えて行かなければなりません。ではその「早く情報をキャッチする人」はどんな人なのか?と調べて見ると「イノベーター理論」にたどり着きました。



本文から引用:
  1. イノベーター(Innovators:革新者):
    冒険心にあふれ、新しいものを進んで採用する人。市場全体の2.5%。
  2. アーリーアダプター(Early Adopters:初期採用層):
    流行に敏感で、情報収集を自ら行い、判断する人。他の消費層への影響力が大きく、オピニオンリーダーとも呼ばれる。市場全体の13.5%。
だそうです。そう考えると、「レッドオーシャン(血で血を洗う戦い)」で戦うのではなく
「ブルーオーシン(誰もまだ飛び込んでいない海域」で戦うためには、イノベーターもしくはアーリーアダプターになることで、
有意差を発揮することができるわけです。
そう考えると、イノベーター・アーリーアダプターになり、かつ高いレベルで実践できれば、高
校野球というスカウティング偏重主義の寡占状態から脱し、新たな観点で勝負できるはず、
と考えることができるわけです。



♢情報を認識するにも知識が必要である
私はそのイノベーター・アーリーアダプターになるべく日々学びを得ているわけですが、情報を         
集める際にも、知識(学問的素養)が必要なのだと痛感しています。そもそも早く情報を知ろう
と思ったら、世界中から情報を集める必要があります。なので、英語学習や基礎的な英語の知識
は、あったほうがよいのだと思います。少年野球BLOGでも指摘されています。

また、そこで求められるのが「学問的素養」です。野球においてはとくに「物理学」「解剖学」
「生理学」「栄養学」といった学問の知識があるかどうかで、情報を収集レベルが変わると感じ
ています(もっとありますけどね)。

以下の図は簡単なモデルですが、「学問基盤の下にスポーツがあり、そのなかに野球がある」と
考えておくほうが、良さそうだと思うのです。「野球は学問に包み込まれている」との観点で
す。実際は、科学でも明らかになっていないことも多いですが、学問がベースとなってスポーツ
に応用され、それが野球に限定して活用している側面が多いわけです。




ある種学問が「フィルター」となってくれて、情報の取捨選択をしてくれる役割をになってくれます。イノベーター・アーリーアダ
プターは、情報の良し悪しを判断するのは自分です。自分で意志決定をするためには、自らの知識が必要になってくるでしょう。

2018年12月1日土曜日

HRはねらわなきゃ打てない

今年の3月~11月までHR数を勝手に集計していました。某チームは年間3桁を超えるそうですが、「わがチームは如何に?」と思って計測してみました。


結果:9ヶ月で46本(週に1本程度)


悔しいですがは、これが現実ですね。


個人的な取り組みとしておこなったことは
●カウンタースイングの導入
●メカニズム改善
この2つです。

手が空いているときは打者の観察をし、個々にアドバイスを送ります。ティー打撃などではドリルを教えたり、ポイントを見せます。カウンタースイングを教える時間があるときは、教えています。

チームとしてはオンシーズンでは毎日バッティングをしています。毎日です。しかしなぜ某チームはあれほどまでにHRが飛び出し、本校ではHRが出ないのでしょうか?実際数日間某チームに行くことができたときの印象や、取り組みを伺って考えてみます。


♢体作りに対する取り組みの違い
単純なプロテイン摂取量も全く違いますが、それ以上に食事全般の取り組み方が違いました。コーラはじめ炭酸飲料を飲んでいる選手も、本校にはたくさんおります。トレーニングや身体操作に対しても、全く異なります。ハードな追い込みが個々人でできているのが、某チームでした。日々身体操作とトレーニング、その下地にある食事や栄養面。この取り組み方は同じ高校野球とは思えませんでした。

♢HRを狙って打っている
某チームのベンチからは「かち上げろよ!」とか「一発かませ!」などの声が飛び交っていたことを記憶しています。本校は「ライナーを打て!」「フライアウトなし!」「HRいらない」などの声が飛び交います。チームの方針が、根本的なチームのあり方に大きく影響しています。データ上、ライナー自体は全く問題ありません。ただそこに「遠くへ飛ばそう」というチームとしての取り組みがあるかどうか、だと思います。

♢練習プログラムも違う
そうなると、どんな練習をするかが変わってきます。打撃自体を細分化して、ドリルや道具でメカニズムを習得したり、置きティーなども使われております。完全にダメではないと思いますが、サイドトスのティーバッティングの弊害や、マシンの使用による弊害などもあると思います。本校でもいくつかの取り組みがありますが、全体として某チームとの差は大きいと感じます。



「まず飛ばそうよ!!!」と声を大にして言いたいのです!!!
遠くへ飛ばなかったら、野球がはじまりません。スカウティング偏重主義の高校野球なのだから、まだまだチャンスがあるはずです。またもう1年、いろいろ取り組んでみます。

2018年11月30日金曜日

自由と不自由



チーム運営について考えてみたり、実際に自分が監督やったりしてみることで、改めてコーチの重要性であったりスタッフの充実度が大切であることを感じました。そう考えると、監督は本当に自由で、自分の裁量次第でチームの方向性を決めることができます。

その一方で、コーチは監督の方針にしたがってやるしかいない、というところです。もちろん「したがってやるしかない」というモチベーションなんぞで私は動いていませんが、実際の関係性では「監督の意向に従う」ことはマストであります。それなくして、チームは成立しません。


♢監督によってぜんぜん違う
実際コーチとして8年やらせてもらって、現在9年目です。単純計算で入学~卒業のサイクルを3回目、ってところです。最初は右も左もわからず、「コーチって何をすればいいんだ?」という疑問だらけでした。そして先輩コーチに指導をしていただき、何度も当時の監督からも指導をしていただきました。

私自身は指導したチームが現在で3チームです。リトルリーグ・シニア・高校、と小さい子どもからほぼ大人、というところまで関わってきました。その間に監督が変わったりなんだりで、5人以上の監督さんの下で指導をさせてもらっています。そこで一番思うのが、「監督の求めるチーム像を実現させること」です。

「いいか、野球ってのはな・・・」と理論を懇切丁寧に教えてくださった方もおりました。「俺が監督で、俺がNOだったらNOなんだ!」という方もおりました(案の定衝突しましたが)。「自由にやってよ!どんどん教えてよ!」と言ってくださる方もおりました。それぞれたくさん学ぶことがあり、考えさせられることばかりでした。

そのなかで「自由にやってよ!」という方。この方の下でコーチをするのが一番やりやすかったです。「でもね、ここだけはちゃんとできるようにしておいて!」っていつも言われてました。なんといいますか、自由主義のなかにある最低限の法律とでもいいましょうか。必ず守らなければならないラインがありました。


♢コーチはある程度不自由なものである
自由に教えているときはそれほど思いませんでしたが、経験を積む毎に色んなことを考えるようになりました。「きっとこうしたらいいのにな」とか「ここがこうなら、もっとうまくやれるのにな」とか。もちろん提言はしますし、それが受理されない場合もあります。監督と大きく逸れてしまえば、一番は選手が困ります。なので、監督が願う形の育成をしなければならないわけです。そういう意味で、コーチはある程度不自由なわけです。


♢コーチはある程度自由である
しかしその一方で、コーチは勝ち負けを気にする必要がありません。実際の試合で勝ち負けは監督責任ですので、そこを気にする必要はないわけです。その意味で、一人ひとりに向き合うことができます。そういう意味では自由です。だから試合以上に気になるのは、試合のなかで選手たちがきちんと力を発揮できたかどうか、です。勝ち負けよりもプロセスが気になります。ヒットを打った事実よりも、どんな経過で打ったのかが気になります。無失点だったときでも、メカニズムと実際のボールと打者の力量が気になります。

♢監督を理解し、選手を理解し、チームを強くするか
したがって大事なのは、自分のチームの監督を理解することです。何を望み、どんなチームをつくろうとしており、どんな選手を欲しているのか。その材料を揃えるのがコーチの役割です。そこで選手の特性を生かして、よいところを育成し、監督に選んでもらうわけです。そこで監督が「違う」と言えば違うのです。こちらも説明はしますが、監督に合う合わないは正直あります。人間ですからね。


♢育成するのか、監督の理想に近づけるか
最善の育成方法を考えていると、現行のやり方ではうまくいかないこともあります。コーチは「育ってほしい!」ですし、監督は「勝ちたい!」なので、ある種矛盾が生じるんですね。そうなると、どこかで折り合いをつけなければなりません。その折り合いはどこでつけるのか?難しいポイントです。監督の世界観に貢献する必要はありますが、本質を見失ってはいけないのです。ここが難しいので、「ちょっと違うんじゃないかな・・・」と思うときもありますし、自分が判断を誤る場合もありました。ここはセルフコーチングのなかで養っていきたい部分でもあります。

2018年11月25日日曜日

監督としてやってみたこと





あまりやる機会は多くないのですが、1年生大会(リーグ戦)で2試合監督をやりました。うちのチームでは学年担当がいるわけではないので、1年生大会は他のスタッフとで順繰りで監督をしています。僕は17試合中、3試合しか采配していません。普段はピッチャー見たいのと、細やかなフォローをしたいのでベンチとブルペンを行ったり来たりしてます。今日は久々に監督をやったので、今日やってみたことと思ったことを書いておこうと思います。


♢ボールを打たずにストライクを打つ
これは勝つための真理だと思っています。シンプルなんですが、これができると強いです。データは後ほど探します。「打たないボールを決めよう」と声をかけて、目付けの位置を確認しました。投手の傾向からボールになるゾーンを分析し、そこ以外で目付けをしていきました。結果目付けしていないところで2ストライクになってもOKにしました。具体的な作戦面での取り組みは、実はこれぐらいです。

♢自走する状態をつくる
自走とは、勝手に選手たちが進んでいく状態です。監督が手をくださずとも指示を出したり、声掛けができる状態にすることです。「どうする?」と投げかけたり、促しをしつつ試合をしました。元々元気があるのですが、意識して積極性のある声を肯定してました。そうなると、勝手に対策し始めたり、ミスした選手にフォローしたりしていました。

♢役割を明確にする
交代を事前に伝えました。投手のリリーフも、代打も、守備交代も事前に伝え準備をしてもらいました。準備していれば結果が出る、ということを感じてほしいんですよね。




意識的に行っていたのは、これぐらいでしょうか。あとは気づかずなにかやっていたこともあると思います。ただやはり監督をやると、細かなフォローができません。試合に集中しなければならないので、ベンチの様子やブルペンの様子も見てはいますが、声掛け程度になってしまいます。あとは普段と違う作戦をとったりするので、サインミスが出ました。サインの意図を伝えきれないケース・理解できないケースであると、サインミスが発生します。

あとは勝負事なので、「次の一手・二手先」と「全体の展開」の両方を考えてました。ここの経験値が足りないな、とは試合通じて思ったところです。自分の展開パターンの読みが甘いので、選手交代を誤った場面があります。この経験値に関しては、何らかの手段で補填していかなければなりません。しかしまぁ、ずっと考え続けた1日だったのでかなり疲れました。結果気にせずウロウロしているのも楽しいですが、監督として野球について考えるのもすごく楽しいですね。

2018年11月23日金曜日

理由や意味を説明することが大事


理由や意味を説明することが大事



今日の練習試合の相手は、今秋大会で躍進した学校でした。昔からのいろんなご縁があるので、年に2回ほど練習試合をさせてもらっています。私より少し年齢が上の、若い監督さんです。いつも良く可愛がってもらっている方です。その監督さんとの試合後の会話が非常に印象的でした。

「今日俺静かじゃない?」と私に言いました。確かに、これまでは大きい声で指示を出したり、ベンチから怒鳴る様子がありました。それが今日はなかったのです。そうだな、と思ったので理由を伺ってみました。


「結局さ、怒鳴っても選手は怒鳴られたことしか覚えてないんだよね。だから新チームから止めたのよ、怒鳴るの。で、ちゃんと話をしようと思ってさ」


それが要因かどうかはわかりませんが、新チームは「何年ぶりの・・・」というぐらい大躍進しました。選手たちの表情が、野球に向いているのをなんとなく感じました。

♢ちゃんと説明する必要がある
これは「叱らない」ということではないと思うのです。そうではなくて、「何がダメだったのかをきちんと説明する必要がある」ということです。

『AI vs 教科書の読めない子どもたち』新井紀子

以前この本を読みました。もしかすると、「相手の言っていることを理解する」いうことは結構難しいことなのかもしれません。そうなると、全体に向けて話をしているとき、理解していない人も多いのだと仮定することができます。

だとすれば、

「かみくだいて」「はっきり」「個別に」説明することが、求められますね。我々が伝えたいことを伝えるには、「あなた」に向けて話をする必要がある。そして何が問題だったかを「明確」にし、相手に理解できるよう「簡単に」説明する。




♢「何が問題だったか」・「次にどうするべきか」
話をするときのテーマは2つで、「問題点を明確にすること」「次繰り返さないためにどうするのか」です。この2つについて話をすることで、無為に時間を過ごすことはなくなるはずです。

「失敗した→練習しよう」ももちろん大切ですが、
「失敗した→何が問題だったか?(なぜ失敗したか)→次にどうしたらいいか?→練習しよう」
が、練習までは時間がかかりますが、同じミスは繰り返さないはずです。もちろん何かアクションをすぐさま取り掛かる場合もありますが、その過程が明確でなければ練習が意味ないものになってしまいます。


♢感情的にならず説明し、かつ思いはきっちり伝える
私が説明や指導するときに心がけているのは、「感情的にならないように話をすること」「思いを伝えること」の2点です。相反するようですが、大事だと思っています。ワーッと怒ってしまうと、なんだかモヤモヤしてしまいます。うまく伝えきれないときもあるし、結局暴走して話を終わりが見えなくなってしまいます。なので、できる限り感情は排除して話をしたいのです。かつ、私が望むことやスタッフ側が望んでいる思いは伝えます。「どう思っているか」を伝えることで、私という人間を知ってもらい、本心で言っているということを感じてもらいたいのです。



とかく、叱ることは難しい。叱るとは?指導とは?説明とは?教育とは?悩みはつきません。

2018年11月20日火曜日

チーム運営そのまえに。


チーム運営そのまえに。



先日「ビジョン」の話をしました。チーム作りは「勝つ!」という目標では持続的な運営をすることができません。「勝つ、なぜなら私達は・・・・」と言われたほうが人は動きやすいようです。まずは「WHYからはじめよ」です。組織運営としては、短期的な目標達成と長期的な組織運営が求められます。「今年1年でよい成果を挙げる」こと、「持続的に発展し、よいチームであり続ける」ことです。

さまざまな目標を掲げて、「さぁ強いチームをつくろう!」と意気込みます。実際に練習をするそのまえに、良い組織であればできている事柄があります。思いつくままに考えてみます。



入り口と出口を整えておく・人数のバランス・環境を整える・役割の明確化・地域貢献



♢入り口と出口を整えておく
私が組織において大切だと思っていることは、「入り口と出口を整えておく」ことです。新しく選手が入ってきたときの受け入れ準備と、選手を送り出す出口の確保です。

チームに新しく入ってきたときには、右も左もわかりません。そのチームのルールを教えてあげる必要があります。そして、我々チームがどうやって野球に取り組み、どんな選手になってほしいのか、それらを伝える必要があります。入門編というのは、非常に骨の折れる作業です。しかし、自分たちがやっていることを改めて認識し直すことに繋がります。目的と手段が入れ替わっていないか、大きく問題を抱えている点はないか、チーム状況を認識することになります。「どのように新入生を受け入れるか」は再考の余地があると思います。

また、出口もしかりです。快く送り出してあげるということもそうですが、高校であれば進学先の保証であったり野球ができる場所を紹介することも求められます。ある意味ここが不確定だと選手はそもそも入学してこないことが増えてきました。将来を見据えて選択している選手が、近年は多いですね。快く送り出すことができれば、OBOGとして指導をしにきてくれることも多いですよね。OBOGらが頻繁にグラウンドに足を運んでくれると、現役選手たちの次のカテゴリへの意欲が湧いてきます。



♢チームに何人いれば、野球は上達するのか?
人数は関係ないのですが、少なすぎるとゲームができません。しかし多すぎると練習ができません。それぞれ問題はあるようですが、チーム内で紅白戦ができるほどの人数を確保しておくことで、実践的な練習は行えると思います。

正直、ここは現場のアイデアです。問題は人数と練習スペースの兼ね合いです。そのチームによって環境は全く違いますから、一様には言えません。環境・スタッフの数・選手の理解度によって全く異なります。

また、ポジションの兼ね合いもある程度考慮する必要がありますね。人数が少なければ複数兼任をすることは必要になります。逆に人数が多いチームではポジションの偏りが出てしまう場合もあります。近年では捕手の人数確保が難しいところですよね。負担の割に人が少ないです。私は比較的人数が多い高校で指導していますので、このバランスに気をつけています。学年30~40人ぐらい選手がいるので、学年単位で「ゲームがつくれる投手6人以上、捕手3人以上」を目標にしています。捕手は3人ですが、4人いてもいいかなと思っています。

2018年11月18日日曜日

キャッチャーの時代


とりあえず今のところ僕がグラウンドでやるべきことは、
・投手陣の育成
・打撃指導(2年生の中間層・1年生全般)
・捕手の育成(急務)


メインはこのあたりです。春までには、これらポイントを仕上げていく必要があります。とにかくグラウンドにいると時間がないので、どんどん動かないと間に合わなくなります。オフシーズンに入れば投手はそれほど投球することがなくなるので、定期的なプルダウン・トレーニングの管理・ストレッチやケアの方法を重点的に行っていく予定です。


打撃指導については、2本のカウンタースイングを駆使しながら、布教活動を進めています。「へいへいノーパワー!」とか「タンパク質が足りないよ!」という声が飛び交っているので、トレーニングに対する意欲はあるようです。スイングスピードと飛距離アップに集中的に取り組める時期でもあります。ある意味試合で打てるかどうかを気にしなくてよいので、こちらは動きやすくなります。


捕手の育成が急務です。固定捕手を置く時代ではなくなりましたが、ノウハウがあまり確立していない部分があります。リード面は試合中に話をしていました。春の練習試合解禁からは、徹底的に話をしていこうと思っています。それよりも捕手はキャッチング・ブロッキング・スローイングです。どこから取り組むかと言えばスローイングが一番時間かかるので、そこからはじめたいと思います。


もっともっとノウハウが確立していけば、私がいろんなことができるようになります。バッテリーをきちんと成立させるのは高校野球において重要なポイントです。たとえば私が他のチームで監督になったら、バッテリーをとにかく育てます。そして打者を育成します。この2つが、野球の勝敗にかなり関係してくるからです。投手と捕手の育成ノウハウ・打者育成ノウハウを自分が持っていれば、どのチームでも指導者として飯が食えるはずです。

強豪校間の投手力の差は、年々小さくなっていると思います。そうなったときに、差がでるのは捕手の力です。圧倒的なスローイング・ブロック能力・キャッチング。この3つだけで大きな差がつきます。とにかくそのノウハウを早く確立すること、これが私の任務です。

2018年11月15日木曜日

プルダウンと計測について


プルダウンと計測について

プルダウンとはいかなるものか?
グラウンドにいるときは、たいてい計測しています。ブルペンに投手がいれば計測をし、練習試合でも大概は計測をしています。スピードを意識させ、他人との違いを明確にしています。投手陣の動向をいつも観察しています。

8月の下旬ごろから「プルダウン(助走投げ)」を投球練習前にはやるよう指示を出しました。プルダウンの計測も行うことで、スピードを意識させています。


その後も計測と観察を続けているのですが、律儀に投球練習前にプルダウンを行う選手と、普段どおり入る選手がいます。私がいるときは「助走投げやってからだぞ」と言っています。毎度声をかけられるわけではないのですが、個々人の性格が現れているようです。計測を続けて5ヶ月以上経っていますが、一定の変化が現れました。これまでの数年間では見られなかった変化です。


・投手陣(16名)の全体的な球速アップ
・ブルペンでプルダウンを必ず行う投手の球速アップ幅が大きい


♢嫌でも球速を意識せざるを得ない
頻繁に計測していますし、ブルペンでは数字を読み上げています。露骨にスピードを言われるので、意識せざるを得ません。成長の度合いは露骨にわかりますし、評価基準も試合結果だけではなく、「スピード」があります。単純に調子が悪いのかどうかも、スピードに露骨に現れます。選手もそうですし、私も変化を感じやすくなりました。


♢プルダウンで球速アップ?
計測することによって、個々人の平均球速は高まりました。プルダウンは出力を大きくする練習ですから、逆に出力を下げる感覚も掴めているのかもしれません。そのため、出力を下げて制球するのでフォアボールが減り、ピンチでは出力を上げることができます。


ブルペンを観察していて、プルダウンを必ず行う2人の投手がおります。他の投手はやったりやらなかったりなのですが、その2人だけは必ず行っています。なんと6月の計測から、約10キロの球速アップに成功しています(プルダウンをはじめたのは8月下旬から)。
※補足ですがドライブラインが行う重たいボールを投げる、などは諸事情につきできていません。これは諸事情につき、です。やりたいのは山々です。

A投手は6月の時点で119キロ→11月半ばに132キロ
B投手は6月の時点で115キロ→11月半ばに126キロ

さすがに私も驚きました。他にも5キロのアップに成功した投手も複数名おります。


もちろん高校生なので、体が発達する時期ではあります。厳密に「プルダウンの成果」とは言い切れません。筋肉の発達や体の成長によるものでもありますし、計測することで意識が高まり、トレーニングを行っていたのかもしれません。もちろんトレーニング・ケア・柔軟性に関する指示もある程度出していますが。プルダウンの効果はとても大きいと感じています。


ただ、まだまだここからです。球速アップにはリスクが伴います。ストレッチ・可動域の確保・柔軟性の獲得・ケアの方法などやることはたくさんあります。やらなければならないことや教えなければならないことが沢山あるので、まだまだ私も学びます。そして多少球速は速くなりましたが、伸び悩んでいる投手もたくさんおります。我がチームの投手陣は、皆成長の芽があります。私はその芽を摘まず、全員が今より球速アップを願っています。全員がさらにパワフルな投手になってほしいので、そのためのサポートをしたいと思います。

2018年11月14日水曜日

「全国大会へ行こう!」だけでは難しいので。


「全国大会へ行こう!」だけでは難しいので。

「ビジョン・ミッション・バリュー」

 組織を形成していくときに、企業では「ビジョン・ミッション・バリュー」という3つを定義するようです。世の中では多様な考えがありますが、これを定義するからこそ、自分たちがどんな行動をするのかが明確になります。むしろこの定義がなければ、行動に迷いが生じます。組織のスタートアップの段階で明確にし、会社が、組織が、社員がどんな行動をするべきなのかが明らかになります。

 ●ビジョンとは「将来の見通し」ということです。どんな将来を形成したいか、ということです
例:KIRINグループ 
「日本をいちばん元気にする、飲料のリーディングカンパニーになる」

 ●ミッションとは「使命」や「存在意義」です。ビジョンの達成のためにどんな行動をするのか?ということです。
例:KIRINグループ 
「新しい飲料文化をお客様と共に創り、もっと元気と潤いをひろげていく」

 
 ●バリューとは価値基準のことです。社員の行動指針でもあり、共通の価値観です。
例:KIRINグループ 
「お客様にとって新しい価値」「お客さまの安全・安心、おいしさへのこだわり」「お客様・パートナー・地域とのWin-Win」「熱意と誠意」


♢「全国大会へ行こう!」だけでは難しい
小難しい話はさておき、これらを野球に置き換えてみます。「目標設定」と勘違いされてしまう場合があるかもしれないのですが、それらとはまた少し別の話です。目標設定をすると、「〇〇高校に勝つ!」とか「〇〇大会ベスト8!」とかそういったことが掲げられます。

しかし、「なぜベスト8に入ることが大切なのか?」「なぜ勝つことが大切なのか?」これらの問いを投げかけられると、困ってしまいそうです。実際に意味があるのは、「目標達成する力」や「ベスト8に入るまでの努力の過程」であって、「ベスト8に入ると何かが変わる」わけではないですよね。

プロ球団などは「勝つことで地域を盛り上げたい」「ファンに喜んでもらいたい」などの行動指針があります。つまり「勝つ=勝つ」ではなく、「勝つ=地域が盛り上がる」という、本来のスポーツの目的以上のものになるわけです。

♢「自分たちの行動が、大きなものにつながっている」という感覚
今夏の金足農業高校の活躍は、秋田県の活性化に繋がりました(応援やセールなどの経済効果はもちろんあり)。「勝って秋田を盛り上げたい」などの言葉があったように、高校野球が地域貢献につながっているわけです。

「自分たちが行動することで、こんな社会になる」というのがまさにビジョンです。そうなると、1回のスイングだって大きな意味があるんだと感じてほしいのです。僕だったら、「日本の野球が世界一のスポーツになっていたらいいな!」というのがビジョンです。ビジョンの元々の語源が「見えること」です。私は、テレビでは海外選手が「日本球界へ挑戦!」として来日したり、日本人が高年俸で海外でプレイしたりする姿をイメージしています。


♢「俺はこのために生まれているんだ!」という使命感
 「使命」というとなんだか思っ苦しく感じるところもありますが、きっとあなたにしかできないことってありますよね。今のチームを変えること、情報を伝え広めていくこと、よりよい方向へチームを導くことなど。僕はもっと野球界を前進させたいとおもっています。これがミッションです。自分がミッションを果たすことで、ビジョンが実現します。つまり、「ミッションの先にビジョンがある」ということになりますね。


♢「どんなことを大切にするか」というのが価値基準
もし金足農業高校に所属をしていたら、秋田県を大事にしたいですよね。地域のゴミ拾いをしてみたり、秋田県のよいところをPRしてみたり、応援に来てくださった方々への感謝というものは欠かさないですよね。プロ球団であれば、地域の少年野球への野球教室を行ったり、ファンを大切にするためにファンイベントを行ったりします。それは「地域の人々に支えられている」からであり「ファンに支えられている」から、「地域の人々やファンを大切にする」わけです。これがバリューになります。ミッションのための行動規範といったところでしょうか、使命を果たすために行動基準といいましょうか。

「日本の野球を前進させたいので、〇〇する」みたいなことです。

私であれば、「学び続ける」「指導方法を伝え広める」「眼の前の選手のパフォーマンスアップ」「自立した野球人の育成」「世界で活躍できる選手の育成」「野球の面白さを広める」「より強い組織へ導く」などですかね。考えてみたら色々ありました。


♢これまでは思ったよりも不明確だったかもしれない
自分自身の行動を振り返ってみて、思ったよりも不明確な点が多かったです。「ビジョン・ミッション・バリュー」に当てはめて考えてみると、自分が何をしなければならないのかは明確になります。無意識に生きるのは簡単ですが、より意識的に活動しようと思った次第です。自らのチームの組織づくりに当てはめて、考えてみてください。

2018年11月11日日曜日

打者の認知とピッチトンネル④


打者の認知とピッチトンネル④

打者の認知とピッチトンネル①
打者の認知とピッチトンネル②
打者の認知とピッチトンネル③

~ピッチトンネルの原則~
① トンネルをできるだけ小さくすること(コントロールのばらつきを小さくする)
② よりストレートと同じ軌道・速度に近づけること
③ 軌道を外すボールを活用すること
④ 自分の特徴を生かすこと(身長・アームアングル・スピンレートなど)
⑤ 打者のきもちや打者目線で考えること


①・②は前回の投稿を参照していただきたいと思います。

今回は解説の続き。


◇③ 軌道を外すボールを活用すること
打者はリリース後にボール軌道の判断をしています。はじめのおよそ0.19秒段階です。リリースからの軌道を予測して、「ストライク」か「ボール」かの判断をするようです。

この段階で「あ、これはボールゾーンだわ」と思わせることができれば、打者は反応できません。
または、トンネルを有効活用している投手であれば、打者はトンネル付近に集中しています。そこで「あえてトンネルを早く」外すことで、打者が反応できなくなるわけです。

そこで有効的なのが、カーブです。

空振りの場面はストライクゾーン(トンネル)から曲げる、見送りはおそらく打者が一瞬「ボール
」と判断したためでしょう。ストライクゾーンから外れるため、打者が反応できないのです。


また、いわゆる「バックドア」「フロントドア」と呼ばれる投球術もここに含まれると考えています。
・ツーシームをボールゾーンからストライクゾーンへ
・カットボールをボールゾーンからストライクゾーンへ
→空振りを奪うのはストライクゾーンからボールゾーン、
 見逃しを奪うのはボールゾーンからストライクゾーン
トンネルを外し、ボールゾーン軌道で投げ、打者の反応を遅らせてます。



空振りするときと、見逃しのときの違いを見ていただきたいです。


〜追記〜
◇④ 自分の特徴を生かすこと(身長・アームアングル・スピンレートなど)
①~③というのが、ある種原則中の原則であります。本来は個人の特性をある程度ふくめて考えることで、効果を最大にすることができると考えています。その要素として、

・身長
・アームアングル
・スピンレート(回転数)や回転軸

の3つです。

いろんなパターンがあり、それぞれに強みがあります。

●高身長×アームアングル高
クレイトン・カーショウ(身長193cm) Wikipedia参照
フォーシーム平均153キロ
スライダー平均140キロ前後
カーブ110キロ
まれにチェンジアップ

12-6カーブは有名ですが、割合として多いのはスライダーです。ストレート軌道からストンと曲がるスライダーで空振りを多く奪っています。右打者からも空振りを奪うところから、縦変化の要素があります。高身長でアームアングルが高い投手は、縦変化が有効的になります。低めの直球と思って振りに行くと、バットに当たらないのでしょう。


●高身長×アームアングル低
クリス・セール(198cm)
フォーシーム平均 153キロ
スライダー平均129キロ
チェンジアップ140キロ
https://www.youtube.com/watch?v=t1krPxXfgKQ&t=192s


アームアングルが低いですが、身長の高さと腕の長さを生かして横変化を使っています。元々はツーシームも多投していたようですね。左打者に対するスライダー、右打者に対してもバックドアスライダーで三振を奪っています。ストレートの球速もあるので、高めでファールを打たせることができますね。


●低身長×アームアングル低
クレイグ・キンブレル(182cm)
フォーシーム平均158キロ(2017年)
ナックルカーブ
ツーシーム
チェンジアップ
言わずとしれた最強クローザーです。特徴的なのは低めのアームアングルから投げるストレートです。「浮き上がってくる」と評価されることがあります。




◇それぞれ特徴を生かして投球する
高身長ならば高めを投げるよりも、低めが効果的になります。自ずと縦の変化が有効になります。アームアングルが低くて腕が長いのであれば、横の変化が生きます。スピンレートについてはあまり触れていませんが、高スピンレートなら高めをつかったボールですし、低スピンレートなら、低めでしょう。それぞれの強みを生かして投げることですね。


◇ ⑤ 打者の気持ちで考えること・打者の目線で考えること


この記事を読むと、打者の目線で考える重要性を知ることができます。バッターの目の位置や、反応しにくい位置があるようです。

2018年11月10日土曜日

打者の認知とピッチトンネル③


打者の認知とピッチトンネル③



打者の認知とピッチトンネル①
打者の認知とピッチトンネル②

前回・前々回と、理論的な前置きをしました。結局私の頭でわからないことがわかったわけですが、ここからが本題です。結局ピッチトンネルをどう活用するのか、が一番大切な部分であります。


ということで、ピッチトンネルの原則を考えてみました。

① トンネルをできるだけ小さくすること(コントロールのばらつきを小さくする)

② よりストレートと同じ軌道・速度に近づけること

③ 軌道を外すボールを活用すること

④ 自分の特徴を生かすこと(身長・アームアングル・スピンレートなど)

⑤ 打者の気持ちや打者目線で考えること




◇① トンネルをできるだけ小さくすること(コントロールのばらつきを小さくする)
 コントロールのばらつきを小さくする、とは「だいたい同じ輪っかを通す」ことです。



この動画では、同じ軌道からボールが別れていってますね。ストレートに偽装してタイミングを外したり、ストレートに偽装して変化球を投げてます。
「だいたい同じ輪っかを通す」とは、ことで、変化球なのか、ストレートなのか判断させにくくすることができます。ボールのばらつきが大きいと、簡単に判断されてしまいます。できるかぎり近い軌道を通すことが大切です。


◇② よりストレートと同じ軌道・速度に近づけること
①でも述べましたが、ストレートと同じ軌道で他の変化球を投げることができれば、バッターを錯覚させることができます。そして変化するポイントができる限りバッター寄りになるとよいわけです。投手は、投手から見た変化量が気になるものですが、大切なのは打者目線です。「大きく曲げる」より「まっすぐ来てカクっと曲がる」ことが大切です。変化の大きさは小さくても構わないということです。


打者が「ストレート!」と判断して始動したら曲がる、のが良いでしょう。それがトンネルを通してから曲げることができれば、バッターの認知を上回ることができます。

速度に関しても、できる限り同じであれば偽装しやすいですね。ベースボールクリニックの神事先生の記事によれば、広島カープ野村投手(2018)のフォーシームは平均139.8キロ、ツーシームが138.9キロ、カットボールが138.5キロだそうです。私の推測ですが、ファストボール系統はフォーシームから5キロ以内に抑えるのが重要かと思います。

補足ですが、野村投手のスライダーは130キロ、チェンジアップは130.7キロだそうです。ほぼ同じ軌道(トンネルをくぐって)きて、少し遅いのでタイミングを外されます。これが「奥行き」になりますね(神事先生も指摘しておられます)。いわゆる緩急ということになります。これがあまり遅すぎたりしても、変化球であることがバレてしまうので、スライダーやチェンジアップはある程度の速度を保ちつつ、同じ軌道を通すことが重要ですね。


ちょっと長くなりましたので、ここで一段落します。続きは次回ということで。

2018年11月9日金曜日

打者の認知とピッチトンネル②


打者の認知とピッチトンネル②

前回のまとめ
・1.9秒で判断する=8m弱で軌道を判断する
・0.25秒で打ち出す(動き出す)必要がある(およそ10mぐらいか)

ということになっているようです。


もともとピッチトンネルは打者から7.2mほどのところにある、と定義されているようです。ここで私が見逃していた「エクステンション」を含めておきます。






MLB公式より
エクステンション:プレートからリリースの距離。おおよそ180cmとされています。

それを含めると・・・・・細かい数値が合わなくて困ってます\(^o^)/
16m換算で計算すると、ますますわからなくなってきました。改めて考え直します。



いずれにせよ、「動き出すポイント」=ピッチトンネルと考えられます。認知的な限界ではなく、どこで動き出すかが大切になるので、ボールのスピードによってポイントは変わるのではないか?と考えています。よって、7.2mという数値は何者なのだ・・・という疑問は尽きません.

しかし元々の計算で考えれば、10~11mにボールが来るあたりで打者は始動するようのなので、

同じ軌道で投球すること(トンネルを小さくすること)
始動した(前も?)あとで変化させること

ここがファクターになることは変わらないようです。


まとまりがなくて申し訳ありません。不勉強です。次回は実際に現場で活用したり、考え方をまとめてみたいと思います。

参考:Baseball Clinic 11月号  科学データが導く野球の新常識(神事努)
Baseball Prospectus

8月11日 東北学院vs愛工大名電

 8月11日 東北学院vs愛工大名電 5-3 東北学院〇 かんたんなまとめ:初出場の東北学院が優勝候補の名電を撃破。 140キロトリオと激戦区を勝ち抜いてきた名電だったが、東北学院伊東投手の前になかなか点を取ることができない。初出場かつ新聞記事C評価の東北学院、投打がかみ合い長打...