2019年10月6日日曜日

日記



自分の人生自体、およそ7年前から節目を迎えた。20歳を過ぎた頃から、やっと歯車がまわりはじめた。自分の人生をコントロールするというか、自分らしく生きるというか、それがやっとできるようになりはじめた。懸命に生きること、考えること、文章にすること。この自浄作用のようなシステムが、歩きたい方向に少しずつ歩けるようになった。


生徒を見ていると、「勉強やらなきゃいけないけど、できないんです」という声が、なんとなくわかる。甘いのかもしれないけど、多感な思春期はそういうものなのかな、とも思う。かつての自分がそうだったように、他人を自分と比べ、卑下し、妬み、焦りを感じているのかもしれない。わかってはいるが、そこに自己肯定するだけのゆとりがない、のかもしれない。


こうして考え始めて気づくようになったのは、コントロールできることと、コントロールできないことがある、ということ。自分の意識や行動は、幾分変えられる。他人の気持ちや考えを変えることは、難しい。他人を変えるのではなく、自分の気持ちや考えを変えていく。そして社会や環境との関わり方を変えていく。脇道にそれてしまうとき、少しずつ自分を元に戻していく。懸命に行きながらも、どこか変なところに転がり込んでしまう。それをまた正しい道に戻していく。遅くても、進んでいくこと。道草しても、また戻ってくる、そして進んでいくこと。この繰り返し。

2019年8月19日月曜日

透明な指導



「がんばる」ことを求める大人、「がんばる」とは何なんだろう?少なくとも、僕は毎日頑張って生きている。夏休みは朝から野球をやり、時に教員業務を行っている。2学期の授業の準備だってやっているし、野球と仕事以外の事柄も取り組んでいる。私は私なりに懸命に頑張っていきている。


僕が懸命に生きるということは、相手もまた懸命に生きているはずだ、ということ。本当は懸命でないかもしれない、手を抜いて生きているかもしれない。ハンバーガーを1個つくることであっても、それなりの本気でつくってくれているはず。ピクルスをハンバーガーに投げつけて遊んでいることは、きっとないはずなのである。しかし僕が思うのは、そんなことすらどうでもいい、ということ。何かに熱中している人は、何かに本気で取り組んでいる人は、余計なことに気を取れれない、そんな気がする。


自分と他人のものさしは、決定的に違う。一生懸命のものさしは、本気でやっているというものさしは違う。僕はグラウンドで黙って「一生懸命」選手を見ている。一方で「一生懸命」怒鳴っている人がいる。僕の尺度で言えば、僕は一生懸命だ。選手のプレイを見ながら、分析したり他の動きとトレースさせたり、「どんなアドバイスを送るべきか」を考えている。闇雲に言えばいいわけじゃない、タイミングがある、吸収できるように説明する必要がある。どうやって伝えるか、何を伝えるか、そもそも伝えるべきか、考えを聞くだけにしておこうか、と考えている。これが僕の一生懸命だ。はっきり言えば、グラウンドでの存在感はない。(と思う)。



目立ちたいという気持ちはあるが、それが先に出たら指導はできない。僕はそう思う。監督は違うが、コーチは目立たない。それがよいと思う。優れた技術は、透明なのだ。その選手に溶け込むような、色のついてないアドバイス。馴染みやすいアドバイス。そんなアドバイスをしたい。形を1からつくるのではない。今あるものを発展させていく。観察して、分析して、コツコツ声をかけていく。色のついていない言葉で、溶けやすい言葉で。選手との会話、対話。これが全て。

野球消滅を読んで


野球消滅を読んで

中島大輔 『野球消滅』を読みました。面白かったので、ここに記録しておこうと思います。


『野球消滅』とはまたショッキングなタイトルですよね。全然知らない人は「感情論&拡大解釈による危機感煽る系」な本かと勘違いしてしまいそうですが、データや事実を根拠にして話が進んでいきます。「野球人口減少」がひとつのテーマですから、もちろんそれに関連する学童野球の野球人口のデータ、日本ハム大渕スカウト部長が作成した「チーム単位部員数の推移(新潟県高野連)」など、知らなかったことも数多くあり、大変勉強になりました。


 そういった資料やデータだけでなく、地域の実情や現場の声も取材されていて、実際に現場で野球に携わっている方々がどんな様子なのかもよくわかります。そういった意味では、諸問題を身近に感じることができる内容になっていると思います。実際私は学童野球と関わることがないので、知らないことがたくさんありました。連盟の登録と大会について、幼い頃を思い出せば「〇〇市は☓☓に登録していないので、□□大会に出れないんだよ」と大人が会話していた気がします。


 先に述べた学童野球だけでなく、学生野球・アマチュア野球からプロ野球などと、各カテゴリの構造がよくわかるようになっています。連盟間で縦割りで連結しているわけではなく、「ガラパゴス携帯」のごとく多岐にわたっています。正直私もよくわかっていないこともありますが、他カテゴリの連盟を知ることができますし、野球界の構造の複雑さがよく分かるでのはないか、と思います。これだけ横断的に書かれている本て、他にあるんですかね(ありそうだけど知らない)。





 本書はそんな形で、「野球界の構造を明確にし、その構造から生み出される問題を捉える」ことが読む意味になるんだろうと思います。例えば投球制限の問題、結構みなさん議論されてますよね。実際改善するのって、結構たいへんなんですよ。

 そこには各新聞社が絡み、高校野球で儲ける新聞もあればプロ野球で儲ける新聞もあります。私立は私立で生徒募集が絡み、公立は人数が集まらず苦しみ、高野連は「教育の一環」として高校野球を守りたい。それぞれがそれぞれで、利権を守りたいわけだったりします。だから、現状の高校野球のあり方を変化させるためには、ある意味それぞれからOKをもらわないといけないわけなんですね。したがって、「投球制限は投球制限だけの問題ではない」と私は思うわけで、これこそが「日本野球界が抱える構造的な問題」にあたるわけです。




 我々現場の人間にとって、もしくは野球に携わる方々にとって、「野球が消滅する」のは嫌ですよね。しかしその危機に瀕しているわけです。不幸は足音を立てずにやってきます。崩れるときは、本当に早い。そうならないために、野球を残したい人たちの手で、声を上げる必要があると思うんですね。
 

 「声を上げる」というは、無鉄砲に高野連を否定することではなく、現状を理解したうえで次の一歩を踏み出すことです。「高野連を炎上させる」のではなくて、「野球界がアップデートしていく」ためにともに歩みを進めるべきなんです。まずはその歩みの一歩として、『野球消滅』を読むことです。そして、野球界だけでなくこの本を広め、多くの方々に現状を知ってもらい、世論として野球を変革する動きをつくっていきたい。野球界が動かざるを得ない、そういう状況をつくりたい、そう思います。


2019年8月13日火曜日

監督になったらやってみたいこと


夏休みも後半にさしかかり、秋の大会の足音が聞こえてまいります。夏の大会で悔しい敗戦を迎えた我がチームは、着々と新人戦へ向けて準備を進めている最中です。新チーム立ち上げの大事な時期にどっぷりたっぷり関わることができて、今年の夏は良い夏です。新チームの開始に合わせて「投手マニュアル」の出荷、練習試合等のデータの出荷ができたので、個人的には自分の働きに合格点をつけたいとおもいます。


色々野球のことを考えるんですが、やってみたいことがあります。しかしなかなか監督ではないため、実現できないことが多いです。もし監督になったらやってみたいこと、今思いつくことをここに書き記しておこうと思います。「こんなこと面白いんじゃない?」みたいなものがあれば、ぜひ教えてください。


・試合データの集計
・身体計測データの集計
・チームマニュアルの作成
→ベースにミーティングを実施
・規定打席、投球回数制度
・ピッチスマートの導入
・チーム内リーグ戦
・体作り(トレーニング・栄養摂取・昼寝)
・二部練習 
・週休2日制度
・ダンスを取り入れる
・なんか楽しいイベント
・みんなHR打つチーム
・みんな140キロ投げるチーム

2019年8月6日火曜日

重い腰を上げました。


みなさんこんにちは。久々に重い重い腰を上げて、ブログを書こうと思います。今日はブログを書いていなかった時期の振り返りを書きます。重大発表でもなく、重いテーマでもないのですが、かんたんにログを残しておこうと思います。


さて、どうやら3月のはじめ頃から今日まで、私はブログを書いていなかったらしいです。およそこの5ヶ月間、何をしていたのか・何を感じたか、ということですね。野球的な動きで言えば、この時期に「春季大会」「選手権大会」があったことは高校野球の事実です。お察しの通りで、本校の結果が一切振るわなかったのは紛れもない真実であります。学校業務的な部分でいえば、新しい学年となり、これまで出会ったことのないような出来事ばかりでした。つまるところ、「野球でも学校業務でも未知との遭遇が続いた」が、かんたんな要約になるでしょう。


野球のことで言えば、選手権大会において、自分で勝手に決めた最低限のノルマはクリアしていました。「ベンチ入り投手全員max130キロオーバー」というノルマです。一応これはクリアしました。春先~夏前にかけてピッチデザインとして、各々の良さを引き出すパターンを相談し、ある程度の名前のあるチームとも投手陣が勝負できる状態になっていました。しかし選手権大会はビッグネームのチームに惨敗。何も手応えなく終了してしまいました。


試合の勝敗にコーチの私が直接関与できることは、限りなく少ないです。そもそもベンチにも入っていませんから、そこで何かができるわけではありません。夏の大会が始まる前に、私ができうる全ての準備と必要なことは選手らに伝えてありました。その点において「やりきった」という感覚を持っているので、負けた場合でも次に進む気持ちになることができました。もちろん投手力の不足による敗退は認めています。責任も感じています。しかし、下を向いても仕方がないのです。


ここで大事だと思ったのは、「できること」と「できないこと」を見極め、「できることを続けていく」ということです。例えば私は試合運びやゲーム展開を追いかけること、守備走塁の精度を高めていくこと、ここらへんは私が関与しにくい現状があります。練習試合も毎回ベンチに入るわけではないですし、そもそも守備走塁等に関して別の方が指導されています。そこはそこ、私はわたし。連携を取りながら、各部署で精を出す・役割を果たすことで、チームに還元されていくはずなんですね。だからこそ僕はバッテリーに集中し、注力していく。個々にアプローチをかけ、打撃指導を行っていく。僕はここに注力しなくてはならないし、その一方でシステム的な問題も本校の課題でもあるのは事実です。



ひとまずこんな形にしておこうと思います。また書きます。

2019年3月17日日曜日

『セイバーメトリクスの落とし穴』簡単まとめ



待ちに待った『セイバーメトリクスの落とし穴』、読み終えました。お股ニキさん初の出版です。タイムラインでも話題になっているのも読む理由のひとつですが、なにより「お股さんが書いた」ということが重要です。Twitter野球クラスタ筆頭と言っても過言ではないですし(素晴らしい方はたくさんおります)、何より日頃のTweetでの知識・野球理解の深さは他者の追随を許しません。そして何を隠そう、ダルビッシュ投手ともTwitterでも親交があるのです。そんなことから、この本に関しては読まない理由がありませんでした。簡単に記録を残しておこうと思います。



●注めっちゃ多くて読みやすい
結論から言いますと、この本は「確実に読むべき本」と言っても言い過ぎではないです。内容の明快さ、データでの裏付け、主観的(感覚的)な判断など、わかりやすい切り口で話を進めてくれます。「落とし穴」というぐらいですから、データ偏重になりつつある野球界に一石を投じたわけで、「データばっか見るな!野球をもっと楽しめよ!」と言われている気がしました。

特筆すべきは、「注の多さ」です。人物・専門用語に注がふられており、ページの端に記載があります。注は読む人に対する気遣いであり、読みやすさに繋がります。実際本書には多くのメジャーリーガーや日本人選手、くわえてセイバー用語や野球用語・野球スラングなどが登場しています。


知らない用語が多い本は読みにくいものです。「僕セイバーとかMLB知らんしなぁ」とか、「昔の選手も知らないしなぁ」という人もいると思います。そんな方でもご安心、注がついており、簡単にその情報を知り、なおかつ現在の立ち位置なども紹介されていたりします。スラスラ読むことができるのは、このご配慮があるからですね。


●最新のトレンドだよ
本書では「野球の再定義」からはじまり「ピッチング」やら「采配」やら「球団経営」やら、最終的には「野球文化論」とテーマが多岐にわたります。実際MLBがどんな取り組みを行っているのか、新しいトレンドを知ることができます。

これまでもセイバー的な切り口で最新トレンドを知ることはできたと思いますが、「プレイヤー」「監督」「コーチ」「フロント」「ファン」「社会」といった、野球を取り囲んでいる人々を俯瞰した本は、ほとんど見たことがありません。というかはじめて読みました。それぞれのカテゴリやグループでのトレンドを抑えており、自分がどうあるべきかを教えてくれます。


もし別のタイトルをつけるのならば「現代野球総論」「野球のこれからの形」とかになるんじゃないですかね。「セイバーメトリクスの落とし穴」といいつつ、数値偏重主義批判をしているわけではないです。「多面的な現代野球の総論」として読むことができ、時代の変化を知ることができます。


個人的には本書181P「野村克也の大いなる功罪」で、我々が知らずとかかっている「野村バイアス」を払拭できればなと思っています。00年代~を席巻した野村克也氏、名著『野村ノート』による配球偏重主義。ここから脱出できない(ここまでも追いついていない)チーム・指導者も数多いです。巷では野村克也氏は大量に出版しておりますが・・・・・、おっとここまででやめておきます。



●ここで唸った

詳しい内容は読んでいただければよいので、最後に個人的に唸り声を上げた部分をまとめておこうと思います。6章の『監督・采配論』、P237「ポスト分業化時代のユーティリティ」についてです。

昨今の時代はいわゆる「分業化時代」です。先発・セットアッパー・クローザー、各ポジションの専門職、代打・代走のスペシャリストなどなど。コーチの増加なども含めて、役割が多様化しそれぞれの高度な専門が野球界にも求められています。コーチは専門職で増加傾向です。その一方で、選手はユーティリティ化が進んでいる、という指摘があります。お股氏は「ポスト分業化時代」と呼んでいます。私は大いに唸り、「やっぱりそうだよな」と納得しました。


例としてジャイアンツ岡本和真選手が複数ポジション担えることや、大谷選手の二刀流、捕手の負担増による併用制度などを挙げています。私においては、「守備シフト発達でサードにも二遊間並のピポッド能力が求められ(P241)」ることは盲点でした。そうなると、我々指導者がどんな選手を育成するべきか、どんな選手が求められるかがなんとなくクリアになってきます。実際その点は理解し、動き出している最中です。



●とりあえず読むことからじゃない?
ともかく本書は納得できることばかり、そして考えさせられることばかりでした。我々高校野球指導者もあり方を考えさせられ、もっともっと進化しなければならない、そう思いました。簡単なまとめですが、ここで終わっておこうと思います。

2019年3月4日月曜日

小豆島高校と県立高瀬高校


高瀬エンジョイベースボールプロジェクト

http://metoo.seesaa.net/article/464416880.html


香川県立県立高瀬高等学校
https://www.kagawa-edu.jp/tkseh02/clublog/index.php?date=201901



高瀬高校監督は、杉吉監督です。以前、小豆島高校に務めておられました。もしかすると記憶の片隅にある方もいると思いますが、21世紀枠で選抜大会に出場しています。諸問題が取り上げられてしまい、悪い印象を持たれている方も多いかもしれません。それでも、私は小豆島高校を応援していました。現在は統合され、小豆島中央高校となっています。






進化するボトムアップ理論

http://metoo.seesaa.net/article/433747166.html

小豆島高校 ボトムアップ

http://metoo.seesaa.net/article/433190931.html


私の気付きのきっかけは、「少年野球BLOG」さんの記事です。指導者をはじめたときから、ずっとずっと読み続けています。そこで上記のような紹介があり、小豆島高校を知りました。小豆島高校ブログがあり、私は食い入るようにそのブログを読んでおりました。「こんな活動をしているチームがあったんだ」と驚きを隠せず、何度も何度も読みました。スカウティング戦略偏重から離れた形の野球、そこに魅力を感じました。「監督になったら、こんなチームをつくりたい」と憧れのチームになりました。

現在の野球指導は、将来監督になったときのための準備期間だと思うようになりました。当時我が家のホワイトボードには、「めざせ小豆島高校」と書かれておりました。目指すべき姿が、そこにあったのです。必死に本を読み、動画を見て、実践する日々。そのモチベーションをくれたのは、私に勇気をくれたのは小豆島高校でした。


改めて小豆島高校の記事を読み、高瀬高校のブログを読み、「やっぱりこれなんだよな」と原点を思い出すことができました。私も野球界の発展に一役買いたい、そう思っています。なんとか発展の力添えをしたい、そう思っています。こんな楽しいスポーツを、知らないなんてもったいない。僕は野球を、みんなに知ってもらいたいのです。またがんばろう、そう思いました。





※小豆島高校ブログは、過去を遡れば記事が読めると思います。広告というか、ちょっと荒れた感じになってますが、日付から飛べば読めました。
https://www.kagawa-edu.jp/syodoh01/bukatudo/yakyu/diarypro/diary.cgi?no=2393



2019年2月26日火曜日

冬期練習なんとなくまとめ



昨日ツイートしましたが、それなりの成果が出てきたように感じます。正直なところ、紅白戦をやるとアラしか見えないし、まだまだ納得がいくレベルではないので、1ミリも満足してません。「140キロ投手複数人で勝負」が最大の目標であり、「投手全員が輝くチーム」をつくりたいので、まだまだでごわす。




いろいろ取り組んだのですが、簡単に要因をまとめるとこんな感じになると思います。チーム練習があって、それをベースに補てんしているだけなので、「俺の取り組みのおかげ」ではないです。ジャンプ系はいつもやってますし、他にもダッシュしたり、守備打撃の相乗効果もあると思います。いろんな要素のなかで、選手は成長していくものです。




できなかったことがあります。投球後のケア、シーズンに入る前にルーティン化したかったのですが、なかなか。これは声かけしながらやりたいです。あとはウエイトルームが諸般の事情で使えなかったことが功を奏したのか、ほぼウエイトなしでも球速が伸びていました。ウエイトの賛否って結構あるじゃないですか。逆に疑問が深まってしまいます。いかにせよ、クイックリフトは必要だと思っているので、それはこれからやらなくてはならないですね。あとは体重とか、栄養指導とか。ここは僕も勉強不足です。



まだまだ、できることはあります。がんばります。






2019年2月18日月曜日

スループットと自分の勉強


♢インプット・アウトプットってどうなん

今日はスループットについて、話をしようと思います。一般的にはアウトプットとインプットを行うことで、自分の知識になると考えられているようです。ここでいうインプットとアウトプットは、つまり知識を入れて(入力)、知識を外に出していく(出力)って言うところがポイントになっています。ただ正直、ここに関して疑問けっこう疑問だった部分です。果たして、そのインプットしたものがストレートにアウトプットしても、それは意味がないんじゃないかと思う所です。入力したものを、そのまま出力しても意味がないのではないのか、と思っていました。


というのも、例えば誰かに何か教える場面があるじゃないですか。自分が言ったことを、そのままそっくりその人が自分と同じ言葉を使っていることがたまにあります。果たしてそれはその本人は理解したのかな、と疑問になります。ほんとに理解してるんだったら、その自分が言った言葉を違う形に変換したり、別の言い回しをしたり、もしくは確認作業が時々入ってもおかしくないですよね。

♢ちゃんとワンクッションいれるべきなんじゃないのかね

そのワンクッション入って、自分で他の人に伝えたりしていると「理解しているのかな」と見えてきます。コピペじゃないですけど、知識の横流しというか、搬入したものをそのまま商品として出している感じです。カレー屋に来て甘口カレー注文して、ボンカレーを温めて出されたら「おいおい!」ってなりませんかね。たぶんカレー食べたい人は、その店の味が食べたいじゃないですか。たぶんそんな感じなんですよね。



では本当に理解しているとかわかってる、自分においても他人に言われたことをほんとに理解してるって言う事はどういうことか。それは先程も少し出てきましたが、「違う形で表現すること」「別の言い回しや例えが出る」ことだと思うんですね。もう少し言えば、自分の中に構造的に落とし込むことなんです。

♢建築家、もしくは『鋼の錬金術師』

僕のイメージでは、手に入った知識を建物だと考えます。その建物を一回全部壊して、バラバラにします。そして自分の手で新たに建物を作り直して、建物を完成させるんです。「これが建物ですよ、はいできましたよ」みたいなことですかね。僕の好きな『鋼の錬金術師』でいうと、「理解→分解→再構築」です。自分のなかで、知識を組み込んで接続していくわけです。「知識の構造化」って言ったらカッコイイですけど、自分で他人に説明できたり、たとえ話ができたり、自分の言葉で話すことができたらいいんじゃないかな、って話ですね。でもそれって、「インプットとアウトプットのどれに当たるの?」「自分の言葉で説明するのも、出力に当たるの?」「なんか段階足りなくない?」みたいな、違和感を感じていた次第です。




♢きっかけはアクティブ・ラーニングの調べ物


アクティブラーニングの調べ物をしているときに、遅ればせながら「スループット」って言う言葉を見かけて、「なんだこれ知らんぞ」と思ったんです。で、よくよく調べてみるとすると、「知識の組織化・理解の構造化」と定義されているようで、自分の中でヒットしました。ちなみにこれは杉山先生という専修大学附属高校の先生の論文です。
当事者意識を持った自立した学習者の育成を主眼とした 「授業/教師」のあり方(being)とやり方(doing)」杉山比呂之



自分でその「知識を使う」「言葉にする」「文章にする」って言うことをしないと、理解したとは言えないのだと思います。これがスループットで、そのあとに初めてアウトプットできるわけです。本当に理解したかったら、本を読んだら自分の言葉でまとめるべきだし、自分の言葉に置き換えてみて、自分が他の人に教えるのを前提にしゃべる、そういった作業が必ず他の必要になってきます。私も、こうしてブログに書いてますが、いきなり書くことはほとんどないです。メモをしたり、ベタ打ちをしてから、改めて文章化していきます。または、本の要約もしますし、選手に教えることは自分でやってみて理解してからですよね。

参考:徒然なるまま想い書き 
http://tsurzur.hatenablog.com/entry/2015/06/13/143836



2019年2月17日日曜日

勝つ確率を高める工夫をする


♢野球は確率のスポーツ

野球の競技特性の一つとして、確率のスポーツであると考えられている。理由は様々だろう。
私が一番の理由だと思うのは、ボールとバットが衝突してプレイが展開するからだ。つまり
「道具ー道具」の接触が主体のスポーツであるから、高い技術が求められる。時速140キロで
飛んでくる球体と、棒を衝突させ、90度のなかに入れ、かつ相手がいないところに打つことが
求められる。


球体が棒にあたったとしても、相手がいるところではダメだし、
そもそも球体と棒が当たらないこともある。棒に当てる確率・人がいない所に打つ確率、
反対に棒に当てさせない確率や人がいるところに打たせる確率を高めるように練習する必要がある。
そんなことから、確率と確率のせめぎあいが行われているのが野球というスポーツだろうと思う。




♢野球はセットプレーが多いスポーツ
別の観点からみると、野球は連続性のあるスポーツではない。
つまりセットプレーの繰り返しが野球である。毎回試合が中断し、
投手が「攻撃姿勢」に入り、お互い守備と攻撃の準備をする。そこでも場面がそれぞれ違うわけである。
従って、そのセットプレーに対する自分の動き方や、
その時々による動き方のパフォーマンスを上げる事が求められる。



♢勝つ確率が高い選択をする


先の球体と棒の話でもそうだし、
こちらの「セットプレースポーツ」としてもそうだが、ある一定の傾向が出てくる。
例えば「球が速いと打たれにくい」とか、「このバットの動きはサードに来る」とか、
「このケースはバントをする」とか。ある一定の傾向が、確率の偏りとして現れてくる。
野球は相手より多く得点するために、お互い確率を選択していく。高い確率を選ぶ場合もあれば、
リスクを負って低い確率の動きをするかもしれない。いずれにせよ、お互いの戦いのなかで、
「勝つ確率が高い選択」をし続ける必要がある。なので、「かつ確率を高める(引き寄せる)工夫」
が常に必要なのである。


♢根拠を持って取り組む

そこに根拠はきちっとあるのだろうか、根拠を持ったプレーができているのだろうか、
ということを練習では突き詰めてていく必要がある。自分が狙ったボールを打ったのか、
反応して出たのか、インコースの練習をしてインコースを打つことができたのか。
きたボールに対してミスショットなく正確にとらえることができたのか、
そういったところを追求していきたい。


打った打たない、アウトになったならない、これらはある意味相対的ではある。
比較の産物でその場合ケースによってそれぞれ結果が異なる。実際に想像してみて、
予測を立て、仮説を立て、そのための練習をし、もしくはそのための対策を講じ、
その結果どうなったのか。そういったプロセスを踏んでもらいたい。
根拠のある結果が出たのか、根拠に基づいてプレイすることができたのか。
根拠をもって予測をして準備をしてプレイに取り組んでもらいたい。
その一方では、野球の要素として、
予測にないプレーも反応してプレイをしてほしい。準備と結果、反応と瞬発、
その両方の要素が必要である。



♢小さな予測の積み重ね・仮説の積み重ねが一瞬の反応やひらめきを生む

ただ、その一瞬の判断をするためにも、小さな予測・少しずつの想像力・準備、
そういったものの積み重ねが、一瞬一瞬の反応を生み出す。小さな準備の積み重ねをして、
実際に瞬間瞬間に反応する選手になってもらいたい。

2019年2月16日土曜日

野球の競技特性


 野球の競技特性を考えると、9人である複数人スポーツ・相手がいるスポーツ・道具を使うスポーツである・非コンタクトスポーツ・集団でありつつ最終的には個人スポーツ・時間制限がないスポーツ(部分的にはあるが)・守備側がボールを持つスポーツ。


 より競技特性を理解して、チームの練習をマネジメントしたほうが成果が出るはずである。したがって、練習の中でこの競技特性を反映させていく必要がある。また、競技特性を明確にしていくために、他のスポーツと比較していく事は重要である。


♢他の競技と比べてみようよ

 例えばゴルフと比較してみると、固定したボールを打つのがゴルフ、動いているボールを打つのが野球。打つエリアが90度で限定されているのが野球、ある程度自由に打てるのがゴルフと考えると、野球の打撃においては90度の角度に納める技術が求められることがわかる。この場合の技術が道具を扱う技術になるので、バットを扱う技術が必要になる。もっとも金属バットは900g(高校生)になるのである程度のパワーが必要。コンタクトスポーツではないが、900gの棒を扱うためにある程度の力が必要になる。その道具を、18メートル先から来るボールに対してをコンタクトさせ90度に入れなくてはならない。これこそが、打撃が難しいという理由のひとつである。野球には様々な要素があるが、他のスポーツと比較して見てみるとより一層わかることである。




 指導者は、つい野球のことを考えてしまうが、実際他のスポーツと比較して考えてみることでわかることがある。または、練習のなかでも他のスポーツを取り入れてもよいと思う。他のスポーツをやることで野球との関係性であったり、野球の特別な部分に気づくことができるかもしれない。

♢他のスポーツを練習でやってもいいんじゃない?



 グラウンド上で他のスポーツをやる機会はあるだろうか?サッカーやバスケは、守備の動きと似ている部分がある。バレーボールも腕の使い方やレシーブのやり方など、ある程度精通する部分がある。打撃はゴルフ・ハンマー投げとか関係性がありそう。他のスポーツを練習の中で取り入れてみる、そのことによって野球の動作に良い影響をもたらす可能性がある。



♢野球人は身体能力高くないと、ね。むしろ高いから野球をやってるかも

 野球は求められる技能が多いので、他のスポーツを行うことでその技能を高めることができると私は考えている。「エースで4番」がいたり、「いいピッチャーはバッティングがいい」というのは身体能力の高さゆえだろう。アメリカでは、MLBのドラフトにかかっていたが、アメフトでも上位指名されている、なんて話をよく聞く。先日もそんなニュースを見た。





 有名なところで言えば武井壮と言うテレビタレントの方は、大変身体能力が高い。十種競技という競技をされていて、日本チャンピオンになっている。十種も競技があれば、競技の練習を大量にしなければいけない。しかし彼は、自分の身体を動かす練習(いわゆる身体操作)と、フィジカルトレーニングの練習をたくさんやっていたという。ここからのヒントは大いにある。



♢練習で野球以外のスポーツを、身体能力を高める練習を!

 野球は十種競技まではいかないが少なくとも4種の動きは求められるし、突発的なプレー・想像もしないプレーと言うものも起こり得る。自分たちが想像できる範囲で練習をするのもまず1つであるが、試合では想定していないことも起こるし、トーナメントという性質の中では、相手の対策がしにくい部分もある。MLBスーパープレイ集を見て「うわすげー!」となるが、持ち合わせた高い身体能力で、ある種「最適解」としてあのプレイが生まれているはず。その動作がいちばん良いと身体が反応して、ああいったプレイが生まれている。





 そう考えればより身体能力を高めないわけにはいかない。野球の練習をするだけでなく野球以外の動きをしていくことが野球につながっていくとも考えられる。野球は、野球だけをやっていてもうまくはならない。いろんな要素を使って早く効率的に上達する、アマチュア野球は時間との戦い。だからこそあえて野球以外の練習をして、より早く運動能力を高め、野球が上達することが良いと私は考える。

2019年2月15日金曜日

ミーティングもいろいろ

♢ミーティングにもいろいろある


 ミーティングについて少し考えました。ミーティングはいろんな形があって、例えば一般的なのが試合終わった後のミーティングがあります。それ以外に集合した時にミーティングであったり練習とか、試合の合間のミーティングがあると思います。これ以外にもお昼休みとかまたはそれ以外でも勉強会みたいな形でミーティングをすることもあると思います。ミーティングといっても、グラウンドで行う場合とグラウンド外で行う場合があるわけですね。一口に言ってもいろんな形式がまだあるんだなぁっていうのが私が思う所です。

♢ミーティングする前と後で変化が生じなければならない

 1番はミーティングを実施して、ミーティングをしたことの効果とか意味がきちんとグランドに反映されるのか、というところが1番大事なんじゃないのかなあと思います。例えば例えば「最近練習が続いてて疲れてると思うけど、ちゃんとストレッチをしましょう」「元気なくなってきてるんで、声出して行きましょう!」とか、それってどうなんですかね。


♢意識の明確化

 そのミーティングをして、話し合ったところにフォーカスをして意識付けをする、そしてその意識付けをして練習をして、最後の振り返りがある。というのが一連のプロセスになっていくのだと思います。結局ミーティングをして、「どういう行動するのか」「何をポイントとしてどういう目的で取り組むのか」ということを明らかにしなければならないと思うんです。つまり具体性のないミーティングって意味あるんですか?と思うわけです。もしグラウンドで行う練習前や練習中のミーティングは、より具体的に行う必要があります。


♢グラウンド上とグラウンド外

 実際はグラウンド外のミーティングもありますね。例えば武田高校も非常に高度なミーティングを行ってらっしゃいますが、「グラウンドで考える時間を出来る限り排除し、行動する時間を極限まで詰めていく」ような発想で行われているようです。正しい言葉かわかりませんが、on the ground」と「off the ground」の発想の違いだと思うんですね。


♢武田高校の事例

 武田高校は練習時間が50分しかないことが有名ですが、逆にそれ以外の時間はたくさんあるはずで、それ以外の時間をより効率的に使って50分を最大活用していきましょうみたいなスタンスが多々あるようです。というかあります。それは、「off the ground」のうちに意志や意図を伝えており、もしくは考えさせており、それを「on the ground」で実践していくことになるんです。実際50分しかないわけですから、「そこ立っとけ!」とか30分にわたる長い説教をしている時間はたいへんもったいないです。

♢クラブ活動週休2日

 この話がどこにつながるかというと、「部活動週休2日」に関わってくるのです。週休2日の話も、その残された時間の中でいかに成果を挙げるか、という話になります。練習量が落ちる、といわれる方もおります。実際物理的時間はなくなりますのでそのとおりかもしれませんが、他のチームも同じなので同条件ですよね。そのなかで勝っていくためには、その2日を有効活用できればいいし、むしろ5日の質を上げることにつながっていくはずなのです。そこで定期的なミーティングをして、「on the ground」に反映させていけばよいわけです。



♢うちはうまくできていないけど・・・・・

 本校の場合でも本校は練習時間が平日で言うと120分間・2時間位しか取れないのが現実です。120分しか取れないと考えると、いかにミーティングをして「off the ground」を最大限高める必要があります。「on the ground」でのスタッフの働きかけとか、意識とかの問題ではなくて、チームで120分間を使い切るスタンスがあるかないかっていうところに差が出ると思います。

2019年2月10日日曜日

最近の雑記と重心位置

プロ野球キャンプがはじまり、高校野球も練習試合解禁まであと一ヶ月となりました。本校でも実戦練習の比重が高まりつつあります。ゲーム形式になって、いろんなアラが見えたり不足が見えたり、できているところが見えたりします。ここで明らかになったことをフィードバックしながら、春を迎えたいと思います。


投手陣としては、
◎球速の変化
◎打者の反応
◎ピッチングデザインの活用・修正

あたりをポイントとして、残りの期間を過ごしたいところです。実際ブルペンで投球はしていますが、寒い日もありますし、実際に打者にむかって投げることで速度が出るはずです。ブルペンでの計測より、試合の計測がより一層重要になります。

また、実際打者がどう反応するかを確認したいところです。この時期の打者は反応が遅れがちですが、このタイミングで打たれるのかどうか、そこを確認したいです。同時に自分の強み の組み立てを少しずつつくっていますから、最大限強みを活かせているかを確認したいところです。



実際、今回のオフは収穫だらけでした。2ヶ月間でできたことは、かなりあります。そのひとつが、姿勢と重心位置です。『少年野球BLOG』で、筒香選手の姿勢の変化に言及されています。

これは、単純に「頭を傾ける」ことではないことに、今オフ気づきました。頭は傾かざるをえないし、そうしたほうが恩恵が大きいのです。まだまだ練習試合解禁まで、できることがあります。1日を大切に取り組んでいきたいですね。

2019年2月1日金曜日

『スピンレート革命』林卓史 かんたん要約&おもったこと


『スピンレート革命』林卓史

今話題となっている『スピンレート革命』です。慶應大学野球部元助監督の林卓史氏(現朝日大学経営学部講師)が、Rapsodoを使って投手育成を行い、そのプロセスで感じたことや実際の成果を綴った本です。実際に取り組まれていたことや、それに対する選手の声や反応なども書かれており、Rapsodoの使用過程や、林氏がどのように取り組まれていたのかが、詳細に記述されています。今回は簡単な要約と、感じたことを書き留めておこうと思います。

♢Rapsodoめっちゃいい
Rapsodoは球速、回転数、回転軸の傾きなどが計測できる機器です。海外アカデミーでは使用されているのをよく見かけますし、日本でも実際に計測しているチームや大学を見かけます。徐々に浸透し、広まっているのだと思います。ただ、モノがモノですし、たくさんの数値を扱うわけですから、それを読み解く力がなければ使用するのは難しいのではないかと思います。


慶應大学では林氏がRapsodoを導入し、投球フィードバックを行ったようです。その結果球速の意識したり、自分の投球スタイルを把握することができ、効果的な投手育成を行うことができるようになった、と書かれています。



♢客観的評価の重要性
こうした数値の活用は、「客観的評価」になります。
林氏は「パフォーマンスに対する尺度の共有化」と呼んでいるようですが、ある種評価基準が明確になる、ということです。

「ボールが伸びている」「キレがない」とか、そういった主観的評価でなく、数値で良し悪しを判断することができます。指導者と選手のギャップというのはここにあって、選手が「良い」と感じているのに、指導者が「悪い」と感じている場合があります。投げている本人の感覚は、本人だけのものです。そこは指導者は否定しようがありません。そこは否定せずに「客観的評価」を見て、「この感覚だとこんな数値が出るんだ」という、共有財になればよいわけです。

「指導者と選手の感覚の不一致」によって、能力があって真面目な選手が潰れることがあります。また、能力があまりなくても思考力で補って成長することがあります。より多くの選手を伸ばしていくためには、こうした客観的評価は重要であると考えています。


♢これを使ったからといって成長するわけじゃない
ただ、悪く言えば「たかが数値」です。その数値の意味することや、どのように活用できるかを、選手本人も理解できなければならないのです。

「計測した!→良かった!→嬉しい!」でもはじめはよいですね。
そこから、
「計測した!→前回より良かった!→嬉しい!→なんで良くなったのだろうか?
→もっと良くするにはどうしたらいいか?→練習する」

のプロセスに入っていかなければなりません。そういった意味では、1回だけ計測するのはあまり意味がなく、継続的に計測してフィードバックしていく必要があると思います。



実際に球速をアップするにはどうしたらいいか?を突き詰めなければなりません。プライオ・ウエイト・体重増加・柔軟性・身体操作など。そうした取組は、あまり紹介されておりませんでした。本のなかでは投球に関する取り組みの事例が紹介されていましたが、ポール間走や2万球プロジェクトなど、「大学野球ってそういうものなのかなぁ」とおもいました。Rapsodoを使うだけでは効果がないわけで、もっと勉強していく必要があるなと感じました。

2019年1月27日日曜日

ウエイテッドボールの危険性


Weighted Baseball Training Causes Serious Injury

https://www.topvelocity.net/weighted-baseball-training-causes-serious-injury/

こちらのブログ記事では、「ウエイテッドボールを使用すると怪我をするリスクが高まる」ということで、記事を掲載しています。重いボールを使用することへの懸念、流行しているウエイテッドボールへの苦言を呈しています。




A LOOK AT LONG TERM WEIGHTED BALL RESEARCH

https://www.drivelinebaseball.com/2018/07/look-long-term-weighted-ball-research/

その一方でDrivelineでは、ウエイテッドボールの使用によって速度は上昇することを明言しています。ただ、ある程度の負荷がかかるのも明らかなことです。なので、多くやりすぎないこと、他の投球練習(遠投やブルペンでの投球)を減らすことが求められます。



Are Weighted Baseball Velocity Programs Safe and Effective?

https://elitebaseballperformance.com/are-weighted-baseball-velocity-programs-safe-and-effective/
こちらの記事でも、ウエイテッドボールの危険性を示唆しています。もちろんある程度の傷害リスクが伴うと考えています。昨今の流行に伴い、正しいプログラミングをされておらずに導入され、損傷を伴っているとのことです。

しかしこの記事を書いたアカデミーは、実際にウエイテッドボールを使用しています。その際に、強度や量などを制限し、当人が基準をクリアしているかどうかを判断して導入するようです。
「成熟した骨格」「効率的なメカニクス」「筋力とコンディショニング」「腕の強さと可動性」、これらが必要であるとしています。



♢安全なの?使っても大丈夫なの?
私の結論は
・取り組むなら包括的なアプローチを行う
 (アップ・投球・ケア・トレーニング・メカニクス調整)
・量と強度を調整する
・正しいやり方をコーチングを受ける
 

と考えています。
大学生や社会人選手であれば、自己管理の下導入するのは可能でしょう。高校生以下は、個人単位で導入するのは難しいかもしれません(セルフコーチングができれば問題ないとは思います)。


2019年1月20日日曜日

DLBBとTOV




2019年1月19日土曜日

『最高のコーチは教えない』かんたん記録

『最高のコーチは、教えない』吉井理人(2018)

これを読んだので、簡単に記録しておこうと思います。




「最高のコーチは教えない」というのは、一切コーチが放任主義で何もしないのではなく、「答えを教えず、選手自身が答えに近づくように働きかけていく」というように私は解釈しました。「自由」と「放任」のラインって結構際どいし、判断しにくいところだと思います。

したがって、
「一切合切おしえない!!!」ではなく、
「ゴールにむかって伴走していく!!!!」のがコーチングなのだと思っています。

2019年1月18日金曜日

プライオメトリック

プライオトレーニング

プライオメトリック=SSCを強調して高いパワーを発揮する
「プライオ(増大)+メトリック(長さ)」の意味で、筋肉と腱を伸ばしてから短縮させる「SSC(伸長-短縮サイクル)」という動きを強調したトレーニング法です。
石井直方監修 谷本道哉・荒川裕志編・著『アスリートのための筋力トレーニング』より


https://www.youtube.com/watch?v=dAgTN6zW3gQ
デプスジャンプ



https://www.youtube.com/watch?v=0DGIGWkg1hc


メディシンボールスロー
https://www.youtube.com/watch?v=byIGdpqEPBk

プライオメトリックトレーニングは、いわゆる「瞬発系トレーニング」です。いろいろ種類がありますが、ジャンプ系・メディシンボールスローなどが有名でしょうか。
本校ではジャンプ6種やメディシンボールスローにも取り組んでいます。


野球に接続していくには、

下半身瞬発(ジャンプ系)→上半身瞬発→(MBスローやクイックリフト)
→動作瞬発(スイングや投球動作といった複合的な瞬発力)
※本校では動作瞬発としてプライオボールやプルダウンを実施

が必要だと思っています。


球速アップを図ろうとしている選手・飛距離アップを図ろうとしている選手も多いと思います。野球は筋力発揮が短い時間で行われますから、ウエイトトレーニングで鍛えたものを、より速く使えるようにしなければなりません。そして最後は野球の動作に変換させなければならないのが、野球の難しいところです。


プライオボールやプルダウンは、それぞれ動作瞬発です。重いボールを投げること、そして助走を付けて最大速度で投球すること、これはまさに瞬発です。プライオボールはただ投げるだけではないのでやり方がいろいろありますが、いずれにせよ細分化して取り組んでいくことは重要かと思います。








2019年1月15日火曜日

視座・視野・視点

♢生きること=知覚すること
我々は朝日に刺激され起床し、朝食の匂いで空腹を刺激される。プロ野球のハイライトで興奮するのは、我々が野球の面白さを知っているからだ。残念ながら私はクリケットの試合の面白さを理解していないので、動画をみたところで興奮できないでいる。知覚したものだけを我々は認識し、知覚したものこそが自分の世界である。

♢新たな可能性に気づくために
野球の動画をひたすら眺めていて、学んだ気になるときもある。しかしそれだけで、変化していく社会についていくことができるのだろうか?置かれた現状から新たな可能性に気づき、自分の学びにつなげる必要がある。





2019年1月14日月曜日

アームの使い方<内旋外旋・回内回外>②

基礎的なアームの動きです。バイオメカニクス論文でもDrivelineでも、そこそこ(というかがっつり)専門用語が出てきます。現役選手は気にするといろいろごっちゃになったりすることもありますが、指導者は選手を観察するときに知っておいたほうがよいと思います。



2019年1月12日土曜日

アームの使い方<内旋外旋・回内回外>①





EXPLAINING THE ELBOW SPIRAL IN THE PITCHING DELIVERY

https://www.drivelinebaseball.com/2015/05/explaining-the-elbow-spiral-in-the-pitching-delivery/
アームの使い方は、「螺旋階段のように」と説明されています。
「エルボースパイラル」ですね。



ここではテイクバックだけですが、
テイクバックーリリースーフォロー
の一連の動きでは、腕が螺旋状に動いていきます。
ひねられながら、回転しながら、投げる といった具合でしょうか。

トランポリンドリル・ピポッドスローでこの「エルボースパイラル」が養われるとして、動画が添付されています。
https://www.youtube.com/watch?v=hkY1eHGW8bg

https://www.youtube.com/watch?v=g6mniyTOgO8

普通に投げるパターンもありますが、
・肘の屈曲
・手の甲の向き

が特徴的です。
エルボースパイラルがピンと来ない方は、「肘(腕)を回転させる」と考えて頂いてもよいかもしれません。
肘を投球目標(前方)に向ける→肘が空に向く

このとき、肩も一緒に連動して動くのがわかると思います。


※危険な動作
・肘の屈曲ー伸展(肘の曲げ伸ばし)
・手首の屈曲ー伸展(パタパタと叩く動き)
で投げてしまうのは、怪我のリスクが伴います(肘の障害につながりやすい)。
「前でリリースしろ」「スナップをきかせろ」「最後は指で切る」
といった指導は完全に☓ではないのですが、危険な動作を誘発してしまう恐れがあります。



HACKING A PITCHER’S ARM ACTION: A HIDDEN POWER OF OVERLOAD TRAINING

https://www.drivelinebaseball.com/2015/05/explaining-the-elbow-spiral-in-the-pitching-delivery/
こちらの記事では、過負荷トレーニング(プライオボール・ウエイテッドボール)を使うトレーニングによって、アームアクションが変化することを説明しています。

過負荷トレーニングを行うことで、
・腕が螺旋状に上がってくる感覚がわかる
・身体の連動性やムチを使う感覚、しなる感覚がわかる
 としています。

実際プライオボールで投球している選手たちを見て、アームの使い方の変化を感じています。フリーフットが着地した際にボールが肩より上にあり、加速してもストレスがかからない使い方になっています。ボールに力が伝わりやすくなり、投げやすくなったという感覚的な声も、選手から聞くことができています。


実際プライオボールじゃなくてもよいと思いますが、重さや大きさの変化をつけることに大きな意味を感じている最中です。


2019年1月11日金曜日

股割りメソッド(Mac's Trainer Roomより)



https://www.youtube.com/watch?v=zmqc98cRPDk



①ベンチ台に手をついて開脚 つま先上(外旋)
②外旋ストレッチ ベンチに膝を乗せて臀部のストレッチ
③四頭筋〜腸腰筋のストレッチ  ベンチ台横向きに膝立ち→前後
 ※勝手に腸腰筋らのストレッチだと思ってます
④再びベンチ台に手をついて開脚

⑤ステップ台(小さな台)にのってボールを転がす
⑥ジャックナイフストレッチ開脚 主にハムストリングス?
⑦ジャックナイフストレッチ閉脚 
 ※⑤〜⑦は腰から曲げないこと
      ステップ台に乗るのは骨盤の向きに気をつけるため(前傾させて行う)
      腰が支点にならず、股関節が支点になるように





http://www.macstrainerroom.com/archives/806

Mac式ベースボール股割りメソッド


怪我のリスクを抑えるには、胸がつくほどまでになっているとよいわけですね。



なるほどな、と思います。
ストレッチの効果が出るのは、しばらくかかりますから、時間をかけて取り組む必要がありますね。ダルビッシュ投手、つま先の向きが素晴らしいなぁ!

2019年1月8日火曜日

Drivelineのモーションキャプチャ

  • Anthony Brady: Biomechanist, Lead Motion Capture Technician
DrivelineBBで、バイオメカニストをされている方です。モーションキャプチャをTwitter上で公開されています。参考になることが多く、Tweetを拝見しています。


肩甲骨は胴体の回転によって上昇してきます。肘は「上げる」より「上がる」。




赤は少し前、緑は最近のものです。ピポッドスローによってアームのポジションが改善され、最大外旋が深くなってます(緑)。




 Drivelineはいくつかの種類のドリルによってメカニズムを修正しているようです。もちろんそれだけではなく、科学的な原因究明を行っています。勉強になることばかりですね。
 

2019年1月7日月曜日

投手陣改革


我々の高校も、年明けて練習再開しております。再開から数日が経ち、寒さと疲労から動きが悪くなっている部分も散見されています。できる範囲のアプローチをかけて、技術向上に努めたいと思っています。



2019年1月6日日曜日

運動連鎖


私が投手を指導する際に、メカニクスにおいて大切なのは3つあると考えています。

1 並進運動(横の移動)
2 回転運動(骨盤と肩甲骨の回転)
3 運動連鎖(各部分を協調させて投げる)

投球動作では、横の移動で生まれたエネルギーを効率よく回転動作につなげ、ボールの速度を大きくします。うまく横移動する必要があり、その横移動のエネルギーを回転動作に変換して、ボールをより早く動かさねばなりません。それも部分だけを意識するとうまくいかず、各部分を協調させて投げる必要があります。ひとまず今日は、運動連鎖について、です。












2019年1月4日金曜日

テクノロジー・データとコーチング



    TECHNOLOGY, COMMUNICATION, AND THE FUTURE OF COACHING

    https://www.drivelinebaseball.com/2019/01/technology-communication-future-coaching/


    (翻訳と原文を読んで汲み取って考えているのであしからず)
    ざっくりぱっくり要約:技術や分析するテクノロジーを導入していくことについて。

    スポーツバイオメカニクスとは何だろうね



    私は常々「合理的で効果的な練習がしたーい!」って思っています。野球界は結構曖昧な言葉が多いですよね。「体を開くな」「ヘッドを下げるな」「下半身を使え」とか。私があまり上手じゃなかったので、「開いているぞ」と言われても「どこが?どう開いてるの?じゃあどうしたらいいの?」と思っていました。




    ♢「じゃあどうすればいいの?」
    いつも僕が思っていたのは、「僕が下手なのはわかった、今のうごきが悪いのもわかった、じゃあどうしたらいいの?」ということです。「そこは自分で考えようよ」というとこでもありますが、考えているうちに現役生活が終わってしまいました。スポーツ選手は時間との戦いです。できる限り早く上達し、結果を出すことが求められるわけです。


    ♢合理的で効果的な練習がしたい!
    どうして素振りをしているのにうまくならない?練習しているのにうまくならないんだろう?そんな疑問を抱えたまま、引退してしまいました。「もっと練習せい!」で解決かもしれないんですが、偏屈な私は納得できなかったのです。いろいろ考えた結果、指導者の道に進むことになるのですが、「合理的で効果的な練習がしたい!きっともっと簡単にうまくなる方法があるはず!」と思って勉強の日々がはじまりました。


    8月11日 東北学院vs愛工大名電

     8月11日 東北学院vs愛工大名電 5-3 東北学院〇 かんたんなまとめ:初出場の東北学院が優勝候補の名電を撃破。 140キロトリオと激戦区を勝ち抜いてきた名電だったが、東北学院伊東投手の前になかなか点を取ることができない。初出場かつ新聞記事C評価の東北学院、投打がかみ合い長打...